体温が高い人は代謝もいいってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を医師や専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「代謝」について。体温が高い人は代謝もいいってホント? ワイズ製薬の久保木彰一さんにお話を伺いました。
Q:体温が高い人は代謝もいいってホント?
平熱が上がると「免疫力アップ」や「基礎代謝が上がる」と言われています。ということは、体温が高い人は代謝もいいということなのでしょうか? さっそく、この疑問について、薬剤師資格に加え、国際中医薬膳師の資格も保有するワイズ製薬の久保木彰一さんに聞いてみました。
A:ホント
「標準体型の人であればホント。しかし、体温は体温調節機能に影響されるため、一概に代謝がよいからとは言えないパターンもあります」(久保木彰一さん・以下「」内同)
“体温が高い”=“代謝がよい”
「体温が1℃上がるごとに代謝量は約13%増加するため、標準体型の人であれば、平熱が高い人のほうが代謝はよいと言えます。また、代謝が盛んな子どもは大人より体温は高めですし、加齢による筋肉低下や皮下脂肪の減少などにより代謝が落ち、体温が低下する人も多いです。しかし、太っている人はその限りではありません」
“体温が高い”=“代謝がよい”の例外
「体温は個人差があり、皮下脂肪の量によっても差が出ます。体温とは体内の熱が皮膚に伝わった温度を測ります。そして脂肪は熱が伝わりにくい性質をもっています。つまり、体内と皮膚の間に熱が伝わりにくい脂肪が多ければ多いほど、熱が伝わりにくく、体内で生じた熱が溜まり、体温が上昇しやすくなるのです。
さらに、脂肪が上昇した体温を維持することで平熱が高くなることもあります。そう考えると、平熱の高さと代謝のよし悪しは一概にイコールとは言えません」
体温調節機能とは
「その名の通り、体温を調節する、動物が備えている生命維持のための重要な機能のひとつです。人間の場合、皮膚の温度センサーで気温を読み取り、血液や発汗の量を変えることで体温を調節しています。つまり、無意識でも気温が高いことで体温が上がれば発汗などで熱を放出して体温を下げようとし、気温が低くなれば体温を上げて温めようとします。しかし、上で説明した通り、脂肪は熱が伝わりにくいため、脂肪が多いと正しい体温が伝わらず、温度センサーが正常に作動しません」
代謝がいい人は汗をかきやすい?
「いいえ。ひとつの説として代謝がよい人はエネルギーを消費する際に、たくさんの熱を発生させているので、体温が高く、汗をかきやすいとも言われています。しかし、体温と同じように、汗についても体温調節機能が関係しているため、一概に代謝がよい人は汗をかきやすいとは言えません。
代謝が悪くても汗をかきやすい人もいます。たとえば、太っている人の場合は体温調節機能の低下により、体内にこもった熱を発散するために体が大量の汗を出します。この場合は代謝がよいから汗をかいている訳ではありません。一方、代謝がよくても汗をかかない人もいます」
代謝が上がったことを実感できるサインはある?
「はい。運動などを行っている人であれば、“疲れにくくなった”と感じたときが、そのサイン。筋肉量が上がって、体のなかで代謝が活発に行われている証拠です。
逆に、日常の活動でもすぐに疲れる、という人は代謝が悪いサインかもしれません。そういう人は疲れたときに甘いものが欲しくなることが多いかもしれません。でも、疲れを糖で解決しようとすると血糖値スパイクが起こってしまい、余計にだるさが増してしまうこともあります。疲れているときは甘いものでなく、代謝の燃料となるビタミンB群やカルシウム、亜鉛といったミネラルを意識して摂るのがおすすめですよ。
文/土屋美緒
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昭和薬科大学薬学部薬学科卒業 。北京中医薬大学日本校卒業。薬剤師資格だけでなく国際中医薬膳師・調理師免許も保有。大手ドラッグストアーに勤務後、調剤薬局に勤務、神奈川県鎌倉市薬剤師会に所属し、在宅医療を中心に地域包括ケアの一員として活躍。その後、現職のワイズ製薬で化粧品及び健康食品の商品企画開発に従事。お客様の痛い・苦しいを取り除くために日々奮闘中です。プライベートでは二児の父で、育メンを目指しています。
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