健康・ヘルスケア
2019.10.25

電動歯ブラシを使うと手磨きで落とせない汚れも落とせるってホント?真相を歯科医に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】

A:ウソ

「いちばん重要なのは磨き方です。どちらを使っても電動と手磨きに大きな差はないので、私のクリニックでも電動の方がオススメ、という言い方はしません。基本的には本人の口腔内環境に合った磨き方を指導するのがベーシックですし、手磨きでも正しい歯磨き方法できれいに汚れを落とせている方はいます」(中村先生・以下「」内同)

電動歯ブラシを使っている人の多くは、磨きたい部分までブラシが届いてない!

「電動歯ブラシにはいくつか種類があります。歯ブラシの高速運動により歯を磨く“電動式“、微細な音波振動により発生する気泡で細かい部分の汚れにアプローチできる“音波式“、歯ブラシのヘッドから超音波を発生させて頑固な細菌やプラーク(歯垢)まで破壊できる“超音波式“。正しく使えば通常の歯磨き以上の洗浄力があるとは思います。

しかし、電動歯ブラシを使っているという患者様のお話を聞いていると、歯ブラシを口に入れた後、何も考えずただ動かしているだけで、磨くべき部分までは当たっていないという方が多いです。歯の汚れは、歯と歯茎の境目や歯の表面部分など、歯の形状に合わせてしっかりブラシを当てて磨かなければ落ちません。
手磨きにはない電動歯ブラシのメリットとしては、がんばって手を動かさなくても、口内に入れておくだけで振動によって唾液を分泌できることですね。唾液には食べかすなどの汚れを洗い流したりプラークの発生を抑えることができるため、分泌量が増えることは歯の健康にとっては良いことです」

すみずみまで汚れを落とすにはデンタルツールを使うのがマスト

「磨き方さえ正しければ……とは言っても、歯ブラシだけでは歯の隙間などにひそむ細かい汚れまでは落としにくいもの。夜だけでもいいので、歯間ブラシ、デンタルフロス、タフトブラシといったツールを使って“仕上げ磨き”をするのが理想的ですね。時間をかけて歯磨きをしても、歯の裏を舌でさわったときに、歯と歯茎の境目がザラついていたらまだまだ磨ききれてない証拠です。

使う順番は歯ブラシの後に、まずは歯間ブラシを歯の隙間に通して磨きます。次にデンタルフロスを同じように歯の隙間に通して小刻みに動かし、歯周ポケットと呼ばれる歯の根っこ側にたまった汚れを取り去ります。ちなみに、フロスに慣れていない方はワックスつきのものが滑りが良くて使いやすいと思います。歯に巻きつけるような使い方で表面まで磨く意識を持つと、ツルッときれいに仕上がります。

最後の仕上げはタフトブラシで磨くことをオススメしています。タフトブラシとは、毛質がとてもやわらかくて歯に当てると扇状に広がるため、歯の1本1本にフィットしやすいのが特徴。歯の隙間や奥歯の裏側など、細かい部分まできれいに掃除することができます。使い方も簡単で、歯の形状に沿ってサッサッと軽くはらうように磨くだけ。電動歯ブラシを愛用している方でも、最後にタフトブラシで磨く工程をプラスすると、いつもより歯がツルツルに仕上がることを実感できると思います」

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歯科医
東京ミッドタウンデンタルクリニック院長。明海大学歯学部卒業後、日本大学歯学部矯正科入局研修を経て、1998年渡英 Eastmasn Dental Hospital 、International Center For Excellence in Dentistry London にて5年間診療および研究に従事。
2007年8月より東京ミッドタウンデンタルクリニックに勤務、2010年9月より同クリニック院長に就任。あたたかい人柄と相手に寄り添う丁寧な治療が人気で、遠方からの通院者も多い。■東京ミッドタウンデンタルクリニック

取材・文/井上ハナエ

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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