毛の固い歯ブラシは歯茎を傷つけるってホント? 真相を歯科医に直撃!
A:ホント。磨くときの力加減もポイント
「台所のシンクを掃除するとき、固いタワシでゴシゴシ磨いても思うように汚れが落ちないばかりか、シンクに傷がついてしまったという経験はありませんか? これは歯でも同じこと。歯茎はやわらかい粘膜。なので、歯よりも傷がつきやすいのは明白ですよね。
また、力強くブラッシングしていると歯の表面や歯茎の境目がどんどん削れてしまい、知覚過敏などを引き起こす原因にも。歯ブラシの毛先がぐにゃっと曲がるくらい強く押し当てるのではなく、歯にそっと触れるくらいソフトな力加減で磨けば十分。
実は、固めの歯ブラシを使っている人の多くは、自分が力強く歯を磨いてしまっていることを自覚してないんです。そのため、年齢に関係なくふつう~やわらかめを使うことをおすすめしています。固めの歯ブラシでの歯磨きに慣れてしまっていると、最初は物足りなさを感じるかもしれません。でも、歯磨きで歯や歯茎を傷つけることがないので安心ですよ」(中村先生・以下「」内同)
正しい歯磨き方法とは、歯ブラシを小刻みに動かすこと
「歯ブラシをゴシゴシ大きく動かして磨くイメージがあるかもしれません。しかし本来、歯磨きとは歯と歯茎の境目に歯ブラシをやさしく当て、小刻みに動かすことなんです。そうでないと、細かい汚れまで落とせません。そして、口腔内にたくさん唾液を分泌させてあげてることで汚れを洗い流すのが基本の磨き方です。
特に注意して欲しいのは、電動歯ブラシを歯に力強く押し当てること。ヘッドの高速回転によって、手磨き以上に歯の表面を削ってしまう可能性があります。電動でも手磨きでも、力加減と歯ブラシを当てる位置に気をつけていれば、歯茎へのダメージは軽減できますよ」
市販の歯ブラシから選ぶには、まず自分の歯の状態を知っておく
「自分の歯が天然歯か、矯正中か、被せ物をしているか、ほかにも歯並びなどによっても歯ブラシの選び方は変わります。できれば歯科でそのときどきの状態にあった適正な歯ブラシを教えてもらうのがベストですね。
市販で買う場合の選び方としては、ブラシヘッドが小さくて小回りのきくもの、ブラシの毛足の長さが長短さまざまあるタイプがおすすめです。歯の形は1本1本異なるうえに立体的なので、毛足がフラットなものだと歯の表面で滑ってしまい、上手に磨けないことも。毛足が長短さまざまであれば、歯の形にフィットし、歯の隙間にも届きやすいですよ」

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