生姜・砂糖・夏野菜は体を冷やす!?体を冷やす食習慣とは?【女医に訊く#218】
体にいいから、ダイエットできるから…などの理由で、同じものばかり食べたり飲んだりしていませんか?実はそれ、冷えの原因になっているかもしれません。医学博士で内科専門医の伊東エミナ先生に教えていただきました。
生姜紅茶は体を冷やす!?
体が温まるからと、すり下ろしたショウガを入れた紅茶やココアに入れて飲んでいませんか?
実は、生薬としてのショウガには、生の状態から乾燥させた生姜(しょうきょう)と、蒸した後に乾燥させた乾姜(かんきょう)の2種類があり、どちらも体を温める効果があります。
ただし、生姜(生のショウガ)は体温を一気に上げた後、発汗作用で熱を冷ましてしまうため、冷え取りには体を中から温めて持続させる乾燥生姜を摂取する方が効果的なのです。
「生姜紅茶といっても漢方薬局などで生姜のパウダー(乾姜)を買っている人は少なく、生のショウガを入れている人がほとんどだと思います。生のショウガは摂り過ぎると体を冷やしますから、飲み過ぎないようにしましょう」(以下「」内、伊東エミナ先生)
砂糖や体に合わない食品は体を冷やす!?
「白砂糖や黒砂糖などの砂糖、特に白砂糖は体を冷やします」と伊東先生。
「砂糖を摂取すると、20〜30分以内に体の中に炎症物質が出ます。炎症物質はいわば火事の元のようなもの。交感神経はその火元に反応してサイレンをワーッと鳴らすため、体が緊張して血流が悪くなってしまうのです」
伊東先生によると、砂糖のほかにも自分の体に合わない食品もまた体を冷やすそう。
「例えば、アレルギー食品も体に合わないものですよね。アレルギーは別の言葉で表すと炎症であり、冷えや便秘など、一見アレルギーとは無縁を思われがちな自律神経の症状も引き起こすことがあるのです」
アレルギーには、食後、数分~30分で蕁麻疹やくしゃみ、充血、むくみなどの症状が表れる「即時型アレルギー」(IgE抗体が関与)と、数時間~数日後に遅れて症状が表れる「遅延型アレルギー」(IgG抗体が関与)があります。即時型アレルギーは保険での検査も可能ですが、遅延型アレルギーの検査は国内では行えないため、自費で行います。
「当クリニックでもアメリカの機関を使って189項目の食品でIgG検査を行っていますが、試してみると面白いですよ。私も、年齢のせいか運動してもなかなか体重が減らなくなってきたなと思って検査してみたら、卵がダメで。すぐに止めたら体がスッキリして……やっぱり知らずに合わないものを食べているのは、ダイエットや代謝にも良くないことを身をもって実感しました」
旬のものをバランス良く食べましょう
もうすぐ冬。こんな時季に、ナスやトマト、キュウリ、レタスといった夏野菜ばかり食べてはいませんか?
「春には山菜を食べる、夏にはスイカやトマトを食べて体を冷やす、冬は根菜類で体を温める…旬って大事なんですよね。だけど、今はマンゴーだってバナナだって一年中あるじゃないですか。南方のものは元々体を冷やすものですから、それらを季節感もなく冷え症の人がいっぱい食べていると、やはり体は冷えますよね」
体に合わない食品のほか、季節外れのもの、特に夏のものや南方原産のものを冬に食べるのは要注意。胃腸の中を冷たいもので冷やすのも良くありませんから、氷入りのお冷やドリンクも控えて、できれば常温で飲むようにしましょう。
「お昼はサラダと小さいおにぎり1個という人もいますが、栄養はバランス良く摂ることも大切です。タンパク質と野菜と多少の糖質。炭水化物も摂り方によってはダメな場合もありますが、その人に合った内容で多少は摂るようにしましょう」
文/清瀧流美
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エミーナジョイクリニック銀座院長。日本内科学会認定総合内科専門医。日本医師会認定健康スポーツドクター。日本医師会認定産業医。日本温泉気候物理医学会認定温泉療法医。東京女子医科大学医学部卒業後、同大学内分泌内科勤務。2002年、米国ヴァージニア大学留学。2004年に帰国後、2007年、富士河口湖に 統合自然医療センター「富士エミーナクリニック」開設。2010年、東京・銀座に「エミーナジョイクリニック銀座」を開設 (河口湖は同年閉設)。個人差に即応した根本治療と予防により、生涯を通じてのライフパートナー・クリニックとして、役割を果たすことを目指している。著書に『根本治療で「本当の健康」を手に入れる本』(カナリアコミュニケーションズ)がある。