アートメイクとタトゥーの違いは?アートメイクは眉以外もできる?どこで受けるべき?【教えてドクター#11】
アートメイクに興味はあるけれど、タトゥーにように永久に残りそうだし、とにかく痛そう……と不安に思っている人も多いのでは? 今回は、アートメイクの施術方法、受けられる部位、受けられる場所について、美容外科医のジョン・ソクフン先生に教えていただきました。
アートメイクはタトゥーとどう違うの?
眉毛が薄くて、描くのも苦手。アートメイクに興味があるのですが、あれってタトゥーとどう違うんですか?
「タトゥーとの大きな違いは深さです。基本的にタトゥーは、表皮のさらに奥にある真皮の少し下、皮下組織までインクを入れるため、分解されにくく、ほぼ永久的に残ります」(ジョン先生)
アートメイクはタトゥーと違って消えるんですか?
「はい。アートメイクは表皮の若干下、真皮部分ではあるけれど、ある程度分解されるところにインクを入れるため、2〜3年経ったら薄くなって、また入れ直す方が多いですね」(ジョン先生)
ちなみにジョン先生によると、アートメイクには専用の針があるそうですが、最近はマシンで針を入れる深さの調整ができるため、施術者によってはタトゥー用の針をアートメイクで使うこともあるそう。
「やはりタトゥーの方が歴史は長いですから、針のしなり具合や振動の具合など、タトゥー用の針には色々な製品があるようです。アートメイクだからアートメイク専用の針を使う、タトゥーにはタトゥー用の針を使う、というような線引きは今のところないですね」(ジョン先生)
アートメイクで額の形が変えられる!?
アートメイクは、眉以外もできるのですか?
「アイラインやリップのほかに、好きな位置にホクロを入れたり、頭皮に色素を入れて毛髪があるように見せたりすることもできます」(ジョン先生)
友人が額の生え際の形を気にしているのですが、アートメイクで理想的な形にすることはできますか?
「はい。最近は20代や30代の女性がアートメイクで額の生え際の形を整える方も増えています」(ジョン先生)
頭皮のアートメイクには、線で描く「ヘアライン」という施術と、ドットで毛根を描く「SMP」という施術があります。「SMP」は当初、男性の薄毛治療として行われていましたが、最近は地肌の透け感が気になる女性にも人気に。地肌が見える隙間を埋めて頭頂部の黒さを自然に濃くするため、薄毛に見えない若々しい姿を取り戻すことができます。
「薄毛だけでなく、おでこを丸く見せたいとか、顔を小さく見せたいなど、顔まわりのコンプレックスを解消することもできますよ」(ジョン先生)
アートメイクは美容サロンでも受けられる?
アートメイクって、美容サロンでも受けられるのですか?
「2001年に医師法が改定されてからは、日本では医師が常駐するクリニックでしか受けられなくなりました」(ジョン先生)
美容サロンで安く受けられると聞いたことがあるのですが、どうしてクリニックでないとダメなんですか?
「いちばんリスクが高いのはアレルギーですかね。使っているインクの種類によって成分が違うのですが、知識がないとアレルギー反応が起こる可能性も高いですし、反応が起こってしまった場合、クリニックのようにその場で医療行為もできません。そのため美容サロンで何かあった場合は医療機関を受診しなければいけないので、アートメイクをしたい人は必ずクリニックで受けるというのが前提になります」(ジョン先生)
美容サロンでアートメイクを受けるリスクはアレルギー以外にも問題が。肌に入ったインクはレーザーで破壊するのですが、インクの種類と深さによって反応が変わるため、美容サロンからそれらの情報提供がない場合、治療に何回かかるか、どれくらいの反応が出るか、医療機関では判断できなくなってしまうのです。
「美容サロンでのアートメイクは衛生面も不安です。医療機関では、針などを使用する道具は必ず機械で滅菌していますが、美容サロンがどこまで徹底できているかはわかりません。出血もするので、人から人への感染リスクも懸念があります。アートメイクを検討している方は、必ず医師が常駐するクリニックで受けるようにしましょう」(ジョン先生)
アートメイクは針を使用し、皮膚に着色をする医療行為。医師の管理下でトレーニングを受けた医療従事者のみがアートメイクを行えます。価格や手軽さで選ばず、クリニックで医師の診察を受けてから行いましょう。
文/清瀧流美 ※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
2018年、韓国美容皮膚科・美容外科にて勤務。2020年、日本で医師免許取得。2023年6月、表参道メディカルクリニック銀座院院長就任。