30代にも増えている“難聴”の種類は? 「聞こえづらい」と思ったら、すぐに耳鼻科にGO!
睡眠不足、ストレス過多、オーバーワークetc.、そんな忙しい日常の中で、耳や鼻のトラブルを訴える美的世代が増加中。なんだか耳が聞こえづらい、耳鳴りがする、ずっと鼻が詰まっている、鼻水が止まらず顔や頭が痛い…など、あなたも要注意です! 詳しいお話を石戸谷耳鼻咽喉科 院長の石戸谷淳一先生に伺いました。
30代女性にも増えている難聴は…
突然片方の耳が聞こえない「突発性難聴」
「ある日急に片方の耳が聞こえなくなる、耳が塞がった感じになるなど、突然発症する感音難聴。原因は不明ですが、内耳の微小循環の不全や血行障害、ウイルス感染、ストレスなどが要因にも」(石戸谷先生)
低音の耳鳴りがする「急性低音障害型感音難聴」
「母音など、低音域の音が聞きづらくなります。高音は入ってくるので、聞こえないというよりも耳閉感が強い。ゴー、ブーといった低い音の耳鳴りもします。反対に高音障害型の耳鳴りは、ピー、ジーといった高音です」(石戸谷先生)
めまいがひどい「メニエール病」
「耳鳴りや回転性の激しいめまい、耳が圧迫されるような感覚を伴う感音難聴。原因は明らかではありませんが、内耳にあるリンパ液の量が増えすぎて水膨れになり、感覚細胞を圧迫することで起こるとされています」(石戸谷先生)
その他、行きすぎた習慣も難聴の要因に…
爆音によって内耳にダメージが「音響外傷」
「ロックのライブなどで85デシベル以上の大きな音を聞き続けたことで音響外傷になる人がいます。ヘッドホンで大音量の音楽を聴くのも同様。ただし、全員がなるものではなく、聴きながら興奮するとなりやすいという傾向が」(石戸谷先生)
過激なダイエットからなることも「耳管開放症」
「ダイエットで激やせした女性に増えているのが耳管開放症。耳管周辺の脂肪が減り、鼻と中耳をつなぐ耳管が常に開いた状態になっているため、自分の声や呼吸の音が大きく聞こえたり、耳閉感、軽度の難聴を伴ったりも」(石戸谷先生)
「聞こえづらい」と思ったら、すぐに耳鼻科へGO!
放置の先は悪化のみ。自己判断せず病院へ!
「難聴や耳鳴り、めまいは、放っておいたらそのうち治るというものではありません。特に、突発性難聴や急性低音障害型感音難聴は、発症したらすみやかな治療が大切。1週間くらい様子を見てからなどと、のんびりしていては遅いのです。なるべくその日か翌日くらいまでに耳鼻科を受診しましょう。耳鼻科での治療は症状によってさまざまですが、まずはステロイドの点滴や経口薬で治療するのが一般的です」(石戸谷先生)
耳・鼻トラブルについて教えてくれたのは…
石戸谷耳鼻咽喉科 院長 石戸谷 淳一先生
いしとやじゅんいち/医学博士。横浜市立大学医学部客員教授。国立国際医療センター耳鼻咽喉科医長、横浜市立大学附属市民総合医療センター耳鼻咽喉科教授などを経て現職。内視鏡下鼻副鼻腔手術のエキスパート。https://www.ishitoya.jp/
『美的』11月号掲載
イラスト/やましたともこ 構成/つつみゆかり
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。