健康・ヘルスケア
2019.11.15

あなたの「あご」は大丈夫? 20〜30代で急増中!マンガで読む 顎関節症&“あごこり”とは…

日本人のふたりにひとりが経験している「あご」の悩み。パソコンやスマホの普及で急増中ってホント!?あごが痛い、口が開きにくい、音がするなどの症状は“あごこり”が原因!?不調のメカニズムを知って、セルフケアを実践しよう!

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あなたも思い当たる症状はありませんか?

・口を開けると痛いので、あまりかまずに食事しています。(35歳・会社員)
・口を開けると音がして、あごに違和感が…。カラオケに行けなくなりました。(35歳・営業)
・疲れがたまった翌朝は、ものすごく口が開けにくいです。(34歳・自営業)
・固いものを食べた後口が開きにくくなり、治るまで少し時間がかかります。(30歳・主婦)
口を開けると、高確率でパキッと音がするので、食事をするとき、相手に聞こえていないか気になります。(35歳・会社員)
・歯医者で治療をするときに長時間大きな口を開けないといけないのが、痛くてつらいです。(25歳・会社員)
・ハンバーガーを食べようとしたら、カクカク音がしてあごに痛みが。かぶりつけません!(32歳・会社員)

 

20〜30代の美的世代に多いあごトラブルとは

「あごトラブルで医療機関を受診する人は、女性が男性の2〜3倍です。10代後半から増え始め、20〜30代の女性が特に多いですね」と話すのは日本大学歯学部准教授の高津匡樹先生。

この年代の女性に多い理由ははっきりと解明されていませんが、女性は男性と比べてあごの筋肉が弱いなどの構造的な問題や、進学や就職など生活環境の変化によるストレスなどさまざまな要因が考えられるそうです。

美的クラブへのアンケート調査でも、112人中106人がなんらかのあごトラブルを感じていると判明。実は多くの人が抱えるあご悩み。正しい知識をしっかり学んでいきましょう!

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ほとんどの人がなんらかのトラブルに悩んでいた!
あごに悩みを持つ美的クラブ106人に聞いた所、60人以上が「口を開けると音がする」「痛みがある」「口が開けにくい」のうち複数の悩みを持っていた。そのほかには「あごが疲れやすい」という声も。
美的クラブ106名 複数回答
(2019年8月28日現在)

 

あご悩みを抱える人は約1900万人。あごこりが痛みを引き起こしている可能性も!

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もっと詳しくあご悩みを解説

※1 顎関節症は主に3つの障害を取りまとめた病名
顎関節症は、『顎関節やあごを動かす筋肉の痛み』『関節の雑音』『開口障害または顎運動の異常』を主要症候とする障害を取りまとめた病名。「3つの症状のうちひとつ以上があり、同じような症状が出るほかの病気がない場合に、顎関節症と診断されます」(高津先生・以下同)

 

※2 あごトラブルに悩むのは20〜24際女性が最も多い
厚生労働省が’16年に3655人を対象に行った歯科疾患実態調査によると、「口を大きく開け閉めしたとき、あごの音がある」 と回答した人の割合は、20〜24歳の女性が最も多く41.7%、 次いで30〜34歳女性の35.8%となっている。「口を大きく開け閉めしたとき、あごの痛みがある」と回答した人も、20〜24歳の女性が最も多く13.9%、次いで35〜39歳女性の9.7%となっていて、あごトラブルが20〜30代女性に多いことがわかる。この調査結果を基に顎関節にトラブルを抱える患者数を推定すると、約1900万人にもなることが判明。

 

※3 “原因はかみ合わせ”は過去の考え方
「20年程前まで、顎関節症の原因はかみ合わせの悪さばかりが注目されていました。しかし、かみ合わせを直しても症状が改善しなかったり、症状を長引かせてしまうことも。現在はそれ以外にも多くの因子が影響すると考えられるようになり、’18年秋には国内初の『治療ガイドライン』が完成しました」

 

※4 口を使う職業の人はあごがこっているかも!?
「職業的にずっと話している、歌う時間が長いなど、口を使う特殊な環境にいる人は、あごの筋肉や関節に負担をかけてしまう場合もあります」

 

※5セルフケアなどの保存療法で多くが改善
「以前の顎関節症の治療というと、特にアメリカでは手術とかみ合わせの治療が中心でした。その後、さまざまな研究から顎関節症が自然に治ることもあるとわかり、2000年代になってからは選択される治療法も変わりました。セルフケアや薬物療法などの保存療法が基本で、手術を行うのは稀なケースです。痛みの感じ方は個人差があるの、痛みが我慢できない、気になって仕方がないという場合は受診し、鎮痛剤を処方してもらうなどすると良いでしょう」

 

教えてくれたのは…
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日本大学 歯学部准教授
高津匡樹先生
たかつ・まさき/1993年、東北大学歯学部卒業後、東北大学大学病院を経て現職へ。日本大学歯学部付属歯科病院顎関節症科を担当。日本顎関節学会所属。著書に『顎関節症診療ハンドブック』(メディア)がある。

 

『美的』12月号掲載
イラスト/Nobby、川野郁代 写真/フカヤマノリユキ 構成/青山貴子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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