健康・ヘルスケア
2018.12.5

女医に訊く#40|ノロウイルスに感染するとどうなる?消毒はどうしたら?

40
食中毒は夏だけではありません。冬に多発しやすいノロウイルスは、手指や食品などを介して、経口で感染し、おう吐や下痢、腹痛などを起こします。大規模な食中毒になりやすいノロウイルスについて、日本感染症学会専門医の源河いくみ先生にうかがいました。

感染したら経口補水液やスポーツドリンクで脱水予防を

「ノロウイルスは伝搬力が強く、少数のウイルスでうつるので、家族や職場の人が感染したときは注意が必要です」と語るのは、日本感染症学会専門医の源河いくみ先生。

ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は、一年を通して発生していますが、その多くは11月〜2月に集中。感染すると、吐き気、おう吐、下痢、腹痛、微熱などの症状が1〜2日続きます。

「ノロウイルスについてはワクチンや特効薬がなく、治療は対症療法に限られます。下痢やおう吐が続くと、体から水分と電解質が失われてしまいますから、経口補水液またはスポーツドリンクを飲んで、水分と電解質を補給しましょう。無理して食事をする必要はありません。自分で水分を摂れないくらいぐったりしている場合は、強い脱水状態になっている可能性があり、点滴が必要な場合がありますので病院を受診してください」(源河先生)

流水と石けんで爪の間や指の間もしっかり洗いましょう

ノロウイルスの感染経路には、食品からの感染と人からの感染があります。とくに忘年会や新年会が続くこの時季は、感染した人が調理をしたり取り分けたりして、汚染された食品を食べてしまう機会も増えますので気をつけて。ウイルスが蓄積しやすい牡蠣などの二枚貝は、中心部までしっかり加熱してから食べましょう。

一方、ノロウイルスは、家庭や施設内など人同士の接触する機会が多い場所で人から人へ飛沫感染するほか、 床などに飛び散った感染者のふん便や吐物から人の手などを介して二次感染する可能性もあります。

「予防は手洗い。ノロウイルスについてはアルコール消毒の効きが悪いので、流水と石けんで指先、爪の間、指の間、親指の周り、手首までしっかり洗いましょう」(源河先生)

消毒には次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤を使って

「ノロウイルスは、感染者のふん便やおう吐物から人の手などを介して二次感染する可能性があります。また、ふん便やおう吐物から蒸発したノロウイルスが空中に漂い、これが口に入って感染するという報告もあります」と源河先生。二次感染を防ぐためにも、ふん便や吐物は乾燥しないうちに速やかに処理しましょう。

床等に飛び散った感染者のふん便や吐物を処理するときには、窓を開けて換気するのを忘れずに。使い捨てのエプロン、マスク、手袋を着用し、汚物中のウイルスが飛び散らないように、ふん便や吐物をペーパータオルなどで静かに拭き取ります。拭き取った後は、次亜塩素酸ナト リウムを含む塩素系漂白剤で浸すように床を拭き取り、最後に水拭きをして。拭き取りに使用したペーパータオルや手袋、マスク等は、ビニール袋に密閉して廃棄します。

ノロウイルスは感染力が強く、ドアノブ、カーテン、リネン類、日用品などからもウイルスが検出されます。 家庭や職場で感染者が発生した場合は、次亜塩素酸ナト リウムを含む塩素系漂白剤で消毒を行って。汚れた衣服やシーツ、食器も放置せず、次亜塩素酸ナト リウムを含む塩素系漂白剤につけておきましょう。

教えてくれたのは・・・

%e7%b8%a6
日本感染症学会専門医
源河いくみ先生
東京ミッドタウンクリニック トラベル外来医師。医学博士。日本内科学会総合内科専門医。日本感染症学会日本感染症学会専門医。国際旅行医学学会認定医。日本大学医学部卒業後、国立国際医療研究センターでの感染症科・渡航者外来勤務を経て2007年より現職。渡航前後の健康診断から予防接種、予防薬の処方などの渡航者の健康管理をサポートしている。
■東京ミッドタウンクリニック www.tokyomidtown-mc.jp

文/清瀧流美 撮影/フカヤマノリユキ

この記事をシェアする

facebook Pinterest twitter google+ Pocket

関連記事を読む

あなたにおすすめの記事