健康・ヘルスケア
2018.7.4

女医に訊く#20|SPF値って何?「日焼け止めの素朴な疑問」にドクターが答えます

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美容大好きな美的読者なら、日焼け止めは毎日欠かかさず使っているという人も多いはず。どんな製品が私の肌に合うの?そもそもSPF値って何?など、今さら聞けない「UVケアに関する疑問」に、皮膚科医の高瀬聡子先生がお答えします。

Q1:日焼け止めはどんなものを選ぶのが正解?

「日焼け止めを選ぶ際に、ますはSPF値、PA値がひとつの目安になると思います。日常生活の中で浴びる紫外線は、SPF15~30、 PA++程度で十分カットできます。屋外のレジャーや南国のバカンスなど紫外線が強い地域に行く場合は 、SPF30~50、PA++++などプロテクト効果の高いものが安心ですね。プールや海など水辺で使う場合は、水に強いウォータープルーフタイプを選ぶなど、シーンに合わせて使い分けて」(高瀬先生)

女性にとって最も使用頻度が高い“日常使い”の日焼け止めは、「テクスチャーがとても大切です」と、高瀬先生。乾燥する空調のもとで長時間過ごす人はしっとりした感触、外出する機会が多い人は、みずみずしく軽やかなタイプだと、ストレスなく使えるはず。

「UVケアは、毎日続けることが重要です。そのためには、ご自身が“心地良いと感じられる”ことが欠かせません。肌タイプやライフスタイルに合わせて、無理なく続けられるものが良いでしょう」(高瀬先生)

Q2:そもそも日焼け止めに表示されている「SPF」「PA」って何?

UVケアアイテムに表示されているSPF値とPA値、数値が高いほど“しっかり肌を守ってくれそう”なイメージがあります。そもそもこの数値って何を表してるの?

「SPF値は、紫外線 B 波を防ぐ値です。数値が多いほうがプロテクト効果に優れ、最高値は SPF50+。急激な日焼けを防止する目安になります。PA値は紫外線 A 波を防ぐ値です。+表示で示され、こちらも+が多い方がプロテクト効果に優れています。最高値は PA++++です」(高瀬先生)

太陽を急激に浴びた時に発生する“日焼け”や“赤み”を防ぐには、SPF値が参考になります。一方で、肌深部のダメージを防ぐ目安になるのがPA値。「紫外線A波は、長期にわたって浴び続けると、シワやたるみの原因になります。見た目ですぐには分かりにくいものの、地表に降りそそぐ紫外線の約9割を占めるのが紫外線A波。UVケアコスメを選ぶときは、SPF値だけでなく、PA値にも注目して下さい」(高瀬先生)

Q3:日焼け止めはかえって肌に負担になりそうなのは気のせい?

ひと昔前の日焼け止めは、ベタベタしたり、膜感があって「肌に負担がかかりそう」というイメージがあったかもしれません。

「近年のUV ケアアイテムは、基剤や配合している粉体の進化がめざましく、なめらかで負担感の少ない、心地よい感触のものが増えています」と、高瀬先生。なかには日中用クリームにSPF値がついた“保湿重視”の製品も。「肌がデリケートで紫外線に弱いタイプの方は、“ノンケミカル”という表示があるものを選ぶとよいでしょう」(高瀬先生)

ノンケミカルとは、紫外線をカットする素材のうち、肌トラブルの原因になりやすい“紫外線吸収剤”を配合していないもの。デリケート肌専用の日焼け止めは、その他に合成保存料や香料をカットしているものも少なくありません。

「肌への負担を軽減するなら、日焼け止め選びはもちろんのこと“長時間つけっぱなし”にしないことも重要です」と、高瀬先生。長時間、汗や皮脂、汚れと混ざり合った UV ケアをしていると、ダメージの原因になる可能性が。汗や皮脂の分泌量が増える夏場は、帰宅したらすぐにメイクオフするように心がけて。

Q4:SPF 値の高い日焼け止めを塗ってさえいれば安心?

確かに SPF値の高いものは、プロテクト効果にすぐれています。朝に最高SPF、PA値の日焼け止めを塗ったから安心かというと一概にそうとはいえません。

「本来UVケアは2~3時間ごとの塗り直しが推奨されています」と。高瀬先生。汗で流れてしまったり、洋服や手が触れることにより摩擦でとれてしまう可能性があるためです。特に汗をかく夏場は、こまめな塗り直しが理想的。

とはいえ、屋外のレジャーや水着の時に塗り直すのはまだしも、日々の生活の中で、朝、メイク前に塗った日焼け止めの塗り直しは、現実的に難しいはず。

「そんな時はSPF 値のついたパウダーファンデーションなどを重ねて“化粧膜”を修復し、紫外線防止効果を維持してあげましょう。今はスプレー式やルースパウダータイプなど、手軽に重ねづけできるUVケア製品が充実しています。朝出勤するときは乳液タイプの日焼け止めでしっかりガードし、外出するさいにルースパウダーやスプレーを持ち歩くなど、シーンに合わせたアイテムを用意しておくと安心かもしれません」(高瀬先生)

Q5:ファンデーションを塗っていたら日焼け止めは必要ない?

