ダイエットのいちばんの近道は代謝を上げることってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を医師や専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「代謝」について。代謝を上げるのがダイエットでいちばんの近道ってホント? ワイズ製薬の久保木彰一さんにお話を伺いました。
Q:ダイエットのいちばんの近道は代謝を上げることってホント?
「代謝が上がると痩せやすくなる」という話を耳にしたことがある人も多いかもしれません。とはいえ、食事制限や運動したりするよりも、代謝をよくしたほうが痩せる効果があるのでしょうか? さっそく、この疑問について薬剤師資格に加え、国際中医薬膳師の資格も保有するワイズ製薬の久保木彰一さんに聞いてみました。
A:ホント
「代謝の中でも基礎代謝を上げると痩せやすくなります」(久保木彰一さん・以下「」内同)
代謝にも種類があるの?
「はい。代謝には基礎代謝と活動代謝、食事誘発性熱産生の3種類があります。基礎代謝は人が覚醒している状態で生命活動を維持するのに必要最低限のエネルギーのこと。活動代謝は体を動かすことによって消費されるエネルギー。食事誘発性熱産生とは食事をしたあとは安静にしていても吸収された栄養素が分解されることで、一部が体熱となって消費されることを指します。その内訳は基礎代謝60%、活動代謝30%、食事誘発性熱産生10%です。そのため、最も多くの割合を占める基礎代謝を上げることは痩せやすくなることにつながります。
ただし、摂取カロリーが消費カロリーを超えないということが基本というのを忘れないでください。痩せるためには摂取カロリーと消費エネルギーのバランスが大切です。そして、消費エネルギーの約6割を占めるのが基礎代謝と考えられています。つまり、痩せやすい体をつくるためには摂取カロリーが消費エネルギーを越えない程度に食事をしつつ、基礎代謝を上げる必要があるということです」
食事制限をしても代謝が悪いと痩せにくい?
「はい。食事制限をしても代謝が悪いとエネルギーを消費できず、痩せにくいと考えられています。先ほど食事誘発性熱産生について説明したように食事をすることはエネルギーを消費するひとつの手段です。さらに、食事制限をすると筋肉も同時に落ちるため、その分基礎代謝も落ちるという負のサイクルが起こってしまいます。食事制限は短期間で見ると、体重が減りますが、長期的に見るとリバウンドしやすくなるリスクもあるので食事はバランスよく摂取しましょう。食事制限中は筋肉がつかず、疲れやすくなります。食事制限によるダイエット中に疲れやすさを感じる人は要注意です」
運動をしても基礎代謝が悪いと痩せにくい?
「はい。運動によって消費できるエネルギーは全体の3割程度しかないため、エネルギー消費の6割を占める基礎代謝が悪いと痩せにくくなると言えます。ただ、運動などで筋肉量を維持することは基礎代謝アップにつながるので、適度な運動を行うことはおすすめです。ウォーキングであれば1回20分程度を週4~5回。そのほか、ピラティスやヨガなどであれば週1~2回取り入れるのも良いです。
そして活動代謝というと運動などの体を動かすことによるエネルギー消費をイメージするかもしれませんが、実は筋肉よりも肝臓や脳などの臓器でのエネルギー消費のほうが多いのです」
文/土屋美緒
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昭和薬科大学薬学部薬学科卒業 。北京中医薬大学日本校卒業。薬剤師資格だけでなく国際中医薬膳師・調理師免許も保有。大手ドラッグストアーに勤務後、調剤薬局に勤務、神奈川県鎌倉市薬剤師会に所属し、在宅医療を中心に地域包括ケアの一員として活躍。その後、現職のワイズ製薬で化粧品及び健康食品の商品企画開発に従事。お客様の痛い・苦しいを取り除くために日々奮闘中です。プライベートでは二児の父で、育メンを目指しています。
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