お悩み別ケア
2022.11.17

感光素201号|化粧品としての効果は?【美容成分大全】

コンテンツ提供:日本化粧品検定協会

概要

成分名 感光素201号
成分の働き 殺菌、抗菌、抗酸化、メラニン生成抑制、防腐
医薬部外品としての効能効果 ニキビ予防
表示名称 【化粧品】クオタニウム-73【医薬部外品】感光素201号
主な配合アイテム 【化粧品】【医薬部外品】洗顔料・スキンケア・ヘアケア

効能効果・はたらき

「化粧品」に配合したときの働き

  • ニキビ予防(殺菌・抗菌)
  • 抗酸化
  • メラニン生成抑制
  • 防腐

ニキビ予防(殺菌・抗菌)
ニキビは皮脂や余分な角質が毛穴に詰まり、アクネ菌が増殖することによって炎症が起きて悪化します。感光素201号には殺菌・抗菌作用があるため、アクネ菌の増殖を抑えてニキビの悪化を防いだり、微生物による炎症や肌荒れを予防する効果が期待できます。また、背中ニキビと呼ばれる毛包炎などアクネ菌以外が原因となる皮膚トラブルへの効果も期待できます。真菌(カビ)や幅広い細菌に抗菌作用があり、フケ予防の効果も期待できます。

抗酸化
肌表面の皮脂が酸化により過酸化脂質に変わると、皮膚内に炎症が生じ、バリア機能の低下がおこり、肌荒れや乾燥の原因になります。感光素201号は、脂質の酸化を防ぐ効果が確認されており、皮脂の酸化を抑えることで、肌荒れや乾燥を防ぐ効果が期待できます。

メラニン生成抑制
感光素201号によるメラニン生成抑制作用も確認されています。

防腐
幅広い菌やカビに対して抗菌作用があるため、化粧品の防腐効果を目的として感光素201号を併用し、防腐剤の使用量を減らす検討も行われています。

「医薬品」としての効能効果

外用剤などに対して、防腐剤として使用されます。

「食品、サプリメント」に配合したときの働き

食品・サプリメントとしては利用されていません。

注意点

特にありません。

由来・歴史

主な原料の由来

合成

歴史

感光素は「感光色素」とも呼ばれ、フィルム写真時代に使われ、光に対して反応することからこの名前となりました。

1856年にWiliamsによってシアン色素が初めて合成され、1873年にこの色素に光に反応する作用があることが発見されました。その後、1920年にはNeubrldらにより、1932年にはBrowingらにより、感光色素の生物学的な作用の研究が報告されて以降、多くの色素の合成が行われました。

日本でも1934年に波多野らにより、シアン系の感光色素の生物・医学的研究が行われるようになり、戦前は凍傷や創傷、火傷などの治療薬として使われていました。感光色素12号などの薬剤がつくられ、第二次世界大戦中は陸軍でも利用されていました。

また、医薬品だけでなく、1956年頃からは化粧品分野への応用研究がはじまり発展しました。1977年には厚生省より許可。化粧品原料基準(医薬部外品原料規格の前身)に収載されました。その後、多くの新しい成分に押されて利用されることは減りましたが、最近そのメカニズムが解明され、長い歴史を受けて安心して使用できる成分として存在しています。

その他の成分情報

「感光色素」の中で、化粧品に配合できる安全性と有効性を兼ね備えたものを「感光素」と呼びます。現在、感光素201号のほかに創傷治癒等の作用をもつ「感光素101号(表示名称:プラトニン)」、主に育毛用途の「感光素301号(表示名称:クオタニウム-51)」、コラーゲン生成促進等の作用をもつ「感光素401号(表示名称:クオタニウム-45)」が外原規に収載されています。

感光素201号(クオタニウム-73)は「ピオニン」とも呼ばれ、ニキビ予防の医薬部外品の有効成分として、化粧水に対して0.003~0.005%、乳液・クリーム・パック(リーブオン)・洗顔・石鹸に対して0.003%配合で承認されています。また、化粧品の防腐剤としても配合が認められています。

豆知識

日本化粧品検定協会代表理事:小西 さやか

「感光素という名前の通り、光に反応するため、感光素が配合されている製品は遮光容器が使われています。長い年月に渡って使われてきた成分なので、信頼性も高く、敏感肌用のニキビケアの有効成分としても使われていますが、近年はより殺菌効果のある成分が使われることが増えたため、使用されることが少なくなっているようです」

小西さやかさんの記事一覧

 

<引用元>
Journal of J.C.C.A spacial issue, 54-58, 1968
J. Soc. Cosmet. Chem. Japan., 報文 37(2), 92-99 (2003)
日本化粧品技術者会, 化粧品事典, 丸善出版株式会社, p.398-399
株式会社感光社 Webサイト (取扱原料・感光素)
株式会社常盤薬品工業 NOV Webサイト (ノブACシリーズ)
日本医薬品添加剤協会 Webサイト (感光素201号)

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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