健康・ヘルスケア
2019.10.27

耳鳴りやめまい…その不調、「難聴」かも?! 難聴の正体を徹底解明!

睡眠不足、ストレス過多、オーバーワークetc.、そんな忙しい日常の中で、耳や鼻のトラブルを訴える美的世代が増加中。なんだか耳が聞こえづらい、耳鳴りがする、ずっと鼻が詰まっている、鼻水が止まらず顔や頭が痛い…など、あなたも要注意です! 詳しいお話を石戸谷耳鼻咽喉科 院長の石戸谷淳一先生に伺いました。

慢性化する前に、気づいて対処が肝心!

耳や鼻の調子がちょっとくらい悪くても、寝込む程でなければ放っておくという人、案外多いのでは? でも、「難聴が悪化して聞こえなくなったり、副鼻腔炎が慢性化して頭痛や顔面痛に悩まされたり…と、放置や我慢はより大きな苦痛を引き寄せます」と、耳鼻科医の石戸谷淳一先生は警鐘を鳴らします。美的世代にも増加中の難聴や副鼻腔炎など、予防のためにもしっかり耳鼻ケアしましょう!

鼻水や鼻詰まりが止まらない…それ「副鼻腔炎」かも
p329-8

なんだか人の声が聞こえづらい…それ「難聴」かも
p329-1

「難聴」とは?その正体を徹底解明

耳鳴りやめまいを伴うケースが多く、放っておくと治らなくなる可能性も!

難聴は耳の中のどこかで障害が生じているサイン

「難聴とは、言葉どおりに捉えると、耳が聞こえにくくなる病気ですが、症状としてはそれだけではありません。耳が塞がったような耳閉感、耳の中で音が聞こえる耳鳴り、平衡感覚が乱れるめまいなども、難聴に随伴しやすい症状。しかも、耳の中のどの部位にトラブルがあるかによっても出やすい症状や深刻度は違ってきます。まず、音の入り口、外耳から中耳にかけてのトラブルは『伝音難聴』と呼ばれ、中耳炎や鼓膜の損傷などによる耳の痛み、耳だれ、耳閉感などを併発します。その先の内耳に起こるトラブルは『感音難聴』と呼ばれ、耳閉感に加えて耳鳴り症状が出てきます。近年、若い世代にも増えている『突発性難聴』は、この感音難聴の一種。また、内耳には三半規管などが含まれるため、めまいも起こりやすくなります。ただし、難聴症状がある場合、それが伝音系か感音系か、あるいは両方かの判断は、耳鼻科できちんと聴力検査をしてみないとわかりません。もちろん診断によって対処法も違ってきます。難聴かも? と思ったら、すぐに受診するようにしましょう」(石戸谷先生)

 

難聴にはトラブルの出所によって「伝音難聴」と「感音難聴」があります

p329-14
耳に入った音は、外耳道を通って鼓膜を揺らす。その振動が中耳にある耳小骨経由で内耳の蝸牛に伝わり、そこで電気的信号に変えられる。その後、聴神経を通って大脳へと伝えられた信号を大脳皮質の聴覚をつかさどる部位がキャッチした時点で、初めて音として認識される。

 

内耳のトラブル…「感音難聴」
内耳は、中耳から受けとった音波の振動を電気的信号に変える蝸牛と、体のバランスをとる三半規管や前庭からなり立っています。「感音難聴」は、その内耳や聴神経にダメージが生じ、耳鳴りやめまいなどを併発する難聴。
●突発性難聴
●急性低音障害感音難聴
●メニエール病
●音響外傷
●外リンパ瘻

 

中耳と外耳のトラブル…「伝音難聴」
外耳と中耳は、耳に入った音の振動を内耳に伝える役割。「伝音難聴」は、この部分になんらかのトラブルが生じて聞こえにくくなる難聴。急性中耳炎は、鼻から耳管経由で入ってきたウイルスや細菌が原因で起こります。
●耳アカ
●急性・慢性・滲出性中耳炎
●耳管機能不全(耳管開放症、耳管狭窄症など)

Check!自分が難聴かどうか気になったら、まずチェック!

□ 耳の横で指をさする

p329-11
耳元で、親指と人さし指を少し強めにこすってみて、その音が聞こえない場合は、高音をキャッチする聴力が低下していると判断できます。

□ イヤホンを片方ずつ聴いてみる

p329-13
イヤホンやヘッドホンを片方の耳に当てて音を聞き、次に反対の耳に当てて聞きます。片方ずつ聞くことで、聞こえ方の左右差を自己診断できます。

□ テレビのボリューム設定をチェック

p329-31
自分が最も聞きやすいテレビのボリューム設定を、家族や以前の自分と比較します。ザワつく場所で、人の声がちゃんと聞きとれるかも判断基準に。

 

耳・鼻トラブルについて教えてくれたのは…
p329-30
石戸谷耳鼻咽喉科 院長 石戸谷 淳一先生
いしとやじゅんいち/医学博士。横浜市立大学医学部客員教授。国立国際医療センター耳鼻咽喉科医長、横浜市立大学附属市民総合医療センター耳鼻咽喉科教授などを経て現職。内視鏡下鼻副鼻腔手術のエキスパート。https://www.ishitoya.jp/

 

『美的』11月号掲載
イラスト/やましたともこ デザイン/平田 毅 構成/つつみゆかり

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

この記事をシェアする

facebook Pinterest twitter

関連記事を読む

あなたにおすすめの記事