BCAAは体内でつくられないから摂取しないとダメってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を医師や専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「BCAA」について。BCAAは体内でつくられないから摂取しないとダメってホント? 管理栄養士の新生暁子さんにお話を伺いました。
BCAAって何?
「必須アミノ酸であるバリン、ロイシン、イソロイシンの総称です。人が体内でつくることのできないアミノ酸のため、どんな人にも重要な栄養素と言えます。BCAAは筋肉のたんぱく質を構成する必須アミノ酸の中でも約35%と多くの割合を占めています。
BCAAは筋肉疲労の抑制や筋損傷を軽減する効果もあるため、特に運動をする人や筋肉のケガをした人には積極的に摂取してほしい栄養素です」
Q: BCAAは体内でつくられないから摂取しないとダメってホント?
筋肉は全身を動かし、熱を生み出す役割も果たしています。そのため筋肉量が減ると日常で消費されるエネルギー量も低下します。そんな重要な筋肉はアミノ酸(=たんぱく質)でできていますが、そのうち4割弱の3割以上がBCAAというアミノ酸なのだとか。しかもBCAAは体内で合成できないのだとか…。本当なのでしょうか。この疑問について管理栄養士の新生暁子さんに聞いてみました。
A:ホント
「はい。BCAAは体内で合成できないため食品から摂取する必要があります。しかも、筋肉のたんぱく質を構成するアミノ酸の約35%をBCAAが占めています」(新生暁子さん・以下「」内同)
筋肉をつけたい人も体力をつけたい人もBCAAを摂取したほうがいい?
「はい。運動中は筋肉に蓄えられているグリコーゲンや体の脂肪を分解してエネルギー源として利用します。しかし、それだけでは足りない場合は体内のBCAAをエネルギー源として使います。BCAAは血液から筋肉などへ供給されるため、血中にBCAAがない場合は筋たんぱくを分解してエネルギー源として使うことになってしまいます。筋肉の分解を抑制するためにも、体内にBCAAが存在することは重要になりますから、筋肉をつけたい人や体力をつけたい人、しなやかボディをつくりたい人も積極的に摂取することをおすすめします」
運動をしない人はBCAAを積極的に摂取する必要はない?
「いいえ。BCAAは身体を動かすためのエネルギーや筋肉の材料となるため、誰にとっても欠かせないものです。また、体内で合成できないため、食品から摂取しなければいけません。まずはバランスのよい食事から摂取することを目指しましょう。十分な食事が摂れない人や、食事から必要量を摂ることがむずかしいときはサプリメントやゼリー飲料などの力をかりることもおすすめです」
それってウソ!?ホント!? 連載TOPへ文/土屋美緒
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
シドニーオリンピック金メダリスト高橋尚子率いる『チームQ』にて、栄養・調理担当としてチームに加わり、『チームQ』解散後はフリーの管理栄養士として活動。スポーツ選手への栄養サポートやスポーツ栄養の啓発に力を入れている。19年2月よりJリーグ 横浜F・マリノスの栄養アドバイザーを務める。