健康・ヘルスケア
2019.6.26

未来の出産への不安を解消!会陰切開ってなに?怖いんですが絶対必要なことですか?【女医に訊く#66】

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将来、妊娠出産を希望していても、未知の世界なだけに不安はいっぱい。妊活の流れで色々調べてみたら、会陰切開というワードを発見!なんだかすごく怖そう……という女子のみなさんのために、不安を解消すべく、会陰切開の必要性や産後の出血について、産婦人科専門医の吉形玲美先生にうかがいました。

会陰切開ってなに?

会陰切開とは、分娩をよりスムーズにするための処置。会陰部に切開を加えて、会陰の裂傷を防ぎます。赤ちゃんの心音に異常があり、早く出してあげたいときや、「吸引分娩」などを選択する場合には、会陰切開を行うことになります。

また、会陰切開は分娩中に局部麻酔の注射をしてから行うのが一般的。無痛分娩を選択して いて麻酔効果が十分得られている場合には、そのまま切開が行われます。

会陰切開しないと出産できないの?会陰切開しなくていいケースは……

妊娠中に会陰マッサージを行っておくと、会陰がやわらかく伸びやすくなるため会陰裂傷が発生しにくくなるともいわれており、より自然な分娩を希望し、会陰切開しないお産にこだわる妊婦さんや助産師さんもいます。

「会陰切開をするかしないかは、お産の状況にもよりますが、必要に応じ切開をすることで赤ちゃんがよりスムーズに出てこられるうえ、お産を早く終えることができます。小さく切ってキレイに縫った方が膣の回復も早いのでおすすめです」と話すのは、産婦人科専門医の吉形玲美先生。

しかし、妊婦さんから「絶対に切りたくない」と言われると、医師はハサミを入れられません。その結果、会陰が不規則に大きく裂けてしまい、結局、会陰切開の処置よりも複雑な縫合に加え、リスクが生じることもあるようです。

「分娩時に赤ちゃんが元気でも必要以上にゆっくりお産を行うと、膣の形状や締まりに変化が生じることもあり、子宮の戻りが悪くなり、産後の夫婦生活に影響が出てしまうかもしれません。傷痕が気になるなら、抜糸不要の解ける糸で内側縫いをすることもできます。バースプランを立てるときは、助産師さんだけでなく産科医ともよく話し合いましょう」(吉形先生)

産後の出血はいつまで続くの?

もうひとつ、産む前から不安になりがちなのが、産後の出血について。出産して、胎盤が出て、子宮が元の大きさに戻っていく過程で、「悪露」という生理に似た出血が1か月くらい続きます。「悪露」は最初は赤い生理のような血ですが、だんだん薄くなり、黄色っぽく変化して、最後はおりものに近い形状になって終息していきます。

「退院後、出血が多いように感じたら、出産した施設に相談するのがいちばん。特に産後1か月は精神的にも不安定ですから、気になることがあるときは、ひとりでネット検索などをするのではなく、出産した施設、お産に関わってくださった医療スタッフにどんどん頼ってみましょう」と吉形先生。
悪露の量や子宮が元の大きさに戻るための収縮経過などは個人差があります。悪露の量が多い場合は子宮の収縮が緩い可能性が高く、子宮の収縮剤を使用して早く元に戻す治療を行います。

「もうひとつ、授乳中、生理痛のような強い痛みが襲ってくるときがあります。授乳をしっかりすると、子宮がギューッと収縮するのです。この痛みに使える痛み止めも限られており辛いかもしれませんが、産後早期からの授乳は、お母さんの体が元に戻るためにも、赤ちゃんの体づくりにも大切です。母乳が出る方は、しっかり授乳してくださいね」(吉形先生)

 

産婦人科専門医
吉形玲美先生
浜松町ハマサイトクリニック 婦人科医。医学博士、日本産科婦人科学会 産婦人科専門医、日本女性栄養代謝学会幹事。東京女子医科大学医学部卒業後、同大学産婦人科学教室入局、准講師を経て、現在非常勤講師に。2010年7月より浜松町ハマサイトクリニックに院長として着任。現在は同院婦人科診療のほか、多施設で女性予防医療研究に従事している。更年期、妊活、生理不順など、ゆらぎやすい女性の身体のホルモンマネージメントを得意とする。 ■浜松町ハマサイトクリニック

文/清瀧流美 撮影/黒石あみ

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