健康・ヘルスケア
2025.11.10

【人生100年時代の腸活】知っておきたい最新腸活ワード4つ

あなたの“腸活”知識は、どれくらい? 『美的』12月号にて「腸活」について深掘り! 自分に合う腸活をするためにも、ここ数年で一気に進んだ研究・知見をチェックして! 知れば知るほど奥深い腸内細菌のことや新たな発見による腸活メソッドを学びましょう。

EDIT: 美的編集部

美的編集部

美的編集部

2001年に創刊された美容専門誌『美的』(小学館)の編集部。「肌・心・体のキレイは自分で磨く」をキャッチフレーズに、タレント、モデル、カメラマン、美容家や美容ライターといった各分野のスペシャリストとともに、最新のビューティトピックを深く掘り下げた誌面作りがモットーです。2026年には創刊25周年を迎え、これまで積み上げた膨大な美容に関する最新の知見をもとに、美容に対して誠実なメディア運営に取り組んでいます。

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SOURCE: 美的 2025年12月号

2025年12月号

12 月号

10月22日頃発売 ¥980

過ごしやすい、けれど短い秋の訪れ。<br> 涼しくなってきたからこそ、しっかりメイクも楽しい時期。<br> でも、…

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京都府立医科大学大学院 医学研究科 生態免疫栄養学講座教授 

内藤裕二先生

『国立消化器・内視鏡クリニック』院長

吉汲祐加子先生

「大正製薬」研究本部

田中良紀さん

人生100年時代の腸活は「健康寿命」がテーマに

「ここ数年、腸内細菌の解析技術が飛躍的に進んで、腸内細菌が生み出す代謝物の分析までできるようになりました。そうした中で、腸活の新潮流として“短鎖脂肪酸”や“発酵性食物繊維”といったキーワードが浮上してきました」と話すのは、腸内細菌研究の第一人者でもある内藤裕二先生。

腸活を通じた肌改善に精通する吉汲祐加子先生は「腸は体の中で最大の免疫器官といわれるように、免疫細胞の70%が腸に集中していることも比較的に新しい研究報告です。美肌の秘訣もこの免疫機能と密接に関係していて“腸皮膚相関”と呼ばれています。アトピーや湿疹などの皮膚疾患も、腸内環境を整えることで改善されるケースも数多く見られるように。また、腸内細菌の働きは個々で異なるので、自分に合った腸活を見つけることが主流になりつつあります」と“パーソナル腸活”の重要性を説きます。

さらに内藤先生は、「腸活の基本は“食”です。ところが食習慣を変えるのは思いのほか難しいもの。ただ、健康寿命が世界的に注目される研究対象であることからもわかるように、『健康で幸せに長生きするにはどうしたらいいか』という本質的な問いに、向き合わなければいけない時代です。そう考えることで食習慣への意識も変わってくるのではないでしょうか」と、食べることが生きる力に直結することを教えてくれます。

知っておきたい4つの腸活ワード

腸活をして肌が整う理由とは?【腸皮膚相関】


「腸と皮膚は免疫細胞や細菌フローラを通じて相互に作用しています。腸内環境が悪化すると腸のバリア機能低下を招き、有害物質が血中を通して全身に回り、肌トラブルを引き起こすのです。腸内環境が良好であれば、栄養が効率的に吸収されて、肌に必要なビタミンやミネラルを腸から吸収。ターンオーバーの正常化や免疫機能UPによって肌トラブルにも対応できるように」(吉汲先生)

腸内で善玉菌のエサになる!【発酵性食物繊維】

「善玉菌の栄養源となり、健康の支えとなる成分・短鎖脂肪酸を作り出す食物繊維のことです。キムチや納豆などの発酵食品は既に発酵済みですが、発酵性食物繊維は腸の中で腸内細菌によって発酵します。主に海藻類などの水溶性食物繊維に多く含まれます。食材によって発酵時間が異なるためさまざまな種類をとることが腸内環境の改善には有効です」(吉汲先生)

〈発酵性食物繊維が豊富な食材〉
大麦・豆類・ごぼう・玉ねぎ・アボカド・リンゴ・昆布

\腸内細菌のエサになる食材を食べる/

\大腸にいる腸内細菌が短鎖脂肪酸を作り出す/

\血液を通して短鎖脂肪酸が全身に行き渡る/

腸内細菌代謝物のメインプレイヤー!【短鎖脂肪酸】

「大腸には小腸で消化・吸収し切れなかった食品が流れてきますが、それをエサにした腸内細菌が代謝をします。その代謝物のメインプレイヤーともいえる存在が短鎖脂肪酸です。酢酸、酪酸、プロピオン酸と働きの違う3種があり、免疫機能の強化や肥満防止など多面的な効果をもたらします」(内藤先生)

自分に合うケアを見つけよう!【パーソナル腸活】

「腸内環境はひとりひとり異なるため、効果を実感できない腸活もあり、自分の腸内環境を知ることは大切。最近では、市販の検査キットで腸内フローラを知ることもできます。クリニックでは自費にはなりますが、腸内フローラ検査のほか遅延型アレルギー検査も併せて受けると、自分に合わない食材がわかって効率的です」(吉汲先生)

【腸活Column】今さら聞けないおさらい腸活ワード

(1)プロバイオティクス
乳酸菌や酪酸菌などの生きた菌のこと。ヨーグルトや発酵食品などからとることで、腸内の健康をサポートしてくれる。

(2)プレバイオティクス
食物繊維やオリゴ糖など、腸内の生きた菌(=プロバイオティクス)の栄養源となる成分。善玉菌を増やし、腸内環境を整えてくれる。

(3)腐敗産物
アンモニアや硫化水素など、腸内細菌が肉やたんぱく質などを分解したときに生じる、体にとって有害な可能性がある物質。

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

EDIT: 美的編集部

2001年に創刊された美容専門誌『美的』(小学館)の編集部。「肌・心・体のキレイは自分で磨く」をキャッチフレーズに、タレント、モデル、カメラマン、美容家や美容ライターといった各分野のスペシャリストとともに、最新のビューティトピックを深く掘り下げた誌面作りがモットーです。2026年には創刊25周年を迎え、これまで積み上げた膨大な美容に関する最新の知見をもとに、美容に対して誠実なメディア運営に取り組んでいます。

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イラスト: 福澤 遼

構成: 宮田典子、有田智子

SOURCE: 美的 2025年12月号

2025年12月号

12 月号

10月22日頃発売 ¥980

過ごしやすい、けれど短い秋の訪れ。<br> 涼しくなってきたからこそ、しっかりメイクも楽しい時期。<br> でも、…

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