健康・ヘルスケア
2020.5.22

長時間トイレで気張るのは良くないってホント?【美容の常識ウソ?ホント?】

A:ホント

「便を出すときに力を入れて気張る行為はお尻の穴に圧がかかるため、長時間続けているといずれ痔になる可能性が。そのほかにも、高齢者の場合は排便時に血圧が急激に上がって昏倒してしまうという、トイレでの死亡事故が多く報告されています。更年期前後の年齢の方も血圧が上がりやすくなっているため、日ごろから注意していただくのが良いと思います」(小林先生・以下「」内同)

トイレ時間は最初の1~2分で判断すべし

「そもそも便はリラックスしているときに自然と排泄されるのであって、気張っていればそのうち出る…というものではありません。とくに朝の身支度中はバタバタしがちで気持ちが急いでしまい、緊張状態になっているため出にくいという人は意外と多いのです。

限られた時間を使ってなんとかしようと思うと必要以上に気張ってしまうこともあると思います。でも、トイレに入って1~2分経っても出ないなら一度気分を切り替えて、何か別のことをしながら腸が動き出すのを待ってみましょう。

水を飲んだりしながら自然と便意がくるのを待つか、その日の用事がある程度済んだあとにトイレに行ってみて、ウォシュレットでお尻の穴を刺激して促すのもおすすめですよ」

 

便が出ないこと自体がストレスになっている場合も

「長時間トイレに入ってしまう人の特徴として、出ないこと自体がストレスになっており、出すことだけに集中すると逆に出ないという場合があります。これは便秘症の人に多く、排便があるかないかで気分が左右されるほど思い詰めてしまっているから。

当クリニックの便秘外来にいらっしゃる人も、出ないことにストレスを抱えている人がほとんどです。しかし食事や生活習慣を見直して腸内環境が整っていくにつれて過剰に気にすることなく、自然に排便できるようになったという声が多く寄せられます。排便以外のことに意識が向くようになるだけでも長時間トイレに入ることを回避できるのです。

ちなみに健康的な排便回数でも、決まった時間にお通じがないというだけで気にしてしまう人もいらっしゃいます。その場合もトイレ中に雑誌やスマホなどを見て意識を別のことに逸らすと、気分がリラックスして自然と排便を促せることもありますよ。しかしどれだけ時間が経っても出ないならば潔くトイレを出て、便意がくるのを待ちましょう」

 

drkobayashi
小林メディカルクリニック東京
院長

医療法人社団順幸会 小林メディカルクリニック東京で理事長・院長。内科や皮膚科、アレルギー科を始め、便秘外来や人間ドッグなど全身の不調に対応した診療をおこなう。女性に多い便秘に対して医学的観点だけでなく食事や運動といった生活習慣からの指導により、便秘を健康的かつ根本的な改善へ導く”健美腸ドクター”としても名高い。著書に『医者が教える最高の美肌術」(アスコム)、女性の自律神経の乱れは腸で整える』(PHP研究所)など。 ■ 小林メディカルクリニック東京

取材・文/井上ハナエ

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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