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ボディケア
2021.11.5

くびれがある人は、歳をとらない[後編]【齋藤薫「大人美のマナーとルール」vol.3】

男はみんな「くびれ」フェチ。洋服も似合うし、痩せて見えるし、若く見える。そして心の整った人に見えてしまうという「くびれ」の特別な力をさらに深掘り。前編に続き、「くびれ」の作り方までを徹底レポートする。【齋藤薫「大人美のマナーとルール」vol.3】

>>くびれがある人は、歳をとらない[前編]はコチラ

「くびれ」があると恋愛したくなる

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“老けて見える肉付き”と“老けて見えない肉付き”

体には、“老けて見える肉付きと、“老けて見えない肉付き”がある。そしておそらく最も老けて見えるのが、本来の「くびれ」についた肉なのだ。バストやヒップはいくら肉がついていても老けないのに、ウエストは+5センチでも、老けた印象が見え隠れ。アンチエイジング上、極めて効率の悪い肉付きであることがわかるだろう。意外なのは「太もも」や「下部」がふっくらしても老けて見えないこと。それを分けるものとは一体何なのか? 
ズバリこれが女性ホルモン。前編でも、女性ホルモンが「くびれ」を作るという話をしたけれど、思春期の終盤で下腹部や太ももにもうっすらと肉がついてくる。それが女の体の形だから。「裸婦」という題名がつけられた絵画のことごとくが、下腹部や太ももはふっくらもっちり、代わりにくびれはくっきり、それが時代を超え、女の体の官能美の条件だからなのだ。
人間の体は本当に神秘的。女性ホルモンが丸みを作るために、然るべきところに皮下脂肪をもたらし、女の体をデザインしていく。同時に「くびれ」を作って、対比でバストとヒップを際立たせる、それが女性として男性にアピールし、確実に子孫を残していく手段となるからだ。
下腹部の皮下脂肪はいつ妊娠しても胎児を守れることの保証書だが、生き物の形は性的アピール目的でそうなっていることが、実は少なくないらしい。“老けて見える肉付き”、“老けて見えない肉付き”を分けるのも、そうしたアピールのため。女性ホルモンはそこまでやってのけるのだ。すごい!

でも“老けの塊”、「お腹ぽっこり」はなぜ消えない?

ただし、更年期で皮下脂肪が内臓脂肪に取って変わり、くびれもなくなってきた結果のお腹ぽっこりは、致命的に“老けて見える肉付き”を形作ってしまう。しかもこの老けの塊を取り除くのは至難の業。なぜなら内臓脂肪もくびれの喪失も、ただの脂肪じゃない。女性ホルモンの仕業。エクササイズや食事療法で結果が出にくいのも、悲しいことに閉経を機に、もう異性にアピールしなくて良いと、体が判断してしまった結果ゆえなのだ。
まず重要なのは、お腹周りを一緒くたに考えないこと。
「お腹ペタンコ」と「くびれ作り」には本来別のアプローチが必要だ。もちろん、それぞれへのエクササイズはネット上に山ほど掲載されているが、その数が多いほど、実感を得る難しさを物語る。
そこである意味、荒療治に近いが、意外に結果が出やすい方法があるので、ここに提案をしてみたい。

まず、ぽっこりお腹を、ただへこますだけの暗示ダイエット

お腹ぽっこりが、体操では解決しないとの見方が高まる中で、今お腹の内臓脂肪を減らすサプリが大流行しているが、その一方で、注目されつつあるのが、とても単純にお腹をひっこませているだけの形状記憶&暗示ダイエット。見た目にお腹をペタンコに見せたいときに、意図的にお腹を凹ますことって少なくないはずだが、これを意図的に続けるだけ、なのだ。
姿勢と同じで、心がけていてもついつい忘れてしまうから、ともかく思い出したら凹ますという具合に癖づけて。じつはこれが結構効く。原始的でもある形状記憶と、自分のお腹はペッタンコだと自分に思い込ませる暗示のテクニック。馬鹿馬鹿しいと思わないで。いろいろ試して結果が出なかった人は、ぜひとも試してほしい。
ちなみに私は、この「お腹凹まし」に加え、逆腹筋運動、つまり「上体そらし運動」を毎日少しずつ、これだけで本当に10日とちょっとで、お腹が平らになり、ウエストも3cm細くなった。

いっそコルセットで絞る方法

しかし、ウエスト3cm減位では「くびれ」に見えない。本気で「くびれ」を作るなら、ねじる運動が主流になるが、これがなかなか続かない。そこでまさに荒療治と言えるのが、コルセットで絞る方法。くびれができにくい理由は、肋骨が開ききっているからで、これをコルセットで意図的に絞り上げることで最適な状態に戻すのだ。肋骨は思いのほか簡単に動くから、朝には異様にきつかったコルセットが午後にはゆとりさえ生まれるとの声も。
もちろん続けなければ意味がないし、内臓を締め付け、血行を悪くしたりすることがあってはならないから、無理は禁物。まぁこれも形状記憶の荒療治である。
「風と共に去りぬ」のヒロイン、スカーレットオハラは、コルセットで締め上げてわずか17インチ(43センチのウエスト)を作っていたとの記述がある。20世紀初頭の上流階級ではそれが当たり前だったとか。ならばそれは不可能ではないのである。
姿勢が良くなりバストもアップ、ヒップもボリュームアップするものの、リバウンドも早いし、1日3、4時間が限界とされる矯正ダイエット。しかし、自分にくびれができたという自覚が、思いがけない暗示効果をもたらすことも知ってほしい。

くびれができると恋愛したくなる

前編で、男はみんな「くびれフェチ」と言ったが、女性もくびれが生まれると恋愛したくなる。「くびれ」があれば何歳であれリアルな恋愛ができてしまうのだ。それもまた、子孫を残すための生理現象なのである。そして、一度恋愛が始まると恋愛ホルモンPEAが分泌され、満腹感が続くために勝手に痩せる。そしてキレイになる。
そう、だから「くびれ」があると、歳を取らない。今日から「くびれ」を作って、神様が勝手に決めた女性の運命に、逆らう人生を送ってほしい。

>>くびれがある人は、歳をとらない[前編]はコチラ

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美容ジャーナリスト/エッセイスト
齋藤薫
女性誌編集者を経て独立。女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。『大人の女よ! 清潔感を纏いなさい』(集英社文庫)、『美人だけが知っている100の秘密』(角川春樹事務所)他、『“一生美人”力 人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)など著書多数。

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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