美的GRAND
健康・ヘルスケア
2025.10.8

前半はPMS、後半は更年期、40歳からはずっとツラい!? 更年期に関する疑問を解決【語ろう!メノポ界隈】vol.2|美的GRAND

読者の生の声から更年期前後のリアルを読み解く短期集中連載

急に暑くなる、寝汗がすごい、眠れない、疲れが取れない、やる気が出ない。これ更年期の典型的な症状です…

前半はPMS、後半は更年期、40歳からはずっとツラい…

40~50代の裏関心事No.1の更年期を深掘りしていく短期連載。第1回はPMSのツラい症状を取り上げました。今回の第2回はいよいよ更年期のツラい症状について深掘っていきます。それにしても、40~50代って体も心もいろいろツラい…。40代前半はPMS(生理前症候群)のイライラがツラくて、40代後半からは更年期のホットフラッシュなどがツラい。要するに、40歳からってずっとツラい…。今回も皆様の生の声を共有させていただきながら、ツラいをラクに変える確かな解決法を探します。

自分だけ? 突然、熱く感じて、大量の汗が…

まず、更年期って何がツラいのか、読者が既に体験しているリアルをご紹介します。最も多くの声が上がったのは、やはりホットフラッシュ。突然、熱くなったり、汗が噴き出したりする、アレです。「みんなは寒いと言っているのに、自分だけ暑く感じて大量の汗が噴き出します」(41歳)、「仕事中にホットフラッシュが来ると、前触れもなく顔から汗がダラダラ流れるので、周囲の目が恥ずかしい」(53歳)、「一時期、人前でドキドキして、汗が多く出てしまうことが重なり、人に囲まれるのが怖くなり、満員電車が苦手になりました」(47歳)、「寝ている間に寝汗を大量にかき、不快で何度も目覚めてしまいます。常に睡眠不足になり、疲れが取れなくなりました」(48歳)、「イスに座っていたときに、汗が大量に噴き出して、尿失禁したみたいになり、恥ずかしかったです」 (50歳)

夜眠れないせいか、疲れてやる気が出ない…

ホットフラッシュの次に多く上がったのは、疲れやだるさです。「疲れやすいです。急に疲れるようになってしまいました」(54歳)、「とにかく疲れて、体がだるい」(56歳)、「やる気が出なくて動けない日が増えた」(49歳)。疲れやだるさの原因のひとつとして、睡眠の質の低下を上げる人も。「寝つきが悪くなりました。夜中や明け方に目が覚めることも。寝不足のせいか、いつも頭の中や視界にモヤがかかったようで、スッキリしないです」(55歳)、「夜中に何度も目覚めるようになり、日中の眠気がひどく、倦怠感が抜けないです」(48歳)、「いちばんよく眠れたのは通勤の電車の30分間かも…」(52歳)、「疲れやだるさや頭痛がひどく、仕事を休みがちです。状況を理解してもらうには、同年代の方の共感が必要です」(48歳)

体だけではなく心の不調もあります。「ネガティブ思考に陥ってしまうことが増えた。誰とも会いたくないと思ってしまう」(48歳)、「イライラや焦りや不安が襲ってきて、急に涙が出たりします」(42歳)

ひとりで複数の症状、組み合わせると無限大に!

こうした更年期の症状は実に100種類以上あるといわれています。しかも、ひとりでいくつもの症状を抱えているのが普通なので、組み合わせると無限大のバリエーションに。これらの症状は、更年期になる前は経験したことがないものがほとんどで、誰もが初めての事態に不安と恐怖を感じます。中には、仕事に行けない、家事ができない、など日常生活が困難になる人もいます。

更年期のツラい症状は婦人科で治療、一択です!

日常生活に支障を来す程症状が深刻な場合は、まずは婦人科で相談するのがおすすめです。ぜひ更年期の治療に積極的な婦人科を探してください。自宅や職場から通いやすく、きちんと話を聞いてくれて、適切な検査と治療をしてくれる、そんなクリニックです。患者と医師といっても人と人ですから、気が合いそうかということも大切ですよね。血液検査をすれば現在のホルモンの状態を把握できます。閉経が近づくと元々あった女性ホルモンが急激に減ってきます。だんだんと更年期の症状が現れやすくなるので、治療を考え始めるタイミングです。気になる症状が本当に更年期かどうかを診断してもらうことも大切です。更年期の症状のように見えて、実は、別の病気が隠れていることもあるからです。

治療の第一選択は、失った女性ホルモンを補う、HRTです

日常生活に支障がある更年期の症状と診断されたら、治療はHRT(ホルモン補充療法)が第一選択です。HRTとは、女性ホルモンを少しだけ補う治療。そもそも女性ホルモンは体と心を丸ごと守ってくれている大切な存在。肌も、髪も、骨も、筋肉も、血管も、健康であるために、見えないところで女性ホルモンが働いてくれているのです。しかし、閉経が近づくと、体の中の女性ホルモンが急速に減って、さまざまな不調が起こります。だから、ほんの少しだけ(元々あったものよりうんと少ない量です)女性ホルモンを補うのです。HRTは、ホットフラッシュや不眠、疲れやすさやだるさには、効果が出やすいとされています。読者にも治療で回復した人がいます。「ホットフラッシュは薬で治りました。薬を使っていなかった2年間は、一日中汗をかいていました」(50歳)。HRTには腕に塗るジェルや貼り薬などがあります。もちろん保険診療が可能です。ただし、乳がんの治療中などの場合は、HRTができないケースがあります。また、乳がんのリスクが気になる人は、医師や看護師やカウンセラーに話を聞いてみてください。

女性のツラいは治療できる! 我慢しないで相談を

更年期で日常生活にも支障が出ているのに、治療をしていない人がまだまだ大勢います。欧米では2~4人にひとりがHRTを受けていますが、日本ではいまだに100人にふたり程度。HRTの普及が遅れに遅れています。日本では昔から更年期は病気ではないという考えがあり、薬での治療に良い印象をもっていない人もいます。エクササイズなどで気を紛らわせる、サプリメントや市販薬に頼る、でラクになるならいいのです。でも、ツラさが長引いているなら、一刻も早く婦人科で治療! これが、40代以降のツラいをラクに変える確かな解決法のひとつです。

いくつ思い当たる? 更年期の主な症状50

◎ホットフラッシュ ◎ほてり ◎のぼせ ◎発汗 ◎寝汗 ◎手足の冷え ◎寒気 ◎疲労感 ◎頭痛 ◎めまい ◎浮遊感 ◎動悸 ◎息切れ ◎寝つけない ◎眠りが浅い ◎夜中に目が覚める ◎日中の眠気 ◎イライラ ◎怒りっぽい ◎キレやすい ◎クヨクヨ ◎憂鬱気分 ◎涙もろい ◎不安感 ◎気力の低下 ◎集中力の低下 ◎もの忘れ ◎肩こり ◎首こり ◎吐き気 ◎腰痛 ◎手のこわばり ◎むくみ ◎しびれ ◎関節や筋肉の痛み ◎息苦しさ ◎食欲不振 ◎便秘 ◎下痢 ◎体重増加 ◎肌の乾燥 ◎肌あれ ◎湿疹 ◎かゆみ ◎抜け毛 ◎頻尿 ◎尿漏れ ◎性交痛 ◎外陰部のかゆみ ◎腟乾燥感

『美的GRAND』2025夏号掲載
イラスト/ten 構成/木更容子 (美容ライター・メノポーズカウンセラー)

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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