健康・ヘルスケア
2019.3.6

“デリケートゾーンの臭いは専用ソープじゃないと取れないってホント?真相を医師に直撃!

日常生活で生まれる美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は、“ニオイ”について。デリケートゾーンのニオイ対策には、専用のソープを使わないと……ってウソ? ホント? 内科医で認定産業医の桐村里紗さんにお答えいただきます。

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Q:デリケートゾーンの臭いは、専用のソープを使わないと取れない?

ショップなどで目にする“デリケートゾーン専用ソープ”。使った方がよいのかな……と思いつつ、手を出していない方も少なくないのでは? デリケートゾーンには専用のソープを使わないといけないのでしょうか。臭いが気になるなら専用ソープを使ったほうがいいというウワサもあります。本当でしょうか。さっそく、この疑問を桐村先生にぶつけてみました! 果たして先生の答えは……?

A:半分ホント、半分ウソ

「デリケートゾーンは皮膚が薄く、また、膣付近は、膣内を守る乳酸菌の一種・デーデルライン桿菌によって弱酸性の環境が保たれています。

一般的なソープはアルカリ性で、洗浄力の高すぎる界面活性剤が使用されていることが多いため、陰部の皮膚を痛め、膣内の環境を悪化させる可能性があります。陰部の洗浄には、弱酸性で穏やかな洗浄力の専用ソープを使用する方が安全といえます」(桐村先生・以下「」内同)

膣内が臭う原因によっては洗いすぎは逆効果

「しかし、膣内が臭う場合は、おりものの中に繁殖する雑菌や病原菌が原因になっている可能性があります。この場合は、ソープでの洗浄は一時的な効果しかありませんし、洗いすぎは逆効果になる可能性があります。

また、洗いすぎによって、雑菌が繁殖すると、ドブのようなニオイがする細菌性膣炎になる可能性も。そして、場合によっては、性感染症であるクラミジアやトリコモナスによる感染症が原因である可能性がありますので、専用ソープを使っても臭いが気になる場合という場合には、婦人科に相談するのがベストです」

ソープで対策可能なデリケートゾーンの臭いとは?

「デリケートゾーンの臭いの発生部位がどこかによって、ソープで対策可能な場合と、ソープでは対策できない場合があります。

デリケートゾーンが臭う原因は、主にふたつ。

ひとつ目が、膣の外である外陰部から発生する臭い。もうひとつが上で紹介した膣内で繁殖した雑菌や病原菌による臭いです。外陰部は、密集した陰毛が生えており、汗をかきやすい上、下着やおりものシート、ナプキンで群れて雑菌が繁殖しやすくなります。

人の汗には2種類あります。体温調整のための汗として全身からかくエクリン汗腺からの汗と、フェロモン腺の名残であり、脇や外陰部など、毛の生えている場所からかくアポクリン汗腺からの汗があります。

外陰部は、陰毛の根元にアポクリン汗腺があり、ここからかく汗は、細菌の餌となる栄養が豊富です。アポクリン汗腺の発達には個人差がありますが、発達している人ほど、陰部は臭いやすくなりますので、デリケートゾーンを清潔に保つためにも、専用のソープを使うことは効果的でしょう」

 

 

内科医・認定産業医/tenrai株式会社 代表取締役医師
桐村 里紗先生
予防医療を“ライフスタイルデザイン”再定義し、生活者の行動変容を促すコンテンツ開発を行う。著書に『日本人はなぜ臭いと言われるか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)など ■tenrai株式会社

文/木土さや

 

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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