日常に潜む美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は“食”について。ビタミンCは一度に摂っても意味がないって…ウソ? ホント? 管理栄養士の浅野まみこさんにお答えいただきます。
Q:ビタミンCは一気に摂っても意味がない? こまめに摂取した方がいいってホント?
シミ、くすみや毛穴、たるみなどにマルチな美容効果を発揮すると言われるビタミンC。体内で合成することができないため、食品や飲み物から摂取する必要がありますが、一度に摂ったらダメだというウワサも……。本当でしょうか。
さっそく、この疑問を浅野先生にぶつけてみました!
A:本当です
「厚生労働省によるとビタミンCの1日の必要量は100mgと言われています。100mgという量は、イチゴなら5粒くらい。案外簡単に摂ることができます。
その反面、ビタミンCを消耗する場面もとても多く、ストレスや喫煙、アルコールの摂取や激しい運動でも大量に減るし、コラーゲンの生成や免疫機能を高めるためにも消費され、風邪やインフルエンザなどの感染症のときにはさらに必要量が増加します。ビタミンCは日々の生活でどんどん使われてしまうので、積極的に摂っておいて欲しい栄養素です」(浅野先生・以下「」内同)
1日の必要量のためには2000~3000mgのビタミンCの摂取を
「1日の必要量は100mgと言われていますが、あらゆる場面で消費されることを考えると1日で2000~3000mgほどの摂取が理想です。でもビタミンCには1回の摂取上限値というものがあり、1度に吸収されるのは最大で1000mgと言われています。逆を言えば、1度に1000mg以上摂る必要はありません。1000mg以上摂取する場合は、数回に分けて摂取されると、無駄なく吸収できます。この点でいうと“こまめにとったほうがいい”といえますね」
サプリも取り入れ方も注意…ビタミンCを効率良く摂取する方法
「野菜や果物などの食品からビタミンCを摂取するなら、効率よく摂取できる方法は生で、できるだけフレッシュな状態のものを食べることです。そして、サラダなど生で食べる方が効率的です。
ビタミンCはとても壊れやすく、水溶性のため、水に長くさらさないことと、加熱は避けること、鮮度のいいうちに食べることがポイントです。野菜を切って茹でるという方法では量はたくさん食べられますがビタミンCの摂取、という点でいうと、効率的には摂れない方法です。つまりビタミンCの効率的摂取を考えると生で食べることが理想的ですが、茹でる場合にも、茹でてから切るという流れにすると良いでしょう。
また、野菜を買って、冷蔵庫に置いておくと1週間ほどでビタミンCの量が半減するというデータもあります。毎日、生野菜や果物だけで2000〜3000mgを摂取するのは難しいので、ドリンクやマルチビタミンなどのサプリメントを補助として摂取すると良いでしょう。また、サプリメントこそ、含有量が高いので、分けて飲むことがおすすめです」
ビタミンCは美容と健康のためにも積極的に摂取するべきものですが、1度に吸収される量に上限があることを忘れずに、基本は3食の食事でバランス良く摂取するのがおすすめだそう。お野菜や果物などの食べ方も、ぜひ参考にしてみてくださいね。
管理栄養士
株式会社エビータ 代表取締役
栄養士大学 学長
一般社団法人 栄養士戦隊☆隊長
浅野まみこさん
総合病院、女性クリニック、企業カウンセリングにて1万8千人以上の栄養相談を実施。その経験を生かし、健康経営サポートや商品開発、人材育成、健康サービスコンサルティングを得意とする。コンビニや外食を使った実践型栄養アドバイスをフィールドワークとし、「コンビニ外食健康法」などの講演が人気を呼び、年間100時間以上の講演を行う。メディアや雑誌にも多数出演。新著に『血糖値は食べて下げる寝て下げる』(アスコム)『血糖値を下げる夜9時からの遅ごはん』(誠文堂新光社)『コンビニ食・外食で健康になる方法』(草思社)。夕刊フジで「きょうから実践 外食・コンビニ健康法」毎週水曜 連載中。
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