ストレスにもランキングがあるってホント?真相を医師に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日常生活で生まれる美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は、“ストレス”について。ストレスにもランキングがあるって…ウソ? ホント? ともクリニック浜松町の院長・福永伴子医師にお答えいただきます。
Q:ストレスにもランキングがあるってホント?
日々多くの人が抱え、ときには心のバランスを崩してしまう原因ともなるストレス。そんなストレスには、実は大から小までのランキングが存在するのだとか。本当なのでしょうか。さっそく、この疑問を福永医師にぶつけてみました! 果たして答えは…?
A:ホント
「個人が感じるストレスの程度を測定するために、1968年にアメリカの社会学者・ホームズ氏らが開発した“社会的再適応評制度”というものがあります。ライフイベントごとに、どのくらいのストレスがかかったのかを数値化し、ランキングにしたものです」(福永医師・以下「」内同)
主なストレスランキング
「376人のアメリカ人を対象に、結婚におけるストレス度を50点とし、これを基準にそのほかのライフイベントについて感じるストレスの数値をMAX100として、アンケート形式で回答してもらいました。それを集計した結果、1位はパートナーの死(100)、次に離婚(73)、夫婦別居生活(65)と続きます。ミニマムでは、クリスマス(12)、些細な違反行為(11)となっています。
余談ですが、クリスマスがランクインしていることに驚く人もいるかもしれません。日本人には意外かもしれませんが、実は外国では、クリスマスシーズンは自殺者が多い時期。家族で過ごす習慣があるため、家族がいない人や孤独を感じている人たちは、自分はハッピーじゃないと感じてしまうのが原因とされています。
とはいえ、あくまでも一般論です。ストレスの感じ方には個人差があるため、心療内科やクリニックでこれを利用して治療にあたる、ということはありません」
- 配偶者の死
- 離婚
- 夫婦別居生活
- 拘留
- 親族の死
- 個人のケガや病気
- 結婚
- 解雇・失業
- 夫婦の和解・調停
- 退職…etc.
ストレス要因とは?
「ストレスには様々な要因があり、分け方にも正解はありません。しいて分けるとするのなら、気温や騒音などの物理的なもの、薬物や有害物質などの化学的なもの、炎症やウィルスなどの生物的なもの、対人関係や仕事などの心理社会的なものの4種類といえるでしょう。当院を受診される患者さんのなかで、いちばん多いお悩みは、対人関係や仕事、家庭などの“心理社会的”によるものです」
物理的…暑い寒いなどの気温、騒音、振動、光、気圧など
化学的…薬物、空気中の有害物質、ワクチンの副作用など
生物的…炎症、感染、花粉、ウィルス
心理社会的…対人関係、仕事上の問題、家庭
ストレスを解消するためにはどうしたらよい?
「ストレスは生きていく上では、どうしても避けられないもの。そして、ストレスの原因の多くは自分では解決できないものだったりします。例えば、老後が不安で仕方がないという悩みがあるとしましょう。ですが、この問題を解決しようとしても、いまの自分にはどうにもできませんよね。それならば、自分でどうにもならないことは手放して考えすぎないこと。
また、人間関係で悩んでいる人もとても多いですが、まず相手を変えようと期待しないこと。そう簡単に他人は変えられません。それならば、自分自身が変わったほうがよっぽど早い。相手から何か言われたとしても、それをどうやって受け止めるかは自分次第なのです。
なので、まずは自分自身の考え方を変えて、“ストレスに対する耐久性”を上げてみてください。ストレスの発散法を探るよりも、こちらのほうがずっと前向きに長続きするはずです」
Point
◆自分でどうにもならない悩みは、手放して考えすぎない◆人間関係では、相手を変えようと期待しない
◆相手から何か言われたとしても、それをどうやって受け止めるかは自分次第
◆自分自身の考え方を変えて、“ストレスに対する耐久性”を上げていく
文/木土さや
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
順天堂大学医学部卒業後、同大学精神科、複数のメンタルクリニックに勤務し、2011年、浜松町に『ともクリニック浜松町』を開業。女性患者さんが多く、日々診療にあたる。