そのイライラ対処法って正しい? 完全無視、お酒、ひたすらグチる…専門家がお答え!
『美的』読者が実践しているイライラの対処法って正しい? 日本アンガーマネジメント協会 コンサルタント 松井晴香さんがお答えします。
イライラのコントロール法、これ正解ですか?
「ノートにグチを書きまくります」(会社員・30歳)
× 「グチを連ねた『デスノート』になってしまうのはNG。
記録はイライラした出来事のみに
」
「その場で起きた出来事のみを書くアンガーログとは違って、グチや恨みをひたすら書く“デスノート”は、イライラ感情の逆なでに。ネガティブな記憶が定着して、よけいに怒りが増幅します」
「ネットショッピングでテンションが上がるものをポチッ!」(会社員・34歳)
「お金を遣ってストレス発散!」(プレス・31歳)
× 「衝動買いは、
その後のイライラを招いてしまいそう
」
「本当に欲しいものを吟味して買って楽しむのはOK。でもイライラ発散が目的の衝動買いや爆買いには注意が必要です。後で請求書が来たときに自己嫌悪に陥って、イライラが倍増しそう。その場だけなく、先の幸せにもつながる選択を!」
「ランニングをします」(主婦・32歳)
「ヨガをやってリフレッシュ!」(法律事務所勤務・37歳)
○ 「自分のイライラを鎮める
健全な方法を知っておくのはいいことです
」
「人によって、ヨガや読書など何かに静かに集中することで落ち着くタイプと、エネルギーを燃焼させた方がすっきりするタイプがいます。いずれにしても自分に合うリフレッシュ法を知っていれば、イライラの感情を引きずらずにすみます。ただし依存性の高いゲームなどをダラダラ続けると、心身に悪影響が出るので注意」
「相手の話を完全に無視!」(メーカー・38歳)
× 「無視は相手を怒らせて、
修復が難しくなります
」
「目の前で相手を無視するのは、相手側の怒りの引き金になるのでNGです。聞き流すのは大丈夫。相手に断わって、いったんその場を離れ、イライラを落ち着かせてから戻るのも◎です」
「とりあえずお酒を飲んじゃう」(銀行員・31歳)
「スイーツを食べて気分を晴らします」(会社員・34歳)
△ 「量にもよります。
自分を甘やかしすぎるのは心配!
」
「甘いものやお酒などは依存性が高いので、イライラを理由に飛びつくと歯止めがきかず危険。量が増えると、“なんであんなに食べちゃったんだろう”“飲みすぎた〜”と、後悔することに。依存性の低い健康的な発散方法を見つけて試しましょう」
友人にひたすらグチってます(医師・27歳)
△ 「話を聞いてもらうのはいいけれど、
悪口ばかりになるのはNG
」
「友達にしゃべったことで気分転換ができたり、気持ちをわかってもらえてすっきりしたというレベルならOK。でも、ひたすら悪口を言い続けるのは、ノートと同じでイライラの記憶の定着につながります。笑いながら話すくらいに留めて!」
『美的』2021年8月号掲載
イラスト/小迎裕美子 構成/つつみゆかり
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
まついはるか/神戸大学発達科学部卒。企業研修や教育機関での指導や講演のほか、デジタルネイティブ世代を中心に自分の怒りと向き合うためのコンサルティングを実施。