毛髪の約8割がたんぱく質! 美髪に直結するおすすめ成分3つ【美髪に効く成分図鑑】

ここは美髪になるために、選ばれしものが通う「美髪成分学園」。今日も美髪に一歩近づくため、生徒たちが実力を競っていますー知っているようで意外と知らない、どう取り入れるのが正解なのか、学園モノ仕立てでご紹介します!

スキンケア・サイエンス コミュニケーター 博士(工学)
次田哲也さん
美容成分はエビデンスを重視!
大手化粧品会社の研究所で技術開発を30年以上務めた後、フリーランスに。化粧品に関する知識をさまざまなメディアでわかりやすく解説している。
関連記事をcheck ▶︎

ミルボン 開発本部 研究開発部
長谷部未来さん
美髪へ導く成分の組み合わせを日々、追求
基礎研究グループ開発展開企画室マネジャー。ヘアカラー開発を経て、ヘアケアアイテムが毛髪に与える作用検証などの基盤研究を担当。

美容師・ rrcid取締役
木村直人さん
髪はいじらないぐらいがキレイなんです
都内にある数々のヘアサロンをプロデュースし、現在は京都河原町の「LOVEST KYOTO」を拠点に活動。ヘアカラーやヘアケアの開発も行う。
\1限目はこちらをチェック!/
美髪になりたいなら「頭皮ケア」に力を入れよう! おすすめ成分3つ【美髪に効く成分図鑑】
【2限目】ヘアケアの基本はこれ! たんぱく質をチャージせよ
2限目の“美髪の基本”について教えてくれるのは、ミルボンの長谷部さん。
「毛髪の約8割がたんぱく質。そのため、日々の食事でこまめにたんぱく質を摂取し、さらにヘアケアで外側からの補給を行うのが“美髪を育むこと”に直結します。まず補給したいのが、髪の主成分で、ケラチンというたんぱく質。シスチンを多く含むのが特徴です。たんぱく質を加水分解した “PPT”も、たんぱく質と同じようにアミノ酸で構成されており、似た働きをしてくれます。あと、髪の油分はヘアカラーなどの際に流されやすいので、植物オイルなどのオイル成分が配合されているものを使うのがベターです」(長谷部さん)
\1年で約15cm伸びる/\表面の硬いたんぱく質がキューティクル/\内側にある柔らかく弾力性があるたんぱく質がコルテックス/\中心にあるたんぱく質がメデュラ。細い毛にはないことも…/
たんぱく質と水分を同時にチャージできる成分 シルクPPT
抗酸化作用 抗ストレス作用
加水分解によって低分子化された、シルクのたんぱく質。吸水性に優れ、毛髪に対する浸透性を保つことから、特技は損傷した毛髪に水分を補給すること。
「洗髪後、ドライヤーをするまでに時間があいてしまう人におすすめの成分。さらに、キューティクルの凹凸をなめらかにし、髪のパサつきをセーブ。毛髪の水分量をアップしてくれるので、ハリやツヤがよみがえります」(本山さん)
●ほかの呼び名は…加水分解シルク、加水分解シルク液、加水分解シルク末、水解シルク液、水解シルク末
ケラチンのベストパートナー シスチン
髪のホールド力
硫黄を含むアミノ酸。髪のケラチンたんぱく質の中に多く存在し、ケラチンの生成をサポートする大の仲良しさん。だが、元気がないと育毛の妨げにも。
「毛の硬さ、耐久性、弾力性、伸び広がりに重要な役割を果たすキーマン。体内に存在するものなので安全性は高いと考えられますが、原料には動物の羽毛を使用するものもあるので、アレルギーがある人は事前に確認をしましょう」(次田さん)
●ほかの呼び名は…ジアセチルシスチンジメチル(N,N’-ジアセチル-L-シスチンジメチルエステル)。
我が校に一番多く在籍する、髪の主要成分 ケラチン
髪の補修 保湿作用
髪や爪を構成する、繊維状のたんぱく質。外的刺激から内部を保護する防御力があり。毛髪の場合、構成するアミノ酸の中にシスチンを含むものが多いのが特徴。シスチンとタッグを組むと、ハリやコシが出て元気に。
「ケラチン不足は抜け毛や細毛の原因となったり、髪の柔らかさを左右するので、欠けてはならない存在。亜鉛(ナッツや牛肉など)はケラチンの合成を手助けしてくれるので、積極的に摂取を!」(木村さん)
●ほかの呼び名は…加水分解ケラチン液、加水分解ケラチン末
[CLOSE UP!]毛髪にはこんな成分も含まれます
たんぱく質以外に、髪のツヤやしなやかさを保つのが水分と脂質。このふたつは紫外線の影響でも失われるので、日々の食事でこまめに摂取しましょう
『美的』2025年7月号掲載
イラスト/カツヤマケイコ 構成/むらなかさちこ
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
外と中の両面でケアしましょう!
公益社団法人日本毛髪科学協会毛髪診断士認定講師。雑誌やテレビ、Webなどで行うヘアケアアドバイスが“美髪になる”と大評判!