女医が解説! 乾燥のシーズン到来。冬でも健やかな肌をキープする秘訣とは?
暑さは落ち着いてくるものの、湿度が急に下がる季節、肌から不思議なささやきが聞こえませんか? “カサカサ、かゆかゆ、シワシワ、たるたる…”。 それ、悲鳴です!今きちんと手をかけておくことで、格段に冬をキレイに過ごせます。皮膚科医の高瀬聡子先生に詳しくお話を伺いました。
乾燥する秋は、バリア機能が低下してトラブル気味に
気温や湿度の変動と、肌のコンディションとはリンクしている、と分析する皮膚科医の高瀬聡子先生。特に10月11月にかけては、乾燥によるトラブルに悩む人が増えるといいます。
「毎年、秋から冬へと移行する時期に『カサカサしてかゆい』と訴えて来院する患者さんが急に増える週があります。患者さんの様子で『今年は秋が来るのが遅いな』などと、気候を判断できるくらいです」
気温が下がると皮脂の分泌量が減少。さらに湿度の低下に伴って肌の水分も蒸散しやすくなり、油分も水分も不足した乾燥状態の肌に。
「乾燥すると肌のバリア機能が低下するので、かゆみや赤みといったトラブルも起こりやすくなります。特に、秋の花粉にアレルギーのある人は、この時期に肌のコンディションを乱してしまいがちなので注意してください」
反面、美白などの積極ケアの結果が出やすい
一方で、美容面においてはメリットもあり、秋の気候は必ずしも悪いものではない、と高瀬先生は解説します。
「秋から冬に向かうにつれて紫外線の影響が少なくなり、酸化ダメージを受けにくい肌環境になります。新たなシミができる心配が少なくなる上、ニキビなど皮脂由来のトラブルも夏と比べれば起こりにくいといえるでしょう。乾燥に備えてしっかり保湿さえしていれば、肌を健やかに保ちやすい季節ともいえます」
メラニンが過剰に作られることが少なくなるので、美白ケアも早く結果が出やすいというメリットが。
「例えば日差しの強い季節にビタミンCでケアしても、紫外線から肌を守るために使われてしまいます。一方で秋冬は、シミやくすみを分解・無色化するためにビタミンCを使えるので、その分美白効果が出やすいのです」
つまり、ケアをすればした分だけ、結果が出せるということ。今ある“困った”を解決しながら、美しい肌を育んでいきましょう。
秋は肌が乾く。反面、紫外線ダメージは少ない
9月末以降、グッと湿度が低下
10月以降、UV指数は低め
お話を伺ったのは…
皮膚科医 高瀬聡子先生
大学病院の皮膚科でアトピー外来、レーザー外来などを担当後、美容皮膚科「ウォブクリニック 中目黒」の総院長に。ドクターズコスメ「アンプルール」の開発も行う。
『美的』11月号掲載
撮影/出牛久美子 スタイリスト/山本瑶奈 イラスト/海谷泰水 構成/もりたじゅんこ
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。