実は日本人の3分の1が“痔”もち!? 女医が教える“痔”にまつわるお話
実は美的世代に急増中の“痔”。原因は、朝食抜き、激辛&アルコール好き、便秘、ダイエット、妊娠・出産…etc.もしかして!?と思い当たる人、既に悩んでいる人、“大惨事”になる前の、今が向き合いどきです! 医学博士・マリーゴールド クリニック院長の山口トキコ先生に詳しくお話を伺いました。
本当にあった“痔”にまつわるこわ~い話
「いぼ痔かも?と思いつつ放っておいたら、ある日突然いぼがつぶれて白いパンツが血で染まった!」
「激辛料理を堪能した翌日、急にお尻に痛みが!!」
「痔もちだと話していた祖母。長年病院に行くのをためらっていたら実は直腸がんだった」
「軽度だった“痔”が、妊娠をきっかけに悪化…産後は病院に行く暇もない…」
「汚れが気になり、トイレットペーパーで何度も拭くのが習慣に。気づいたら切れ痔になっていた!」
日本人の3分の1が“痔”もちといわれ、その男女比は半々に!
20~40代女性にも急増中!
無理なダイエットによる便秘、仕事のストレスによる下痢などを原因とする、若い女性の隠れ痔もち率が高まっています。それにつれて女性向けの肛門科も増え、受診のハードルも低くなってきました。
“痔”の語源
“寺に入る(亡くなる)まで治らない病気”といわれていたことから由来する。諸説あり。
私は大丈夫と思っていない!?“痔”は誰しもが予備軍です
患者の8割が20〜40代の女性だと話す、肛門科医の山口トキコ先生。
「実は女性は“痔”になりやすい体質。“痔”(切れ痔)の最大の原因は便秘。女性に多いのは、女性ホルモンのひとつ“黄体ホルモン”が、腸内の水分の吸収を促して便を硬くするから。また、脂肪が多く筋肉が少ない女性の体は冷えやすく、血流が滞りがち。元々お尻は血行が良くないので、冷えが重なると肛門がうっ血し、一部が腫れ上がる外痔核(いぼ痔)を引き起こすことも。さらに、現代女性はストレスも多く、自律神経が乱れることで大腸のぜん動運動(排便を促す作用)が弱まると、便秘や下痢が慢性化し、“痔”の原因に。こうした体質や環境を考えても、誰しも“痔”になる可能性があります!“痔”はこじらせると外科手術になることもありますが、初期症状であれば生活習慣の改善や薬で治ります。ただし、排便がある限り症状を繰り返しやすいやっかいな病。早めの診察&治療を心掛けましょう」(山口先生)
教えてくれたのは…
医学博士・マリーゴールド クリニック院長 山口トキコ先生
やまぐちときこ/2000年にスタッフ全員が女性の肛門科を開業し、日本初の“痔”の女性専門医として活躍。丁寧な説明と、親しみやすい対応も人気!
『美的』2020年3月号掲載
イラスト/小迎裕美子 構成/中島麻純・島田七瀬・宍戸沙希(スタッフ・オン)
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。