「更年期」どう乗り切る? 食事、血流改善…今すぐできる3つのセルフケア習慣
生活の乱れやストレスの影響を大きく受ける『更年期』。今からでも行える3つの習慣で、なんとなく不安な更年期と上手に付き合えるようになりますよ。
心身に負担がかかる時期だから、無理せずに続けられるセルフケアを習慣に
元々人間の体には、変化に対応する余力が備わっているため、20代の頃は夜更かしをしてもリカバリーは簡単。
「ところが更年期になると、女性ホルモンの急激な減少に対応するために余力が使われてしまい、生活の乱れやストレスなどの影響を受けやすくなります。ホルモンの変化や周囲からのストレスは自分ではコントロールできません。だからこそ、生活のリズムや食事の内容を整えるといった、自分で調整できるケアで生活を整えることが重要です」と明治国際医療大学鍼灸学部学部長・教授の伊藤和憲先生。
特に『美的』世代からできるケアで取り入れたいのが、腸活です。
「腸内環境を整えて吸収能力を高めておくと、ホルモンの原料となる食べ物の吸収が良くなるのでホルモンの減少を緩やかにする効果も期待できます。また、不規則な生活で自律神経が乱れると、ホルモンの分泌にも悪影響を与えます。生活リズムを整えて質の良い睡眠をとるよう心掛けましょう」(伊藤先生・以下「」内同)
【1】乳製品、発酵食品、大豆類をとって体を整える
腸内環境を整えるには、納豆などの発酵食品や腸内の善玉菌を増やす働きがある乳製品、食物繊維が豊富な大豆製品がおすすめ。
「大豆にはたんぱく質や女性ホルモンに似た作用をもつイソフラボンだけでなく、トリプトファンも豊富。摂取したトリプトファンは、太陽の光を浴びると脳内でセロトニンに変わり、夜になるとメラトニンに変化して睡眠をサポート。良い睡眠にも欠かせない成分で、朝食で摂取するのが特に効果的です」
【2】ツボ押しで更年期の不調を和らげる
手軽にできて続けやすいのがツボ押し。
「更年期やPMSの症状に効果的なツボを、イタ気持ちいい程度の強さで1回5~10秒程押しましょう。ツボにドライヤーやシャワーを当てて温めるのもおすすめです」
足の内くるぶしから上に指4本分のところにあるツボ。『女性のツボ』とも呼ばれ、ホルモンバランスや冷え、ホットフラッシュなどに効果的。
ひざの皿の上から指3本分上の内側にあるツボ。更年期症状や生理前のイライラ、月経不順の緩和に効果的。ここをじんわり温めるのも◎。
【3】爪もみ習慣で自律神経を整える
「神経が密に存在している指先を刺激すると、自律神経を整えることができます。ストレスを感じたときや電車での移動中、睡眠前など気づいたら取り入れましょう」
手の親指から小指までを順番に、反対側の手の人さし指と親指で両側からつまんで押しもみする。各指10秒程度を目安に気持ち良い程度で行う。
\Check!/ネットでもチェック可!体のタイプに合ったケアを
『自分の体のタイプに合わせて、季節に応じたケアをすると体のリズムが整いやすくなります』と伊藤先生。
伊藤先生監修の体調管理サイト『YOMOGI+』(無料、要登録)の「ここから診断」コーナーで測定することが可能。
『YOMOGI+』https://yomogi.good-health-comms.jp
『美的』2023年9月号掲載
イラスト/伊藤美樹 構成/青山貴子、有田智子
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
いとうかずのり/東洋医学を用いた治療や慢性痛患者のためにセルフケアを指導。日本慢性疼痛学会理事、日本養生普及協会会長。