健康・ヘルスケア
2022.2.2

長引く下痢の原因は? 大腸カメラ検査は痛くないって本当?【女医に訊く#184】

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長引く下痢に困ったことはありませんか? 便潜血で陽性になったり慢性下痢と診断されたりしたときに受ける「大腸カメラ検査」は痛くないのでしょうか? 日本消化器病学会消化器病専門医の山本真矢先生に教えていただきました。

長引く下痢の原因とは?

お酒の飲み過ぎや油っこい食べ物を食べ過ぎて、翌日、お腹が痛くなったことはありませんか? 飲み過ぎ食べ過ぎによって腸内が栄養過多になると、腸での吸収がうまくできず、便中の水分が増えて下痢になってしまうことがあります。

「加えて最近、若い方に多いのがプロテインによる下痢ですね。大豆など、プロテインに含まれる成分が原因と考えられます」と話すのは、日本消化器病学会消化器病専門医の山本真矢先生。

「便秘気味の方がプロテインを飲むと、便通がよくなることが多いと思うのですが、普通の排便がある人は、下痢しやすくなってしまうようです」(山本先生)

プロテインやサプリメントを飲むことは悪いことではありませんが、自分の身体に合わないものを飲んでいても健康は維持できません。飲み始めて下痢しやすくなったと感じたら、一旦飲むのをやめて様子を見てみましょう。

慢性下痢症とは?

長引く下痢に困ったことはありませんか? 2週間以内に収まる「急性下痢症」の原因は問診でわかることも多く、薬や生活習慣の改善などで治っていくことがほとんどですが、3週間以上続く「慢性下痢症」は検査が必要なケースが多く、治療法も一律ではありません。

「慢性下痢の場合、潰瘍性大腸炎や過敏性腸症候群など腸の病気のほか、甲状腺機能亢進症や心臓の病気など、さまざまな疾患が潜んでいる可能性があります。便の回数や状態をチェックするだけでなく、血液検査や大腸カメラ検査なども必要になってくると思います」(山本先生)

高熱やひどい腹痛を伴う、下痢以外に吐気や嘔吐などがある、排便後にも腹痛が続く、症状が悪化している、症状が改善しない、血液が混じっている、脱水症状があるような下痢が続く場合は、消化器内科医に相談してみましょう。

「下痢しやすい方には水分を少し吸収して固めるようなお薬を出すこともありますが、人によって合う合わないがあります。1回で治らなかったっと諦めるのではなく、効かなかったことをきちんと医師に伝え、すり合わせていくことが大切だと思います」(山本先生)

大腸カメラ検査ってどんなことをするの?

便潜血で陽性になったり慢性下痢と診断されたりしたときは、大腸カメラ検査(下部消化管内視鏡検査)を行い、粘膜に慢性的な炎症や感染、悪性腫瘍などがないことを確認する必要があります。

大腸カメラ検査は、検査の3〜4時間前から1〜2ℓ程度の下剤を飲み腸をきれいにしてから検査を行います。検査に要する時間は15〜20分程度。検査台に横になり、肛門に麻酔のゼリーを塗布して内視鏡を70cmから1mほど挿入し、盲腸から肛門まで大腸すべての粘膜を直接観察します。

「大腸カメラ検査は痛いとお考えの方も少なくありませんが、今は鎮静剤を使って眠っている間に行うこともできますし、内視鏡が軟らかくなって痛くなりにくくなっています。検査で半日潰れてしまうかもしれませんが、不安を取り除くためにも必要な方には検査をおすすめします」(山本先生)

日本消化器病学会消化器病専門医

山本真矢先生

文/清瀧流美 撮影/フカヤマノリユキ

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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