健康・ヘルスケア
2019.5.12

月に1回のセルフチェックで乳がんを早期発見! “いつもと違う”と感じたらすぐに受診を!

若い世代の有名人の方の乳がんがクローズアップされており、11人に1人が乳がんにかかる時代と言われています。他人事ではないのですが、美的世代の20~30代は検診で乳がんを見つけるのが難しいという一面も…そのためにはまず、セルフチェックで自分の乳房に興味を持つことが大切! 詳しいお話を自由が丘みきブレストクリニック院長の森 美樹先生に伺いました。

もし、いつもと違う症状を感じたら、すぐに受診!

20~30代は、症状がないのに乳がん検診を受けると、メリットよりデメリットが上回る…。でも、何もしないのも不安です。20~30代早期発見する方法はないのでしょうか?
「“ブレスト・アウェネス”という言葉があります。これは、まずは自分の乳房に関心をもつということ。月に1回、セルフチェックで乳房の形や感触を確認します。毎月触っていると、以前と変化があったり、何か違和感があると敏感に気づきます。これは若い世代だけではなく、40歳以上のどの年代でも行いたいことです」と森先生。

症状はでないけれど、どうしても心配で仕方がないという人は?
「乳腺外来に相談して、検診は100%ではないこと、デメリットもあることをよく知って、納得した上で自分の責任で受けるならいいと思います」と森先生。

その場合は、どんな検査を受けるのが良いのでしょうか?
「若い世代は、高濃度乳房の人が多いので、超音波を基本にして、何か気になるものが見つかって医師から勧められたら、マンモを組み合わせるのはどうでしょう。また、 繰り返しますが、気になる症状がある場合は、すぐに受診してください。これは検診を受けた人も同じです。検診を受けたから1年間は安心とは思わず、いつもと違ったら受診します。その場合は、超音波とマンモの両方を受けましょう」

どんな症状を感じたら、受診すべきなのでしょうか?
「左右の乳房の形、色、大きさ、皮膚のへこみ、引きつれ、乳首のただれなど、いつもと違うことを発見したら、乳腺外科を受診しましょう」(森先生)

月1回のセルフチェックで自分の乳房に関心をもちましょう

セルフチェックは、生理が終わって3~7日たった頃で、乳房を触っても張りや痛みがない時に行いましょう。子宮や卵巣の病気や閉経していて生理がない人は、毎月、自分の誕生日の日にちに行うと忘れにくいです。しこりを見つけようとするより、いつもの自分のおっぱいを知るつもりで。

【STEP 1】鏡に映して見ていつもと違わないか

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両腕を下げたまま、乳房全体が映る鏡に向かう。左右の乳房の形、色、大きさ、皮膚のへこみ、引きつれ、乳首のただれなどを見る。次に、両腕を上げた状態で、同じことをチェック。ポイントは、いつもと違いがないかどうか見ること。

 

【STEP 2】4本の指の腹で押さえるようになでる

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4本の指の腹で乳房全体を触るようにして、外側から内側へ少しずつずらし、しこりや固い部分はないか、上から下までくまなく触る。乳房全体だけでなく、わきの下、鎖骨の周辺も丁寧に。石けんやベビーパウダーをつけると指を動かしやすくなる。

 

【STEP 3】あお向けでもチェックを行う

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ベッドなどで、楽な姿勢であお向けになり、調べる乳房の側の肩の下に、枕やタオルなどを入れて少し高さを出して行う。右乳房を調べるときは、左手で。左乳房のときは右手で。この姿勢のときも、わきの下や鎖骨周辺も忘れずに。

 

乳首の様子もきちんと確認を

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乳首にただれや分泌液が出ていないか(右)、へこんでいないか(中央)、引きつれていないか(左)なども見る。乳首を無理につまんだり絞ったりすると若い世 代は分泌液が出やすいので見るだけでOK。ブラジャーに分泌液がついてないかは、要チェックを。

その症状は乳がん? それとも…? 生活習慣におけるリスクを知っておこう

乳首や乳輪に湿疹やかぶれがある場合は入浴後クリームなどで保湿対策を。それでも治らないときは、皮膚科へ。すぐに乳がんを心配する必要はない。生理前などに起こる乳房の痛みや張りを防ぐためにも、自分に合ったブラジャーをつけることも大事。また、食事でいえば、乳製品や肉類は乳がんのリスクとは関係ないといわれている。大豆イソフラボンは多少乳がんリスクを減らす可能性があるといわれている。アルコールや煙草は乳がんリスクを上げる。生活習慣では、夜間勤務などの生活もリスクが上がるといわれている。これは睡眠やホルモンバランスに影響があるからではないかと考えられる。逆に、乳がんリスクを下げるのは授乳。12か月授乳期間が延びるごとにリスクが4.3%ずつ減少するといわれている。

「AYA世代」のがん若年性乳がんの現状は…

AYAとはAdolescent and Young Adultの略で15~39歳くらいの思春期と若い世代。AYA世代ががんと診断させるのは年間15~19歳で約900例、20代で約4,200例、30代で約16,300例(推計)。全年齢から考えると非常に少ないが、この世代特有の悩みや問題が。20~30代は、男性より女性のがん罹患率が高く、これから妊娠出産するAYA世代の乳がん、子宮頸がんが増えている。治療が結婚、妊娠出産に及ぼす影響や就労への影響も特有。今、少しずつ始まっているサポートは心理・社会的支援、妊孕性温存(妊娠出産できる力を残す)支援、就労支援、外見ケア支援、相談は全国拠点病院「がん相談支援センター」で。全国がん拠点病院は厚生労働省ホームページからhttps://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/gan04/

 

お話を伺ったのは…
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自由が丘みき ブレストクリニック院長 森美樹先生
鳥取大学医学部医学科卒業。同医学部病態制御外科学講座入局後、がん研有明病院乳腺外科、聖路加国際病院乳腺外科、昭和大学乳腺外科助教、米国カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校を経て、’16年より現職。医学博士日本乳癌学会乳腺専門医・指導医。

 

『美的』1月号掲載
撮影/田中麻衣(本誌) イラスト/きくちりえ(Softdesign) 編成/増田美加(女性医療ジャーナリスト)

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