便秘改善の方法|運動、マッサージ…便秘薬を飲むタイミングは? 【女医に訊く#51】
便秘はダイエットの大敵。腸内環境を整え、ダイエット中の便秘を防ぐには、食物繊維などの栄養や水分のほかに、運動やマッサージ、休息も必要です。今回は、腸の働きをサポートしながらいい便を出す方法を紹介します。
便秘症改善には、まず大腸を支え、便を押し出す筋力をつける
「女性は男性に比べて骨盤が広いため、腸が垂れ下がって、便が溜まりやすくなっています。そのうえ、便を出すための筋力も弱く、ホルモンバランスも変わりやすいため、便秘しやすいのです」と話すのは、消化器内科医の古川真依子先生。
溜まった便を動かすには、運動も大事。たくさん歩くだけでも、血流や代謝が良くなり、腸管の運動も良くなるそう。
「時間はかかりますが、ヨガやピラティスでインナーマッスルを鍛えるのもいいでしょう。大腸を支えて便を出してあげるのに、腹筋は欠かせません。テレビを見ながら頭を上げるなど、簡単な筋トレで構いませんので続けてみてください」
腸揉みマッサージで排便をサポート
「溜まった便を動かすには、直接腸を刺激してあげるのも有効です」と古川先生。
便秘にいい腸揉みマッサージの方法はというと、仰向けに寝て膝を曲げ、大腸の動きに沿って「の」の字にマッサージするだけ。人によっては便の位置がわかることもあるそう。
「また、体が冷えるとむくみますし、便秘にもつながります。マッサージや腹巻きなどを活用して、下半身は冷やさないようにしましょう」(古川先生)
便秘薬を飲むタイミングと選び方
「女性の場合、特に生理前の1週間、いわゆる黄体ホルモンが優位になる時期に便秘になるのは普通のこと。しかし、3日も4日も便が出ず、お腹の張りや残便感、吐き気、食欲不振などを感じたら、お薬で対処した方がいい状態ですね」と古川先生。
ただし、市販の下剤には、刺激性下剤のような出すとお腹が痛くなるタイプが多いので要注意。できれば、便をやわらかくするようなタイプを選びましょう。
「飲むタイミングや生活スタイルによって、いろいろな下剤が選べます。便秘くらいで…と思わずに、気軽に医師に相談してみてください」(古川先生)
寝る前2〜3時間は食べずに胃腸を休める
いい便を出すには、腸を休めることも大切です。脂質やカロリーが高く、添加物も多い外食や加工食品が続くと、消化の機能に負担がかかります。
「基本は、3食きちんと食べて、寝る前の2〜3時間は食べずに胃腸を休めること。暴飲暴食などで脂肪が定着する前に、生活習慣や食生活を引き締めて、スリムなボディを取り戻しましょう!」(古川先生)

文/清瀧流美 撮影/黒石あみ
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