健康・ヘルスケア
2019.3.8

スマホの見過ぎで口臭をキツくなるってホント?真相を医師に直撃!

日常生活で生まれる美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は、“ニオイ”について。スマホを見過ぎると口臭がキツくなるって……ウソ? ホント? 内科医で認定産業医の桐村里紗さんにお答えいただきます。

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Q:スマホが原因で口臭がきつくなるってホント?

今や私たちの必需品となっているスマートフォン。ですが、スマホの見過ぎは顔たるみやストレートネックを引き起こしやすいといわれています。さらには口臭がキツくなるというウワサも……。本当なんでしょうか。

さっそく、この疑問を桐村先生にぶつけてみました。果たして先生の答えは……?

 

A:本当

「スマホの長時間の集中使用や、猫背の姿勢が定着してしまうことで、唾液分泌が低下します。また、口周りの筋肉が緩み口呼吸に。これらふたつが要因になって、口臭がきつくなる可能性があります」(桐村先生・以下「」内同)

生理的な口臭の主な理由は口内乾燥

「そもそも、口臭は24時間誰にでも起きるもの。これを生理的な口臭と言います。生理的な口臭は、主に唾液が減ることが原因です。

口の中には、数百種類もの常在細菌が定着しています。歯をよく磨く人でも10002000億個、あまり磨かない人では、40006000億個程度もの細菌が暮らしています。これらの多くは、特に悪さをするわけではなく、外から来る病原菌から体を守ったり、歯や歯茎を守ってくれたりしています。

ただし、細菌も増えれば、当然ニオイの原因に。その増殖を抑えているのが、唾液です。唾液には、自然な殺菌作用があり、細菌の増殖を防ぎ、歯周病や虫歯など口臭の原因にもなる口腔内の感染症を予防する効果があります」

ブルーライトや口呼吸も口臭の要因に

「そして、スマホやPCなどから発するブルーライトは、交感神経を刺激して、唾液の分泌を低下させます。また、ブルーライトカットをしていても、スマホの長時間の利用は交感神経を刺激しますから、それだけでも口臭を強くする要因となるでしょう。

さらに、スマホを使うとき、少し猫背になって覗き込む姿勢になりがちですよね。これがNG。唾液を分泌する唾液腺を圧迫することで唾液の分泌を減らす上、猫背の姿勢が普段から定着してしまうと、口を閉める筋肉が衰え普段から口が半開きになってしまいます。口呼吸は、口が乾燥し口臭を発生させる元凶となるのですよ」

ガムで唾液を分泌させて口臭予防を

「スマホを使わないことは、現代では不可能だと思います。その分、唾液をしっかりと分泌させて、口を乾かせないことが大切です。簡単なのは、ガムを噛む方法。咀嚼をすると、唾液が分泌されます。また、普段から早食いをせず、食べ物をしっかりと咀嚼して唾液分泌を良くしましょう。

そして、スマホを見るときに、意識して姿勢を良くすることも重要。うつむくののではなく、目の高さまでスマホを持ち上げて見るようにするとよいですね。口がぽかんと開いていることを自覚したら、意識して口を閉じ、鼻呼吸を心がけて」

内科医・認定産業医/tenrai株式会社 代表取締役医師
桐村 里紗先生
予防医療を“ライフスタイルデザイン”再定義し、生活者の行動変容を促すコンテンツ開発を行う。著書に『日本人はなぜ臭いと言われるか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)など ■tenrai株式会社

文/木土さや

 

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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