【マンガで読む】「社交不安症」とは?|人に注目されたりすることが怖い…原因や対策法を女医が解説
人に注目されることや人前で恥をかくことが怖い…。頭が真っ白になって、その場から逃げ出してしまった…。何もかも不透明な時代、実はみんなが抱えている 「不安」。知ることで、少し楽になる出口、探してみましょう。今回は、「社交不安症」について池袋オリーブメンタルクリニック 院長の松島幸恵先生に伺いました。
人前で恥をかくことが怖くて不安な…「社交不安症」
恥をかいてもOK!と思考の変換を!
「誰でも“明日のプレゼン、うまく行くかなー”と考えると、脳の扁桃体が活性化されて、多少の不安や緊張の感情が生じます。でも、人に注目されたり、人前で恥をかくことが怖い社交不安症の場合は、その不安のレベルが強すぎて、プレゼン自体を遂行できなくなります。
C子さんのように無理をして話そうとすると、手や声の震えが止まらなかったり、頭が真っ白になって言葉が出てこなかったり、大量に発汗したり…。また、その状況を聞き手に気づかれるのも、マイナス評価を下されるのも怖いので、その場を逃げ出してしまったりします。単なる“あがり症”で、性格の問題と捉えがちですが、社会生活に支障を来す程になると、放置しない方が良いでしょう。
実は私自身も、人前で話すのが少し苦手だったので、自己治癒的に話し方教室に通った経験があります。教室の目的は、人前ですごく恥をかかせることでした。結局、みんな周囲によく思われたくて、恥ずかしいことはできない、失敗したらダメ…と、自分自身に制限をかけてしまっているんです。その制限を外して、恥をかくことに積極的になると、気持ちがスッと楽になります。
また、人前で話すまでにどれだけ練習を繰り返すかも重要です。社交不安症の不安や緊張の本質は、“うまく行かないかもしれない”といったネガティブな未来を考えてしまう心(脳)にあります。その不安な心の状態を覆すには、“きっとうまく行く”と思えるくらい練習をするしかないのです」
【対策1】話し方教室に通うなどして、人前で恥をかくことに慣れる
「話し方教室は、同じ悩みをもつものの、仕事など日常で交わることのない人たちが集まった場所。“ここなら恥をかいてもOK”という安心感があるため、人に注目され、恥をかくことに慣れるための絶好の場です」
【対策2】話す内容がスラスラ出てくるように何度も練習して自信をつける
「内容がしっかり伝わるプレゼンなら、緊張して声が震えていても、聞く側は気にしません。良いプレゼンをするためには反復練習あるのみ。名プレゼンター程、事前に何度も練習を繰り返すといわれています」
『美的』2022年12月号掲載
イラスト/Yumika 構成/つつみゆかり
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
まつしまさちえ/聖マリアンナ医科大学卒。都内の病院勤務を経て現職。精神科専門医。産業医。精神保健指定医。