急なフェイスラインのニキビ、どうする?皮膚科医が【原因と対処法】を解説

フェイスラインにできるニキビ。繰り返しできたりとなにかと厄介!できる原因や気をつけるべきNG習慣からチェックしてみましょう。さらに、ニキビ肌を作らせないための予防法や、できてしまったニキビに対するケア法もご紹介します。実は普段の生活習慣からできることが、たくさんあるんです!チェックしてみてくださいね。
■ストレスや睡眠不足、生活習慣が原因かも?
「フェイスラインなど、いわゆるUゾーンにできるニキビは、ホルモンバランスの乱れによる過剰な皮脂分泌だけでなく、肌の乾燥、そのほか、過度のストレスや睡眠不足などの生活習慣、間違ったスキンケアなど、複数の原因が重なって発症されると言われています。
ストレスなどでホルモンバランスが乱れることで、男性ホルモンが優位になると、皮脂量が増え、肌が硬くなることからニキビができやすくなります。
また、ついついやってしまいがちな、頬杖をついたり、触ったりするという癖もフェイスラインのニキビのきっかけになります。触り癖がある場合は、触らないようにする努力も必要です。
また、マスク生活の今は、マスクですれやすい場所にもなるため、その刺激からもニキビが出来やすくなっています。できるだけ顔の形に合ったマスクを選び、摩擦を最小限にするようにしましょう。
偏った食事なども影響すると言われているので、食事のバランスに気をつけるなどの気遣いも大切です」
- ホルモンバランスを整えるため、ストレスを溜めないようにする
- 触り癖をなくす
- 顔の形に合ったマスクをする
- 食事のバランスに気をつける
■実はストレス以外にも「病気」などが潜んでいることも!?

表参道美容皮膚科・副院長
三宅 真紀先生
レーザー治療・アンチエイジング治療のエキスパート。患者様の立場にたった、優しく丁寧できめ細やかなカウンセリングから、ひとりひとりに最適な治療を提案し、高い治療技術により確実に結果を出す。美容・スキンケア全般に豊富な知識を持ち、数多くの有名化粧品開発にも携わる。テレビ・雑誌などのメディアにも多数出演。
「フェイスライン(Uゾーン)にできるニキビの原因には、まずストレスが挙げられます。ストレスによって男性ホルモンの分泌が増え、男性ホルモンの影響を受けやすい箇所である“フェイスライン”にニキビができてしまうのです。
しかし、ストレスとは関係なく、生理周期が乱れている、卵巣などの女性特有の病気によってニキビが悪化しているケースもあります。当院を受診される人の中でも、患者さんによっては、婦人科を受診して調べたほうがいいとアドバイスをしています。女性特有の病気が原因だった場合は、実際に婦人科で治療を開始することで、ニキビも改善していきます」
- フェイスラインのニキビの原因には、まずストレスが考えられる
- しかし、生理周期が乱れている、卵巣などの女性特有の病気によってニキビが悪化しているケースもある
- 女性特有の病気が原因だった場合は、婦人科で治療を開始することでニキビも改善していく
治らない、繰り返す…フェイスラインニキビを防ぐ日頃のケア基本+5選
【基本】生活習慣を整えることからスタート!

