健康・ヘルスケア
2020.8.12

食欲がない、体がだるい、眠れない…これって夏バテですか!?【女医に訊く#120】

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長かった梅雨が開け、本格的な夏がやってきました。総務省消防庁によると、今年の82日における全国の熱中症による救急搬送人員は679人。1週間前の726日は149人でしたから、約4.5倍に跳ね上がっています。この時季、気をつけたい熱中症や夏バテの予防について、内科医の石原新菜先生に教えていただきました。

どんな環境ならマスクを外しても大丈夫?

以前も述べたとおり、高温や多湿といった環境下でのマスク着用は、熱中症のリスクが高くなる恐れがあります。熱中症を防ぐためには、周囲の環境に応じてマスクを着脱するのがオススメです。

「実は、一般的なマスクの網目はウイルスよりも約1,000倍大きいと言われています。これは玄関のドアから蟻が出入りしているようなもの。マスクだけでウイルスの侵入を完全に防ぐのは難しいのです。ただし、ウイルスを含んだ飛沫はマスクに引っかかりますから、感染の拡大を防ぐには効果的だと思います」と語るのは、内科医の石原新菜先生。
では、どのような環境下ならマスクを外してもよいのでしょう?

「一人で歩いているときや運転しているときなど、他人とその飛沫が飛び交うところでなければ、マスクを外しても大丈夫ですよ。感染症の専門医によると、ジョギング中に他人とすれ違う程度なら、マスクを着けていなくても大丈夫だそうですが、そのままご近所さんに遭遇し、立ち止まって会話をし始めると、もうダメ!
オフィスでも一人でデスクに向かって作業しているときは外して、会議など大勢の人が喋るようなところでは、マスクを着けるようにするといいでしょう」(石原先生)

現代人の夏バテの原因は内臓冷え!?

この時季、熱中症と同じくらい気をつけたいのが夏バテ。夏バテとは夏特有の体調不良のこと。「食欲がなくなる」「だるい」「疲れがとれない」「夜眠れない」などの自覚症状が表れます。夏バテの根源は暑さにありますが、その過程は、昔と今では少し違うと石原先生は言います。

「昔はクーラーがありませんでしたから、もう暑くて暑くて食べれないし眠れない…という感じでしたが、今はどこでもクーラーがある。クーラーの中、薄着で、冷たいものを飲んだり食べたりするというトリプル要素により、内臓が冷えてしまうんです。つまり、現代人の夏バテは内臓冷え。私は『冷えバテ』と呼んでいます」(石原先生)

内臓が冷えると、内臓の働きが落ち、食欲不振や胃もたれ、便秘、下痢、むくみ、生理痛、生理不順などの不調を引き起こします。特に、女性は男性に比べて筋肉が少なく、体温をつくる力が高くはありません。冬より夏の方がむくみや生理痛、生理不順がひどくなるという方は、内臓の冷えに注意しましょう。

エアコンをつけたまま寝るのは体に悪いですよね?

内臓の冷えは体に悪いとわかっていても、今やクーラーなしの生活はもう無理…。そんなときは暑さと無理に戦わず、クーラーの中でいかに冷えない生活を送るかに考えをシフトしましょう。

「例えば、私は普段から腹巻きを着けていますし、クーラーをつけているときは温かい生姜紅茶を飲んで内蔵を冷やさないようにしています。また、冷気は足元に降りてきますから、靴下やレッグウォーマーやひざ掛けで、とにかく下半身を冷やさないことが大切。上半身は脱ぎ着しやすいカーディガンなどで調節するといいでしょう」(石原先生)

夜間も気温が25℃を下回らない「熱帯夜」の季節は、就寝中も我慢は禁物。暑くて眠れなかったり、タイマーが切れるたびに起きてしまったりするなら、朝までクーラーをつけて質の高い睡眠をとった方がいいと石原先生は言います。

「朝までクーラーをつけるなら、春秋に着るような薄手の長袖長ズボンのパジャマで寝るのがいいですね。掛け布団もタオルケットではなく、薄手の肌掛けに替えると心地よく眠れると思いますよ」(石原先生)

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内科医
石原新菜先生
イシハラクリニック副院長。日本内科学会会員。日本東洋医学会会員。2006年帝京大学医学部卒業後、同大学病院の研修医を経て、父・石原結城實のクリニックへ。漢方医学を中心にさまざまな病気の治療に当たる。『やせる、不調が消える 読む冷えとり』(主婦の友社)など、冷え、ショウガに関する著書多数。■イシハラクリニック

文/清瀧流美 撮影/フカヤマノリユキ

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