「ベース作りはナチュラルが一番」「なるべく厚塗りにしたくない」という女性は多いはず。毎日SPF値のあるファンデーションを使っていたら、わざわざ日焼け止めを使わなくてもよいのでは?

「確かにほとんどのファンデーションは、紫外線防止機能を備えています。ただしメイクアップのための製品なので、専用の日焼け止めに比べると、紫外線防止効果は低めに設定されています。“肌全体を隙間なく紫外線から守る”という意味では、専用の UV ケアを取り入れるほうが効率的です」(高瀬先生)

逆に肌全体をファンデーションで隙間なくUVカットしようと思うと、厚塗りになってしまいがち。フェイスラインまでしっかり塗って、能面のようなのっぺり顔になったら…… 本末転倒ですよね。現在は肌色を自然にトーンアップするUV ケアが充実しており、化粧下地として上手に使うと、逆にファンデーションの量が少量で済む場合も。自然な仕上がりと無敵のUVケア効果が手に入る、一石二鳥の方法です。

Q6:上手な「日焼け止めの塗り方」を教えてください

 せっかく高機能なUVケアを使っても、ムラがあったり塗り忘れた部分があると、紫外線防止効果を発揮できません。「日焼け止めを使っているのに焼けちゃった」という人は、塗り方を見直してみましょう。

「まず大切なのは、使用量の目安を守ることです。使用量が少ないと、表示のSPF値を発揮できないばかりか、ムラづきの原因にもなります」と、高瀬先生。正しい使用量を手に取ったら、そのまま顔につけずに、まず両頬、額、鼻、あご先の5点において。それからフェイスラインに向けて広げていくと、顔全体を均一にカバーしやすくなります。

「最も紫外線が当たりやすい“頬の高い位置”は、できれば日焼け止めの重ねづけで手厚くプロテクトを。意外に塗り忘れやすいのが“耳の手前”“鼻の下”“フェイスライン”です。これらの場所にも、適量をきちんと塗ってあげましょう」(高瀬先生)

特に耳の手前は、頬と並んでシミができやすい部分。高瀬先生曰く「日焼け止めを塗り忘れている人が多い部分です」とのこと。細部まできちんと気を配ってあげて。

Q7:室内にいる時もUVケアをしたほうがいいの?

「シワやたるみの原因となる紫外線A波は、窓ガラスを透過して室内にも侵入します。本来であれば、室内でも日焼け止めを塗ったほうが安心です」と、高瀬先生。

お休みの日は、保湿作用に優れたなめらかな日焼け止めや、日中用のクリームにSPF値がついたものを活用して。“朝のスキンケアの最後にUVケアをするところまで”を毎日の習慣にしてしまうのがおすすめです。

「普段過ごす部屋に大きな窓があったり、日当たりが良い場合、曇りの日もUVケアした方が安心ですね。遮光カーテンを取り入れるのももちろん有効です。ただ、日常生活の中には、洗濯物を干したりゴミ捨てに出る時など、ちょっとした“紫外線を浴びる時間”が存在するのも事実です。短時間でも紫外線を浴びると肌内部で微弱炎症が発生するため、やはり紫外線対策を習慣にしていただけたらと思います」(高瀬先生)

Q8:日傘や帽子があれば日焼け止めは塗らなくても平気?

紫外線ダメージが広く知られたおかげで、“UVカット効果”のあるカーディガンやショール、日傘などが登場しています。そういったUV小物を取り入れていたら、日焼け止めは塗らなくても大丈夫でしょうか?

「物理的に紫外線をカットするという意味では、日傘もショールも手袋も有効です。ただし、街中を歩いていると、どうしても地面や壁からの反射光を浴びることになります。無防備な素顔の状態で出歩くより、日焼け止めを塗ったほうが安心でしょう」(高瀬先生)

さらに都市型の環境下では、PM2.5や排気ガスなど、大気汚染物質の存在も見逃せません。ここ数年のUVケアのトレンドは、紫外線だけでなく大気汚染物質からも肌を守る高機能なタイプ。紫外線だけでなく、現代の過酷な環境から肌を守るためにも、 最新の日焼け止めは頼もしい味方になってくれそうです。

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皮膚科医
高瀬聡子先生
ウォブクリニック中目黒 総院長。1995年慈恵会医科大学卒業後、翌年より慈恵会医科大学付属病院皮膚科に入局。2007年ウォブクリニック中目黒を開業。ドクターズコスメ『アンプルール』の開発・プロデュースも。
■ウォブクリニック中目黒 https://wove.jp/

文/宇野ナミコ 撮影/田中麻以(小学館)

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