美容皮膚科医
美容皮膚科タカミクリニック 副院長
山屋雅美先生
2004年に埼玉医科大学卒業後、東邦大学医療センター大橋病院皮膚科にて従事。三井記念病院皮膚科、都内美容皮膚科にて勤務したのち、2011年タカミクリニックに勤務開始。2021年タカミクリニック副院長に就任。シミ、しわ、たるみなどのアンチエイジング治療だけでなく、ニキビなどの皮膚疾患まで精通し肌質改善治療まで一貫して行っている。女性ならではの視点でのアドバイスにも好評を得ている。
「食事のバランスや睡眠などの生活習慣も、ニキビを作らないために大事なケアです。食事に関しては、糖分や脂質の過剰摂取は皮脂の分泌量を多くするなど、影響があるので、注意が必要です。
糖分や脂質は控え、野菜やタンパク質を多く摂取するように心がけましょう。外食が多い、偏食しがちな人は、サプリメントで栄養素を補い、バランスを取るというのも良いでしょう。
なかでも皮脂の分泌量をコントロールしたり、脂質代謝を促すはたらきをするビタミンC、ビタミンB2、ビタミンB6の摂取がおすすめです。
そして睡眠は肌状態に大きな影響を与えます。睡眠不足は免疫力を低下させ、ニキビのできやすい状態や、ニキビの悪化を招きます。そのため、1日6時間程度の質の良い睡眠を取ることで、肌再生を促すようにしましょう」
- 糖分や脂質は少なめに、野菜やタンパク質を多めに摂る
- サプリメントはビタミンC、ビタミンB2、ビタミンB6がおすすめ
- 1日6時間程度の質の良い睡眠を取る
【1:洗顔編】汚れが溜まりやすいUゾーンから洗う
最も汚れが激しい「くまさんゾーン」から洗う。顔の中で最も汚れの激しいパーツ、鼻とあご周りから洗い始める。あごのくぼみは、舌で押し出すと洗いやすい。
【2:スキンケア編】ニキビが気になるときでも保湿はしっかりする
皮脂でベタつくように感じる肌でも、肌内部の潤い補給は必要です。化粧品開発の現場では、なるべくニキビや毛穴詰まりを誘発しない原料や処方の工夫をしています。
「でも、原料の油脂には多くの種類があって、リッチなものの中にはニキビを誘発してしまうものも。生理前でもないのになんだかブツブツする、調子が悪い、と感じるようなら、ほかのコスメに切り替えてください」(津田先生)
不安なときは“ノンコメドジェニック(にきびになりにくい)テスト”“ニキビに悩む肌に”と表記のあるものを選ぶほうが安心です。
外→内づけでベタつき回避
乳液やクリームは、手のひら全体に広げたらまずは顔の外側にのせ、1→2→3と保湿。皮脂分泌の多い4は最後に。
下あごのくぼみは舌で押し出す
くぼんだ下あごは、ザラつき毛穴が密集しやすい要注意ゾーン。舌で押し出して肌をのばしながら乳液を塗って。
【3:睡眠編】よく寝てストレスフリーな生活を

皮膚科医
小林 智子先生
医学博士。同志社大学生命医科学部アンチエイジングリサーチセンター研究員。豊橋の山本皮フ科ほかで診療を行う。健康と食を医学的な立場で発信するサイト『ドクターレシピ』を監修。
充分な睡眠やストレスのない生活を
「睡眠中に肌の代謝は活性化されます。睡眠不足やストレスはサイクルを乱し、古くなった角質が毛穴詰まりにもつながります。寝る前はPC・スマホはやめ、質の良い睡眠を」(小林先生)
【4:食生活編】食事生活の見直し&ビタミン補給
ビタミン類を積極的に摂取する
「皮脂分泌を調整したり、代謝を促すビタミンB群や、抗酸化作用をもつビタミンCは充分に摂取したい栄養素。食事で補うことが難しければ、サプリメントの力も借りて」(小林先生)

トータルビューティアドバイザー
水井 真理子さん
肌を見るだけで、その人の生活習慣を見抜く程の経験値で、カウンセリングや美容アドバイスを展開。美容誌や講演など幅広く活躍中。
関連記事をCHECKをチェック ▶︎
「20代前半に顔の頬からあごにかけてバーっと繰り返しニキビができて悩みました。今となれば仕事のプレッシャーなどホルモンバランスの乱れだとわかりますが、当時はわからず薬や高い美顔器を買い、でも改善されず…悪循環。28歳頃からクレンジング、保湿、食生活を徹底的に見直したら、ニキビができにくくなりました。特に和食中心の食生活に変えたことが大きく影響したと感じています」(水井さん・以下「」内同)
食事を和食中心に
「胃に負担をかけない玄米など和食中心の食生活に。消化の良い食事は血流やリンパの流れを良くし、ニキビの原因となる肌の詰まりを起こしにくくします」
腸内環境を整える
「腸内環境が良くないと毒素が排出されず、ニキビに影響します。手軽にとれるサプリで普段からケアを」
バター系のお菓子や刺激物は禁止
「ケーキなどバター系のお菓子や刺激の強い辛いものは控えます。血流やリンパの流れが悪くなり、ニキビが治らず悪化しやすくなることも」
【5:紫外線対策編】紫外線対策をしっかりと

「紫外線に当たると肌のバリア機能が低下し、炎症が起こりやすく。日焼け防止にはもちろん、既にできてしまっているぷ つぷつを悪化させないためにも、紫外線ケアはしっかりと行うようにしてください」(友利先生)
しつこいフェイスラインのニキビは塗り薬で治そう
市販で買えるおすすめアイテム

