健康・ヘルスケア
2018.6.3

1年で約3,780億円の損失!? 生理痛が社会にもたらす影響とは?

みんな意外と知らない“生理”に関するあれこれ。今回は、「生理痛は我慢した方がいいの?」という疑問。我慢しすぎると社会経済的な損失もあるそう。浜松町ハマサイトクリニック 産婦人科医 吉形玲美先生と、イシハラクリニック副院長 内科医 石原新菜先生に解決してもらいました!

Q. 生理痛は無理に抑えつけるより、我慢した方が体にいいのでは?

A. 痛みを我慢することで生活の質が低下。社会経済的な損失も大です

「痛みを我慢すると、交感神経がぐっと高まって、体にとっては大きなストレスになります。痛みをかばおうとして、全身至る所に力を入れ続けるのも、決して健全とは言えません。体の排泄機能も低下するため、子宮を収縮させるプロスタグランジンが大量分泌。痛みがさらに強まって…と、悪循環に陥ってしまいます。痛みをこらえて、小ジワが増える、目つきが悪くなるなど、美容面でのデメリットも少なくありませんよ」(石原先生)

「働く女性の多い現代社会でも、生理休暇を堂々ととれる職場はそう多くはありません。そんな中、痛みをこらえて出勤しても、集中できずに業務の手が止まったり、失敗を繰り返したり…と、仕事の能率は著しく低下してしまいがちです。実際、月経困難症が女性の就労に与える社会経済的影響は非常に大きく、その金額は放置していいレベルを超えています。“我慢が美徳”と言った考え方は、もう時代遅れと言えるのでは?」(吉形先生)

6か月あたりの労働損失日数は?

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月経困難症によって仕事を休んだり、仕事量を減らした日数を調査した所、常勤職につく女性は6か月当たり0.40~1.44日、専業主婦の家事に置いては1.01~1.89日という結果に。

6か月当たりの労働損失額は?

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上気労働損失日数による社会経済学的影響は、半年で約1,890億円、1年間では、約3,780億円と推計された。。

※平成12年度厚生科学研究・リプロダクティブヘルスから見た子宮内膜症などの予防、診断、治療に関する研究より。

 

教えてくれたのは…
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浜松町ハマサイトクリニック 産婦人科医 吉形玲美先生
よしかたれみ/医学博士。東京女子医科大学医学部を卒業後、同大学准講師を経て、非常勤講師に。2010年7月より現クリニック院長に着任。現在は診療のほか、多くの施設で予防医療研究に従事している。揺らぎやすい女性の体のホルモンマネージメントが得意分野。

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イシハラクリニック副院長 内科医 石原新菜先生
いしはらにいな/帝京大学医学部卒。同大学病院で研修医を経て、現クリニック副院長に着任。漢方医学、自然療法、食事療法により、さまざまな病気の治療に当たっている。そのほか、わかりやすい医学解説と親しみやすい人柄で、TVやラジオ、雑誌、執筆活動と、幅広く活躍。

 

『美的』6月号掲載
イラスト/いいあい 撮影/フカヤマノリユキ 構成/つつみゆかり

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