SDGs
2023.8.9

「きちんと選んで最後まで使い切るのが第一歩」by岸 紅子さん|キレイなあの人の「ご自愛♡サステナ美容ライフ」vol.2

多くの企業や団体、人々が意識するようになった【サステナブルな活動】。しかしながら、“自分が力になれるかしら”とか、“どうやって活動すればいいのかわからない”…と、難しいように感じている方もいるかもしれません。それなら、『美的』読者のみなさんが大好きな“美容”を通して考えてみませんか?

実際に“サステナ美容”を取り入れている美容賢者の方々に、生活の中で【サステナブルな活動】を取り入れるコツについてお話を伺いました。今回お話を伺ったのは、ウェルネスプロデューサーで「サステナブルコスメアワード」の審査員長を務める岸 紅子さんです。

知識を増やすと自分に必要なコトが知れる!

「サステナブル美容は、自分に必要なコトを知ることからスタートするといいと思います。 情報が溢れかえっている現代こそ、自分の年齢や生活スタイルの中で本当に必要なコスメを選び、それを最後まで使い切ることで、十分なサステナブル美容に 。もし、選んだコスメが自分の肌に合わなかったときは、顔用なら体に使ってみたり、親しい人に譲ってみたりするという方法もありますよね。

本当に必要なコスメの選び方の提案として、製品が作られるストーリーを知ってみるのも面白いと思います。例えば、スキンケア製品なら“この成分がこんな肌悩みにいいですよ”という効果効能に注目しがちですが、原料が作られる場所のエネルギーを感じたり、生産者の方々のどのような思いで作られているかを知ったりすると、もっと肌にも心にも届く製品に出合えると思います。企業によってもサステナブルな取り組み方は違い、その思いは、ブランド名やパッケージでも表現されているので、製品をトータルで見て選んで欲しいです。 企業には作る責任があるように、使う私たちには使う責任があるので、適正な製品選びを大切にしてほしいと願っています 」(岸さん)

自分の出身地から選んだり、体験を通じて知るのも手

「多くのコスメブランドがある中で、どうやって選べばいいか迷ってしまうこともあるでしょう。まずは、パッケージのかわいさだったり、憧れの人のお気に入りだったり、自分のアンテナがピンッと張るものでいいと思います。もしくは、ご自身の出身地の企業を探してみると、愛着が持てるのではないでしょうか。ほかには、 メーカーさんによってオープンファクトリーやスタディツアーを開催しているところもあるので、お出かけ先の候補にして、ワークショップなどを体験されるのもおすすめ です。実際に植物のパワーを感じられ、五感でエネルギーを感じられることも」(岸さん)

「サステナブルコスメアワード」の審査員長も務めている岸さん。多くのサステナブルコスメを見てきた中で、『美的』世代におすすめのアイテムを教えてもらいました。

 

俳優・井浦 新さん発の頭皮と環境への優しさが詰まったヘアケア

Valley and Wind Kruhi  左/ボタニカル石けんシャンプー(ポンプ付き) 400ml 4,800  右/ボタニカルトリートメント(ポンプ付き)400ml 5,470

「鹿児島のボタニカルファクトリーで作っている俳優・井浦 新さんのブランドのシャンプーとトリートメント。規格外の植物やフルーツを原料とした100%自然由来成分です。使い続けるうちに髪にコシが出て、石けんシャンプーの泡立ちが豊かに。トリートメントは、洗い流さなくてもいいものなので、水を使いすぎないという点でもサステナブル。おしゃれなアルミボトルは、実はリサイクル効率に優れた素材ですし、売上の1%を環境保護団体に寄付している点にも感心。 2022年サステナブルコスメアワードのGOLD賞を受賞した実力のある製品 です」(岸さん)

 

メイクアイテムは使い心地や発色、色もちの進化を要チェック!

左/SHIINA organic 3色 各¥4,200
中/プランドゥ SAIRAI ヴィーガニッシュ プロテクション&カバー クッションコンパクト 全1色 ¥5,000
左/メディアジーン ナナチュラル カラースティック 全7色 各¥2,500

” SHIINA organic“ を作っている女性は、”サステナブルコスメアワード“の初代学生審査員の方で、今は環境活動家として活躍されています。妹さんの唇あれをきっかけにリップからスタートしているブランドで、つけ心地と発色にとことんこだわった1本。リップはオーガニックだと使用感や色出しが難しいと言われているアイテムなので、そこに挑戦する姿勢も応援したくなります。

“SAIRAI” は、ストレスの多い現代でがんばる女性の美しさを最大限に活かしながら、未来の肌も変えられるコスメを開発しているサステナブルでクリーンなブランド。ヴィーガン処方のクッションファンデーションは、メイクの皮膜感がなくて軽やかに使えるのに、シミや毛穴などをキレイにカバーしてくれて優秀」(岸さん)。独自製法によって精製された高純度のプレミアムミネラル粒子によって、時間が経つほど肌に透明感が増し、メイクオフ後の肌への負担感も感じさせない。

