心に余裕をもたせるには?「悩み多き今、必要なのは…」人生指南の達人がアドバイス|強靭な「胆力」の養い方3【美的GRAND】
心が弱っていると、ちょっとしたことで不安になったり、他人の言葉に傷ついてしまいますよね。ブレない、動じない、揺らがない、強靭な「胆力」の養い方を真宗大谷派僧侶・フリーアナウンサーの川村妙慶さんに教えていただきました。
物の見方を変えることで心に余裕をもたせて
「悩み多き今の時代に必要な胆力とは、心の免疫のことだと思います」と人生指南の達人・川村妙慶さん。
「私のもとには毎日多くのお悩みが寄せられるのですが、人は言葉に傷つき、言葉に癒されるものだなぁと。私の差し上げた言葉で“明日も頑張れます”とおっしゃる方が多いのです。とはいえ、私も法衣を脱げば凡夫(ぼんぷ)の人間ですから(笑)、自分の心に余裕をもてないと、いい言葉を返すことはできません」
妙慶さんが心掛けているのは、物事を客観視するイメージトレーニング。
「きついことを言われたとしても、相手の言葉をうのみにして傷つく必要はないのです。その人はたまたま機嫌が悪く、八つ当たりしただけかもしれない。そう疑ってみることも大切。人は本当のことを言われると怒りで心に癇癪玉ができます。それを相手に投げればケンカになる。でも“かんしゃく”から“苦=く”を取ると“感謝”になるでしょう?ああこの人のおかげで心が鍛えられたわ、と思えれば腹も立たない。そうやってものの見方を変えることで心の免疫が備わってくるように思います」
川村妙慶さん推奨 胆力メソッド
method1 丁寧に掃除する
仏教の教えでは、掃除は“心の塵を払い、心のアカを除く”修行のひとつ。体を動かしながら心のモヤモヤも整理整頓でき、スッキリ前向きに。
「道でゴミを拾うなどの行動も“身施”といって自分の体を使った立派なお布施に。自分の心身を磨くきっかけになるはず」(妙慶さん)
method2 好きな言葉を書き留めて自分ノートを作る
人から感銘を受けた言葉、街で見かけた広告のコピーなど、好きな言葉をノートに収集。
「悩みの最中にあるときに開くと、必ず気づきがあります。今は10冊程に。肉筆の方が書き留めたときの気持ちを感じやすいので、デジタルより紙のノートがおすすめです」(妙慶さん)
method3 肝臓マッサージをする
疲れて良い考えが浮かばないときは“お疲れ様”と自分の体を労わってあげたい。
「特に代謝や解毒作用の働きを担う肝臓はストレスに弱く、日頃から元気にしておく必要があるので、肝臓のある腹部の右上を優しくさすったり、なでたりを心掛けています」(妙慶さん)
『美的GRAND』2021冬号掲載
イラスト/ komugi 構成/野村サチコ、有田智子
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
かわむらみょうけい/京都在住。優しい語りで命の尊さを説き、ブログ「川村妙慶の日替わり法話」は1日2万件のアクセスがある。京都新聞『暖流』、産経新聞『日曜相談』などで連載コラムをもち、『人生後半こういきなはれ』(講談社)など著書も多数。