医療法人社団順幸会 小林メディカルクリニック東京で理事長・院長。内科や皮膚科、アレルギー科を始め、便秘外来や人間ドッグなど全身の不調に対応した診療をおこなう。女性に多い便秘に対して医学的観点だけでなく食事や運動といった生活習慣からの指導により、便秘を健康的かつ根本的な改善へ導く”健美腸ドクター”としても名高い。著書に『医者が教える最高の美肌術」(アスコム)、『女性の自律神経の乱れは腸で整える』(PHP研究所)など。 ■ 小林メディカルクリニック東京
毎日お通じがあっても便秘になっているかもしれないってホント?真相を専門医に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
A:ホント!
「本来、便通は毎日あるのが健康な状態です。旅行先で一時的に便秘になる人もいるので一概には言い切れませんが、3日以上お通じがない状態や残便感があることを便秘と呼んでいます。
しかし、トイレで済ませた後にもまだお腹の中がすっきりしないと感じるならば、それはまだ大腸の奥に残っているからと考えられます。便は大腸のS字結腸から直腸にかけて詰まっています。量が少ない場合やコロコロと硬い状態は先端部分が出ただけに過ぎません。毎日、ちょっとでもが出たら大丈夫と判断しがちですが、普段からおならが臭い、慢性的にお腹が張ったような感覚がある人は便秘である可能性が高いと思います」(小林先生・以下「」内同)
健康的なうんちを出せている?セルフチェックしてみよう
「便とは、消化した食べ物が大腸を通り、はがれた腸粘膜や腸内細菌などが混ざり合って体外へ排出されたもの。1日1回、決まった時間にするのが理想ではありますが、毎日のお通じがなくても問題ないケースもあります。具体例を挙げてみますね」
■排便後にすっきり感がある
たとえば2~3日おきでもすっきりと出し切った感覚があるならば、それは、大腸の奥からしっかりと出せている証拠です。
■バナナ状
表面がなめらかでやわらく、バナナのような形状であること。バナナ状であれば、表面が少しひび割れて硬かったり、少し水分が多くやわらかい状態でも、健康的な範囲内と考えて良いでしょう。
■便器内の水に浮く
適度な水分を含んだいいうんちは水面にぷかぷかと浮きます。水分量が少なすぎれば便は硬く&重くなるので水に沈み、多すぎれば形になりません。
■色が黄土色~茶色
腸内環境が乱れたり、便が大腸内にとどまっている時間が長いほどに便の色は濃くなっていきます。
■あまりにおわない
まったくにおわないことはないかと思いますが、悪臭と呼ぶほどでなければOK。これも色と同様に、腸内環境が乱れたり、便が大腸内にとどまっている時間が長いほどにおいはキツくなります。
「もちろん普段の食事や体質、服用している薬によっても質はかわります。上記を基準にご自身の状態をチェックしていただくと、便秘だけでなく体調の変化を把握するバロメーターにもなりますよ」
取材・文/井上ハナエ
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