健康・ヘルスケア
2022.9.28

老眼が矯正できるIPCLってどういう治療法?レーシックはどう違うの?【女医に訊く#214】

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前回、ICL(Implantable Collamer Lens)とIPCL(Implantable Phakic Contact Lens)という眼内コンタクトレンズ手術のお話をしました。では、実際の見え方や治療はどんな感じなのでしょうか? 自身もICL手術を受けたという眼科専門医の近藤美鈴先生に教えていただきました。

眼内コンタクトレンズの見え方は?

眼科専門医の近藤美鈴先生がICL手術を受けたのは今から12年前。元々コンタクトレンズを使用していましたが、ゴロゴロしたり目が疲れたりと、不快な症状があったためICL手術を受けることにしたそう。

「今でも手術の翌日のことを覚えているのですが、本当に鮮やかに見えて驚きましたね。メガネよりコンタクトレンズの方が見え方はいいのですが、ICLはコンタクトレンズよりさらに見え方がいいと感じています」(以下「」内、近藤先生)

とはいえ、眼内レンズを入れて12年。見え方に変化はないのでしょうか?

「視力も全然落ちていません。老眼は少し出てきて、ちょっと疲れるようになってきたかなというのはありますが、遠くの見え方に関しては、まったく落ちないので安定性からいってもいい手術だったなと思っています」

眼内にレンズがずっと入っていて不快にならない?

コンタクトレンズを使用していたときは、いろいろ不快な症状があったという近藤先生。ICLレンズを入れてからはどうなったのでしょうか?

「コンタクトレンズを使用し続けていると、ドライアイやアレルギーの悪化につながりますが、コンタクトレンズを入れないことで、それらの症状が改善されました。術後すぐは傷のゴロゴロがありますけど、落ち着いたらもう違和感や入れている感覚というのは、まったくないです。裸眼と一緒ですね」

近藤先生によると、コンタクトレンズのようにお手入れが要らないのもICLの魅力だそう。

「コンタクトレンズつけたまま寝てしまい目が乾くこともないですし、お風呂に入っているときも起きてすぐも『見える』というのがいいです!」

ICL/IPCLの手術時間は?

ICL/IPCLの手術では、黒目の角膜を2~3mm切開し、そこから折りたたんだレンズを虹彩と水晶体の間に入れます。手術を受ける場合、入院は必要でしょうか?

「手術は日帰りで、両目10分くらいで終わります。麻酔は目薬で局所麻酔をするほか、当院では緊張や痛みを和らげる笑気麻酔を鼻から吸ってもらってから手術を行います。手術中は起きている状態で、レンズが入った瞬間にピントがバチッと合うのもわかりますが、かなりまぶしい顕微鏡の光が当たるため、何か見えたりすることはありませんので大丈夫です()

 近藤先生によると、切開した傷は縫ったりせずに自然とくっつくそう。

 「傷が塞がっていくまでの間は違和感というか、まばたきをしたときにゴロゴロッとすることありますが、本当に数日で改善しますので、その後はもう裸眼の感覚と一緒になりますね」

クリニックはどうやって選んだらいい?

ICL手術は資格制のため、資格を持った認定医しか執刀できませんが、近年、対応するクリニックも増えてきました。相談したいときは、どのように選んだらよいのでしょう?

「経験豊富で、十分な説明があり、安心できるクリニックを選ぶのがいいと思います。医療従事者に支持されているクリニックなども信頼が高いと思います」

ICL手術もIPCL手術も自費診療のため、費用はクリニックによって異なります。また、麻酔の方法もクリニックによって異なる場合があります。興味のある方は、事前に情報を集めてからクリニックに相談してみましょう。

※ICLは厚生労働省で認可されたレンズ、IPCLは厚生労働省では未認可のレンズとなります。

眼科専門医

近藤美鈴先生

文/清瀧流美

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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