「デリケートゾーン」は、毛が多いとにおうってホント? 真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】

日々の生活で生まれる美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回のテーマは「ムダ毛の処理」にについて。最近、意識が高まっている部分といえば、デリケートゾーンの毛の処理について。デリケートゾーンの毛が多いと、匂いやすくなるってホント? 医療機器と正しい知識で美肌に導くプロ・慶田朋子先生に「デリケートゾーンの処理」について、お話を伺いました。
Q:「デリケートゾーン」は、毛が多いとにおうってホント?
男性でもデリケートゾーンの脱毛をする人が増えている今。そのメリットとして聞こえてくるのが、ニオイが少なくなったということ。そこで、レーザー脱毛を始め、正しい知識で美肌に導くプロ・慶田朋子先生に疑問を投げかけてみました。果たして慶田先生のお答えは…?
A:ホント
「ニオイは湿度によって発生するもの。そのため、湿度がゼロだとニオイは漂いにくくなります。デリケートゾーンも湿度によってニオイが生まれます。その湿度を高めているのが、VIOの毛になります。
VIOの毛量が多ければ多いほど湿度が高まり、汗も増加。その汗が毛に付着し、水蒸気に乗って拡散された汗やニオイ成分が鼻に到達することで、嗅上皮に付着してニオイとして認識されるのです。蒸れた状態はニオイやすくなる。その蒸れた環境を作りにくくするためにも、デリケートゾーンの毛は少なめにするのがおすすめです」慶田朋子先生・以下「」内同)
デリケートゾーンの脱毛のメリット
(1)ニオイを軽減
「先ほどもお伝えしたように、毛が少なくなることで湿気が少なくなるため、ニオイを軽減できます。また、レーザーの作用でニオイのもとアポクリン汗腺の活性も抑制できます。」
(2)自己処理での肌への負担がなくなる
「毛抜きやカミソリでの自己処理は、肌への負担も大。また毛抜きでの処理を繰り返し行うと毛嚢炎になったりするリスクも。脱毛は医療行為なので、必ず医師のいるクリニックにて、医療レーザー脱毛をしましょう」
(3)時間の短縮になる
「自己処理はとにかく時間がかかります。費やした時間を時給に換算すると、思っている以上に医療脱毛の金額は高くないはずです」
自己処理直後の性行為には注意を!
「デリケートゾーンの毛の処理は、デート前に行うという人も少なくないはず。ですが、これはとてもリスクが高い行為。というのも、剃毛してから性行為を行うと、性感染症のリスクが高まるからです。日本ではまだポピュラーな情報ではないかもしれないですが、毛を処理した後は肌のバリア機能が壊れるので、その状態で性行為を行うとヘルペスや尖圭(せんけい)コンジローマなどの感染症のリスクがアップ。これはアメリカの論文にもなっています。
また、剃毛して生えかけのチクチクの毛でパートナーに接すると、相手の肌を傷つけるリスクも。お父さんのヒゲのジョリジョリが痛いのは、実際に角層が傷ついているから。お互いにツルツルの状態の方が肌にとって安全。直前の歯磨きも歯茎を傷つけて感染リスクが高まると、デート前にマウスウォッシュを使うという意識の高い人もいるほどです。粘膜も皮膚も傷つける行為はしない方がいいですね」
文/むらなかさちこ
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。日本レーザー医学会認定レーザー専門医。豊富な知識とわかりやすい説明で、多くのメディアで活動中。最新の医療機器と注入治療をオーダーメイドで組み合わせ、メスを使わない若返りを叶える美容皮膚科医としても人気。著書に『女医が教える、やってはいけない美容法33』(小学館)など。