薬剤師・美容家
花田真理さん
薬剤師として調剤薬局、化粧品会社勤務を経て、独立。医師と薬剤師の共同開発ブランドを立ち上げ、化粧品の商品開発を行う傍ら、コラム執筆や美容記事の監修など、美容家としても活躍。
「まずは炎症を鎮める“イブプロフェンピコノール”とアクネ菌を殺菌する“イソプロピルメチルフェノール”の両方が配合された治療薬を。膿をすぐ治したい場合は『テラ・コートリル(R)軟膏』がおすすめ。炎症を抑えるステロイドと、菌を殺す抗生剤を配合。処方薬にも使われる成分ですが、使い続けると菌に耐性ができる、免疫力低下などの副作用が。使用は数日と短期間に留め、綿棒などで患部だけに塗って」(花田さん)
【おすすめアイテム】
価格 | 容量 |
---|---|
¥880 | 16g |
- 炎症を抑えて殺菌しつつ肌に優しい。
- 素肌と同じ弱酸性、ノンアルコールと安心のノンステロイド治療薬。
- ベタつかないジェルクリームタイプ。
価格 | 容量 |
---|---|
¥950 | 14g |
- 有効成分が赤ニキビの炎症を抑える。
- 抗炎症&殺菌力を発揮しつつ、弱酸性で肌を守る。
- クリームを塗り広げると透明になるので、メイクも重ねられる。
価格 | 容量 |
---|---|
¥1,100 | 6g |
- 膿んでいるひどいニキビに◎
- 抗炎症作用の“ヒドロコルチゾン(副腎皮質ステロイド)”と抗生剤“オキシテトラサイクリン塩酸塩”が膿を抑える。
- 長期使用で赤みが出ることも。
スキンケアを選ぶポイントとおすすめアイテム

皮膚科医
小林智子先生
医学博士。同志社大学生命医科学部アンチエイジングリサーチセンター研究員。豊橋の山本皮フ科ほかで診療を行う。健康と食を医学的な立場で発信するサイト『ドクターレシピ』を監修。
「毛穴詰まりがニキビの原因になるので、朝と夜に優しく洗顔して余分な皮脂を取り除くことが大切です。乾燥が気になればぬるま湯洗顔でも良いですが、Tゾーンは冬でも皮脂の量が多いので洗顔料を使いましょう」(小林先生・以下「」内同)
ノンコメドジェニックテスト済みのコスメで保湿
「毛穴詰まりを防ぐには、適度に保湿して角質を柔らかく保って。ニキビ肌は皮脂が過剰なこともあり、油分などの保湿成分がアクネ菌のエサになる場合も。“ノンコメドジェニックテスト済み”なら、ニキビができにくい成分を配合して安心。予防にも、ニキビができたときにも使えます」
【おすすめアイテム】
価格 | 容量 |
---|---|
¥3,300 | 39g |
- 角質層のバリア機能を守るナイアシンアミドなどの保湿成分を配合し、乾燥肌なのにニキビができるときにも安心。
価格 | 容量 |
---|---|
¥2,640 | 60g |
- ニキビ予防や肌あれに有効な成分が毛穴になじんで浸透。
- 毛穴詰まりも解消しつつ、しっとりした肌に導く。
ビタミンAやCが高濃度に配合されたコスメでニキビに負けない肌に

薬剤師・美容家
花田真理さん
薬剤師として調剤薬局、化粧品会社勤務を経て、独立。医師と薬剤師の共同開発ブランドを立ち上げ、化粧品の商品開発を行う傍ら、コラム執筆や美容記事の監修など、美容家としても活躍。
「ビタミンCはコラーゲンの生成を助け、毛穴ケアにも不可欠」(小林先生)
「“レチノール(ビタミンA誘導体)”はニキビ治療薬の成分“アダパレン”に近い働きをし、肌の新陳代謝を促します。『エンビロン』のコスメはビタミンAの配合量が多くておすすめですが、肌が弱いと赤くなることも。注意しながら使い、痛みや皮膚の赤みがひどい場合は使用を中止してください」(花田さん)
【おすすめアイテム】
価格 | 容量 |
---|---|
¥11,000 | 12ml |
- 安定配合に成功し、即効性のあるピュアビタミンCの濃度を過去最高の25%に。
- 乾燥小ジワなど肌悩みに総合的にアプローチ。
価格 | 容量 |
---|---|
¥4,180 | 25ml |
- 新陳代謝を促すビタミンAの濃度を4段階で選べるシリーズ。
- ビタミンC、Eなどの美容成分も配合。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
2004年に埼玉医科大学卒業後、東邦大学医療センター大橋病院皮膚科にて従事。三井記念病院皮膚科、都内美容皮膚科にて勤務したのち、2011年タカミクリニックに勤務開始。2021年タカミクリニック副院長に就任。シミ、しわ、たるみなどのアンチエイジング治療だけでなく、ニキビなどの皮膚疾患まで精通し肌質改善治療まで一貫して行っている。女性ならではの視点でのアドバイスにも好評を得ている。
■美容皮膚科タカミクリニック