「生理痛がある」「お腹が張って便秘しがち」…これって実は、冷えのせい?【女医に訊く#90】
「冷房が苦手で具合が悪くなる」「手足が冷えて寝つきが悪い」など、冷えの症状に悩んではいませんか? 冷えは万病のもと。特に寒さが増すこの時季は、体を温めることが大切です。冷えに詳しい内科医の石原新菜先生に、冷えの症状と冷えが原因となって起こる体のトラブルについてうかがいました。
男性よりも女性の方が冷えやすい?
病気ではないけれど、疲れやすく、肩こりや肌あれなど、いつも不調を感じているようなら、「冷え」が原因かもしれません。実際、現代女性は「冷え性」の人が多いと内科医の石原新菜先生は言います。
「体温の約40%は筋肉からつくられていますから、男性に比べて筋肉量が圧倒的に少ない女性は熱をつくるのが難しく、冷えやすいんです」(石原先生)
「冷え」は大きく3つのタイプに分けることができます。自分に当てはまる項目をチェックしてみましょう。
あなたの冷えのタイプと深刻度をチェック!
以下のチェックリストより、自分に当てはまるものを選んでください。
〈A〉
□足先が冷えてなかなか寝つけない
□手先が冷える割に体温は36〜36.5℃前後ある
□1回の月経量は多い方で生理痛や生理不順がある
□顔色は青白くニキビなどの肌あれがある
□ときどき立ちくらみする
〈B〉
□下半身は冷えているのに上半身はほてっている
□体温は36℃台
□お腹が張って便秘しがち
□ニキビなどの肌あれのほかクマが目立つ
□イライラして眠れない
〈C〉
□手足が火照って眠れない
□冷えの自覚症状はないのに35℃台の低体温
□胃痛のほか下痢と便秘を繰り返す
□皮膚がかゆい
□疲れやすく風邪を引きやすい
〈A〉のチェック項目が多かった人は、指先など末端部分に冷えを感じる「末端冷えタイプ」。20〜30代の女性や運動が苦手な人に多く、冷えのなかでは比較的軽度です。
〈B〉のチェック項目が多かった人は、下半身は冷えているのに上半身がほてる「下半身冷えタイプ」。閉経前の30〜40代女性に多く見られます。
〈C〉のチェック項目が多かった人は、内臓に血液が十分に届いていない「内臓冷えタイプ」。更年期以降の女性に多く、冷えの症状としては深刻です。
平熱の定義は36.5〜37.2℃!
石原先生によると、平熱の定義は36.5〜37.2℃であるにもかかわらず、女性の8割、男性の6割、子どもでも5割がこの体温に達していないとのこと。体温が低くなると、免疫力が下がるうえ血行も悪くなるため、便秘や肌荒れ、生理痛、肩凝り、頭痛、腰痛など、さまざまな不調が起こる可能性があります。
「血行がいいと、隅々の細胞に水や酸素、栄養が届くためお肌もきれいになりますし、代謝が上がって痩せやすくなります。みなさん、ちょっとした不調はあって当然で自分は健康と思っているかもしれませんが、それは未病。本当に健康になると、本来、生理痛も便秘も腰痛もないんですよ!」と石原先生。
未病は放っておくと本格的な病気になってしまいます。体を温めてきれいな血液をめぐらせることで、体の不調を解消しましょう。
文/清瀧流美 撮影/フカヤマノリユキ
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