ぼーっとしている時間は作業中より15倍脳が働いていた!だらだらぼんやりで生まれるイイこと5
ぼーっとしている時間はなんにも生産性がないように感じられる人も多いと思いますが、実際は仕事や作業をこなしているときよりも、脳は15倍活発に動いているのだそう。 要所要所に“だらだらぼんやり”を挟むことが、仕事にも心にも良い影響をもたらしてくれるんです。どんなイイことをもたらしてくれるのか、必見です!
だらだらぼんやりで生まれるイイこと5
(1)心の健康維持をサポート
うつ病やアルツハイマー型認知症などの精神疾患は、デフォルト・モード・ネットワークの機能トラブルによって発生している可能性が高いと考えられています。脳に疲労がたまってパンクしないためには、要所要所のだらぼんタイムが必要。また過剰にだらだらぼんやりしても脳機能のトラブルになるので要注意。心の疲労がつらいときはクリニックへ行って診てもらいましょう。
例えば?
アルツハイマー型認知症
だらぼん時に活性化する脳領域が減ってくると、脳が萎縮され症状が進むとされている。
うつ病
仕事中でもだらぼんモードがコントロールできないため、集中力が欠けてしまうように。
統合失調症
健康な人よりも、だらぼんモードが優勢になりがち。過剰なだらぼん活動が原因につながっているとの指摘もあり。
(2)ひらめきが生まれる!
ただ“だらぼんする”だけでは良いアイディアは生まれません。徹底的に考えた時間を過ごしてから、だらぼん時間を設けることで、ひらめきや解決策が浮かびやすくなるのです。会議などで思い出せなかったことが、ぼーっとしているときに浮上するように、考えてから休むことがカギ。スティーブ・ジョブスもひらめきのために休む時間を作っていたのだそう。
(3)記憶力がアップ!
世界中で報告されているのが、学習後にぼんやりすると記憶力が高まるという研究。記憶は脳の海馬の一部に保管され、その後に大脳皮質に送られて定着するもの。だらぼんタイムを設けることで、作業中にパワフルに動く大脳皮質の活動に余裕をもたせてくれるため、記憶力がアップすると考えられているのだそう。資格などの勉強をしている人は、勉強後にだらぼんタイムを取り入れてみて。
(4)人生や生活の軌道修正ができる!
だらぼんタイムは脳を基本状態に戻して、自分を立て直すための時間。頭の中で情報整理がされ、“自分が今何をすべきか?”を振り返られるとされています。無我夢中で集中しているときは我を忘れがちだけれども、いつもの自分に戻れるので、冷静な判断が可能に。過去の出来事を反省したり、起こりそうなことを予測して、生活を軌道修正しましょう。
(5)仕事の作業効率が上がる
仕事の作業効率を上げたいなら、だらぼんタイムの習慣化を。仕事量が多いと脳のワーキングメモリが限界に達して判断能力が鈍りがちなので、そんなときは事前にだらぼんタイムを。ぼーっとしながらも次の活動に備えて情報を取捨選択して組み立てていくので、やるべきことが明確になり作業効率もアップします。
\BONYARI SHIYO♪/
『美的』2022年8月号掲載
イラスト/AOI OTANI 構成/むらなかさちこ
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
医学博士。早稲田大学スポーツ科学学術院・准教授、早稲田大学睡眠研究所・所長。睡眠科学、身体運動とメンタルヘルスのエキスパート。『休む技術』(だいわ文庫)や『ぼんやり脳!』(飛鳥新社)など著書も多数。