30代でも老眼に!? 「スマホ老眼」に要注意|視力を回復させる最新治療もご紹介
大人の視力低下は、近視や遠視、乱視のほか疲れ目やドライアイ、角膜の炎症などからも。近くが見えづらい“スマホ老眼”も増えています。視力低下をこれ以上進めないために気をつけたいことや、視力を回復させる最新治療などをチェックしておきましょう!
目の酷使で疲れ目→ドライアイ→視力低下の悪循環
ピント調整の不具合から、物がかすんだり、ぼやけたり
「長時間のPC作業などで目を酷使すると、水晶体を動かす毛様体筋が疲労してピント調整がうまくいかず、物がかすんだり、ぼやけて見えたり…。涙の層が薄くなるドライアイでも、目の表面で光の乱反射が起こり、視力が落ちることがあります。しかも見えづらいと目を凝らすため、疲れ目、ドライアイの悪循環に!」(堀先生)
コンタクトレンズユーザーはワンデータイプに!
清潔に使えて、目の潤いを奪わないコンタクトレンズを
「コンタクトレンズで細菌に感染したり、目を傷つけてドライアイになるケースも。視力矯正用のコンタクトレンズは使い捨てのソフトタイプがおすすめ!」(堀先生)
\デジタル環境でも1日中疲れにくい/
涙に似た保湿成分を閉じ込めた潤いレンズ。
ジョンソン・エンド・ジョンソン ワンデー アキュビュー(R) オアシス(R) 30枚入 ¥2,980(編集部調べ)
至近距離でスマホを見続けると寄り目斜視に!?
スマホの長時間使用で視力低下&斜視予備軍に!
「スマホを至近距離で凝視するときは寄り目気味。これを習慣的に続けていると、視力低下だけでなく、斜視になる可能性があるので要注意です!」(堀先生)
スマホが手放せない!?スマホ老眼に要注意!
30代でも老眼に似た症状が増えている!
「一般的な老眼は、加齢によって水晶体が硬くなったり、毛様体筋が衰えることでピント調節機能が低下するもの。30代でも、至近距離でスマホなどを見続けると、毛様体筋が凝り固まって、老眼と同じようなピントの不具合で見えにくくなることが」(堀先生)
老眼はピント調整機能の衰え
遠くを見るとき
近くを見るとき
目は遠くを見るときは毛様体筋を緩めて水晶体を薄く、近くは毛様体筋を縮めて水晶体を厚くする。近くを見る方が疲れやすい。
スマホ老眼は“なんちゃって”老眼鏡を!
リーディンググラスで近くのピント調整が楽に!
「リーディンググラス(既成老眼鏡)を使えば、至近距離のものを見るとき楽にフォーカスできます。毛様体筋の緊張を軽減できるので、疲れ目の予防にも」(堀先生)
\おしゃれで老眼鏡に見えない!/
パリ発のおしゃれなデザイン。軽くてかけ心地も◎。
element IZIPIZI Reading #A カーキグリーン ¥5,500
レーシック治療でメガネやコンタクトフリーに!
レーザー照射で視力を回復させる!
\今どきのレーシックってどう?/
視力矯正の手術として最もポピュラーなのがレーシック。光の屈折を行う角膜にレーザーを当てて形状を変え、屈折異常を治します。手術は両目で20分程とスピーディで、術後はコンタクトもメガネも不要です。ただし、角膜を削るためやり直しがきかず、眩しさを感じやすかったり、ドライアイになることも。
角膜のカーブをレーザーで調整
角膜表面を削って作ったフラップ(蓋)をめくり、レーザーを当てて角膜の形状を調整する。費用の相場は自費で両眼で20〜40万円。
レーシックより安定性がいい!?ICL治療って何?
コンタクトレンズを眼の中に入れる注目の治療法
ICLは、角膜を開けて眼内レンズを埋め込み、視力を回復させる手術。レーシックのように角膜を削らないので、質の高いクリアな視界が得られ、安定性が高く、近視のリバウンドが少ないと言われています。レンズを個々の水晶体のカーブに合わせるため、術前の検査が大切になります。
目の中にレンズを埋入
角膜に極小の切開創を作り、レンズを折りたたんで挿入。レンズは侵入後ゆっくり広がって固定される。自費相場は両眼で50〜80万円。
医療機関以外でのカラーコンタクト調達はちょっと待った!
カラコン装用で目の表面を傷つける危険性が!
「視力矯正用のコンタクトとは違い、カラコンは医療機関を通さず、装用指導も受けずに購入できるので要注意。医療機器ではないので目を傷つける可能性大!」(堀先生)
マイボーム腺で繁殖!?まつげダニは専用シャンプーでオフ!
目の際を洗う習慣で目のコンディションがUP!
ドライアイ→視力低下の一因となるマイボーム腺の油汚れは、洗って落とす習慣を。アイメイクで汚れた目元に繁殖し、炎症の原因になるまつげダニの予防にも。
\涙と同じ浸透圧で低刺激&高機能/
目に入ってもしみない低刺激で、すっきり爽快な洗い上がり。抗炎症作用も。
メディプロダクト アイシャンプーリフレッシュ 95ml ¥2,970
ロート製薬 学術情報グループ
東 佑紀さん
あずまゆき/目薬を始め、時代や世代のニーズに合う市販薬の研究・開発に携わる。ほかに、全身の健康や美容をサポートするライフスタイルの情報なども積極的に提案している。
『美的』6月号掲載
撮影/横山翔平(t.cube) イラスト/室木おすし、きくちりえ(Softdesign LLP) 構成/つつみゆかり、内田淳子、有田智子
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
ほりじゅんこ/医学博士。東京大学医学部眼科学助手、日本医科大学眼科学講師、准教授などを経て現職。日本医科大学 多摩氷山病院眼科部長も務める。専門は眼炎症疾患、角膜疾患など。