健康・ヘルスケア
2019.4.3

口臭がホルモンバランスとの関係で強くなるってホント?真相を医師に直撃!

日常生活で生まれる美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は、“ニオイ”について。女性はホルモンバランスが乱れると口臭が強くなるって…ウソ? ホント? 内科医で認定産業医の桐村里紗さんにお答えいただきます。

%e5%8f%a3%e8%87%ad%e3%83%9b%e3%83%ab%e3%83%a2%e3%83%b3Q:ホルモンバランスの乱れで口臭が強くなるってホント?

お肌の調子からメンタル面まで、様々な影響を及ぼすホルモンバランス。口臭にまで関係してするというのは本当でしょうか。

さっそく、この疑問を桐村先生にぶつけてみました! 果たして先生の答えは……?

 

A:本当です。ホルモンバランスの乱れと口臭は関係があります。

「男性ホルモンよりも女性ホルモンの方が歯周病を悪化させやすいといわれています。そのため、歯周病による口臭は、女性の方がリスクが高くなるのです。

歯周病というと、老人の病気で自分には関係ないと思っている人も多いでしょうが、歯周病は日本人の国民病です。厚生労働省の調査では、20歳以上で7割、35歳以上では8割が何らかの程度の歯周病であるということが明らかになっています。歯周病は強い口臭の原因になるだけでなく、低体重児早産のリスクが7倍になるという報告もあり、出産時において、タバコやアルコール、高齢出産よりも悪影響を及ぼすことがわかっています。

特に、女性ホルモンのエストロゲンは、プレボテラ・インターメディアという種類の歯周病菌を増やします。また、プロゲステロンは、歯周病の炎症を促進する作用があります。特に、妊娠後期には妊娠性歯周病が悪化しやすいので、妊娠を望む女性、妊娠中の女性は、歯周ケアが必須といえます。自分の口の中に定着している歯周病菌は、キスやスプーンなどの共有で、出産後、赤ちゃんにもうつってしまうのですよ」(桐村先生・以下「」内同)

キスで感染することも!口臭の元凶となるジンジバリス菌

「歯周病ケアは、口腔内をしっかり清掃し、口腔内環境を悪化させないことです。歯ブラシだけでは、細菌の塊であるプラークの4割が磨き残されてしまいます。これをしっかり落とすには、歯間ブラシやデンタルフロスを使うことが必須。外出先やオフィスでも食後に使用できるよう、ポーチに入れて携帯するとよいですね。アイテムがない場合にも、強めのブクブクうがいだけはしてほしいところです。

ちなみに、歯周病菌の親玉と言われ、強い口臭の原因ともなるジンジバリス菌は、キスで感染することも。自分の口臭が強いとパートナーに口臭の原因菌をうつす可能性がありますし、逆に自分がしっかりケアしていても、パートナーがケア不足で口臭が強ければ、自分にもうつるリスクがあるということです。歯周病菌は、口の中にとどまらず体内に侵入し、動脈硬化やアルツハイマーの原因にもなります。お互いにケアしていってほしいですね」

 

内科医・認定産業医/tenrai株式会社 代表取締役医師
桐村 里紗先生
予防医療を“ライフスタイルデザイン”と再定義し、生活者の行動変容を促すコンテンツ開発を行う。著書に『日本人はなぜ臭いと言われるか~体臭と口臭の科学~』(光文社新書)など ■tenrai株式会社

文/木土さや

 

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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