“冷え”は百害あって一利なし! あなたの冷えっぷりはどのタイプ?「冷え性」チェック
疲れ、体調不良、肌トラブル、髪のパサつき…世の中すべての女子にとって、冷えは百害あって一利なし! 積年の「よかれ習慣」や「うっかり」「知らなかった!」を一掃、正しい温め方で、この冬こそ真のあったか♪女子を目指しましょ!
ひとつでも当てはまったら冷え性を疑って!
□ おなかやお尻など、脂肪が多い所は冷たい
□ 肩こりや腰痛に悩んでいる
□ むくみやすい
□ 朝食を食べないことが多い
□ 運動をしていない
□ 体脂肪率は10%未満
□ 熱いお風呂が好き
□ 寝つきが悪い
□ なんだか疲れやすい
□ 胃腸が弱い
判断基準は“冷えてつらい”という自覚症状! 冷え症は治すべき疾患予備軍です
不調を感じている人程“冷え”にご用心
“冷え性”は、他の人が冷えを感じないような温度の中でも“冷えてつらい”と感じるもの、渡邉賀子先生は、「冷えを自覚していなければ、“冷え性”とは言えませんが、冷えていいことはありません」と言います。
「血液は全身を巡って細胞に酸素と栄養を届け、細胞で不要になった老廃物などを回収しています。体が冷えを感じると、大切な内臓の機能を守るために、末梢の血管を縮めて熱を外に逃さないなどの反応で、体の中心部の温度を一定に保とうとします。そのため、血管が収縮して血巡りが悪くなりやすい末梢部分の爪や髪、皮膚の表面に栄養が届かなくなります。“冷え”は健康面のみならず、美容面でもデメリットになり、解消すべき疾患予備軍なのです」
冷えている原因は大きく分けるとふたつ
(1)熱をうまく作れない
「熱の大元は食べ物。食べたものを消化吸収して代謝される過程で熱が作り出されます。その熱を作るために重要なのが筋肉。一般的に女性は男性に比べて筋肉量が少ないため、熱を作る量が少なく、冷え症は女性に多いのです」
(2)熱をうまく配れない
「筋肉などで作られた熱は、血液とともに全身に配られます。心身のストレスなど交感神経が優位になると、末梢血管が収縮して血流が悪くなり、手足な度が冷えてしまうのです」
あなたの冷えっぷりはどのタイプ?
手足の先が冷たい→四肢末端型
生命維持に欠かせない内臓がある深部の体温を保つために、冷えを感じると末梢の血管を縮めて熱を外に逃さないようにします。これが手足が冷える主な理由。
冷えのぼせする→下半身型
上半身はほてって暑いのに、下半身は冷たい状態。更年期症状の人に多いが、美的世代でもホルモンバランスの乱れや、足元が冷えやすい生活の中で症状を感じやすい。
どこを触っても冷たい→全身型
熱を作る量が少ないため、全身が冷えている。やせ型や筋肉量が少ない人のほか、食べ物を消化吸収して熱を作るのがうまくできない胃腸の弱い人に多い。
みんなが寒くても寒さを感じない→内蔵型
寒い所でも手足が温かい人は、内臓が冷えやすいので注意を。加齢やストレスなどから自律神経のバランスが乱れ、手足の皮膚表面から熱が放出されて深部体温が低下している。
冷え性と低体温と寒がりは違います!
寒がりさん
「寒い所で寒いと感じるのは正常な反応です。また、寒がりさんは冷えに敏感なため、しっかり対策をしている人が多いので、寒がりと冷え症はイコールと言い切れません」
低体温さん
「医学的に低体温症は深部体温が34°C以下のこと。そこまででなくても、運動不足や朝ごはんの欠食、ダイエットなどで低体温気味の人が増えているので、健康のために気をつけて」
Don’t 勘違い!
一見すると同じように思える“冷え症”と“低体温”と“寒がり”。でも、冷え症はあくまで自覚的に冷えがつらいと感じ、それが心身に悪影響を与えていることを指します。
お話を伺ったのは…
麻布ミューズクリニック名誉院長 渡邉賀子先生
医学博士。漢方専門医。1997年に北里研究所にて、日本初の『冷え症外来』を開設。健康で美しい女性の一生をサポートするために、診療と研究活動を続けている。
『美的』2020年1月号掲載
撮影/島村 緑 ヘア&メイク/サカノマリエ スタイリスト/水原雪葉 モデル/土屋巴瑞季 イラスト/香川尚子 構成/越後有希子
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。