“ナナチュラル” のカラースティックは、目元や頬、唇に使えるマチルアイテム。ロスをなくすために、使い切りサイズになっています。ヴィーガンコスメでも発色が豊かだったり、ラメが入っているものもあったりして、メイクの幅が広がります。オンラインショップで購入すると返信用封筒が同梱されており、使用後の容器を回収してくれるという配慮もされていて、サステナブル美容を体感しやすいと思います。

最近のオーガニックのメイクアイテムは種類も質もすばらしく向上していて、キレイの追求を存分に堪能できる時代になったとうれしく思っています」(岸さん)

 

スキンケアは日本の豊かな自然とパワーを感じて

左/五島の椿 椿酵母オイル 30ml 4,950
右/取手ひまわりプロジェクト ひまわりリップ 保湿リップバーム(茨城県取手市ふるさと納税品) 8g 寄付金額¥5,500

”五島の椿のオイル” は、長崎県の五島列島に自生する椿から採取したオイルを主とした美容オイル。若者たちに職を作るプロジェクトの一環として、地元の人が採取した椿を購入してコスメにしています。この活動に感銘を受けた俳優の吉永小百合さんがアンバサダーを務めていることも話題に。自生している椿=日本の土地に合った植物は、私たちの肌へのなじみがいいのも納得です。

”ひまわりリップ” は、茨城県・取手市にある聖徳大学附属取手女子高校の生徒さんが作っている保湿バーム。学校の近くの遊休農地でひまわり畑を作り、市内の搾油所でオイルにし、3年かけてコスメに。クセがなく、どなたにも使いやすいと思います。学生たちの熱い想いは、取手市のふるさと納税品として購入できますよ。

サステナブルなスキンケアアイテムは、日本ならではの植物を使ったり、地方創生を目的にした製品作りを特徴としていることが多く、日本のパワーを感じられます」(岸さん)

 

スーパーフード級の栄養価の高さに注目!

左/ベジタブルテック 飲む粉野菜 90粒入り ¥3,700
右/つの食品 圧搾一番搾り 国産こめ油 600g 1,296

「なるべく自然のものから栄養素を摂りたい私のお気に入りをふたつご紹介します。

ひとつは、 ”飲む粉野菜” 。オーガニックで作ったにも関わらず廃棄予定となっていたほうれん草やにんじん、紅ピーマンなど9種類の新鮮な完熟野菜を、色も味も栄養素も食物繊維もそのままギュッと凝縮したパウダーになっています。原材料を見ると、野菜名と植物由来のカプセルのみとシンプルで、安心して摂取できます。

もうひとつは、 ”圧搾製法で絞ったこめ油” 。一般的な油は、溶剤を使用してできるだけ多くの油分を抽出する方法が用いられますが、こちらの油は、昔ながらの製法で圧力をかけて採取しているので、風味が良くておいしい上、酸化に強いので胃もたれや胸焼けしにくいというメリットが。また、米ぬかは抗酸化作用が高いため、肌のくすみやエイジング対策にも。米油を使うことはお米の消費を高めることにも繋がりますし、米油は油くささの元となる物質の発生が少ないので空気を汚さず環境にも優しく、サステナブルなアイテムなんですよ」(岸さん)

岸さんが審査員長を務める「サステナブルコスメアワード」とは

国内で初めて、化粧品及びファイントレイタリー分野におけるSDGs視点での評価審査基準を制定した“人にも地球にもやさしいコスメ」を表彰するアワード。審査員は、環境、メディア、化粧品などの多分野の専門家のみならず、環境活動を行う学生なども起用し、多様かつ中立で公平なアワードとして2019年にスタート。成分のみならず、原料生産、製造、販売、流通、消費、廃棄といったあらゆるプロセスを含めた製品のライフリサイクル全体を通じて評価、審査、表彰し、コスメのサステナビリティを推進している。
https://sustainableaward.jp

「上記のサイトでは、今までアワードを受賞したコスメを紹介しているので、サステナブルコスメを知るきっかけに活用してください。受賞製品紹介ページからそのブランドのホームページに飛べるので、そちらからぜひ製品のストーリーをチェックを!」(岸さん)

お話を伺ったのは…
ウェルネスプロデューサー/環境省アンバサダー/「サステナブルコスメアワード」審査員長・岸 紅子さん

Profile
きし・べにこ/大学卒業後に美容マーケティング会社を設立。ハードな生活の中で体調を崩したのをきっかけに自然治癒力の大切さを実感し、NPO法人日本ホリスティックビューティ協会を立ち上げる。「ウェルネスを通じて人と地球の美しい循環を叶える」をテーマに活動中。https://www.instagram.com/kishibeniko/?hl=ja
https://www.youtube.com/watch?v=oU4PvUWWxQs&feature=youtu.be

撮影/島村 緑 取材・文/越後有希子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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