健康・ヘルスケア
2024.6.11

鉄分、足りてる? 「貧血」の原因や改善方法を医師が回答!【チェックリスト付】

「スキンケアを頑張っているのに肌トラブルが絶えない」「美容医療を受けてみたけれど、今ひとつ効果を感じられない」という方、いませんか?…美的世代の約6割が貧血な中、実は鉄分不足だと、せっかくのビューティケアが行き渡らないんです!まずは貧血について知りましょう♪

松倉クリニック代官山 院長・美容皮膚科医

貴子先生

広尾レディース 院長 産婦人科医

宗田 聡先生

\美への近道は/正しい鉄分チャージ“鉄トレ”で「脱・貧血」!【スタディ編】

あなたは鉄分、足りていますか?

貧血の原因は?

体に入ってくる鉄よりも出ていく量が多いと貧血に!
「貧血の原因はよく家計に例えられるのですが、簡単にいうと鉄の“収入”よりも“支出”が多くなってしまうこと。その収入に当たるのが食事です。忙しくて外食やファストフードに頼る食生活を続けていると栄養バランスが偏り、充分な量の鉄分を補給できません。しかも鉄は一度にたくさんとっても意味がなく、毎日コツコツ摂取してこそ“貯金”になります。月経のある30代女性の食事による鉄分摂取基準は、1日に11mgとされています(厚生労働省)。

一方、支出に当たるのは、毎月の生理やなんらかの病気による出血。普通に生理が来るだけで鉄欠乏になることはありませんが、子宮筋腫や子宮内膜症など婦人科系疾患がある場合は過多月経となることがあり、体内の貯蔵鉄が減って、貧血のリスクが高まります」(産婦人科医・宗田聡先生)
 

鉄不足だと、なぜキレイになれない?

鉄不足は美肌作りの土台、コラーゲン不足に直結!
「血液中の赤血球には、肺から酸素を取り込んで全身に届ける役割のヘモグロビンというたんぱく質が含まれています。貧血は、血液そのものが少ないのではなく、そのヘモグロビンの量や質が低下している状態。そのため全身の各細胞に酸素や栄養が行き届かず、さまざまな不調を引き起こします」(宗田先生)

「美容や健康に欠かせないコラーゲンは、たんぱく質を材料に鉄とビタミンCの力を借りて作られます。つまり鉄やビタミンCが足りないと、美肌の土台、コラーゲン合成がうまく行かないのです。貧血で肌や髪、爪などのコンディションが悪くなるのはそのサイン。美容医療やスキンケアによるアンチエイジングもコラーゲン合成を促すことが重要なので、体の鉄不足がその妨げになる可能性は大きいです」(貴子先生)

\体の各細胞に酵素が届かない/
赤血球に含まれる“酸素の運び屋”ヘモグロビンの量が少なく濃度が足りないと、全身に酸素が充分に行き渡らず、細胞は酸欠状態に。

\肌のコラーゲン生成を鉄とVCがサポート/
コラーゲンは、たんぱく質と鉄分、ビタミンCが三位一体となって合成されます。どれかひとつ足りなくても、潤いやハリの低下に。

 

こんな不調があったら、鉄欠乏性貧血かも!?

  • 体が重だるい
  • 疲れやすい
  • 冷えやすい
  • むくみやすい
  • 肌あれが治らない
  • 肌が乾燥する
  • ニキビができる
  • 爪が薄くなった(二枚爪・反り爪なども)
  • 抜け毛や枝毛が気にな
  • 息切れしやすい
  • 気分がイライラする
  • 集中力がない
  • 朝起きるのがつらい
  • 日中も眠い
  • 下まぶた裏側の粘膜が 白っぽい(「あかんベぇ」をして、粘膜部分が白っぽいの は貧血のサイン。正常はピンク~赤色。)

当てはまる項目が多い程、鉄欠乏性貧血の可能性が大。ただし、違う病気が原因で上記症状が起こる場合もあるので、つらかったり、長引く場合は、産婦人科で相談するのが◎。

\数値でCHECK/
血液検査で貧血・隠れ貧血がわかる
血液中のヘモグロビン値とフェリチン(貯蔵鉄)値をチェック。成人女性(妊娠中や授乳中を除く)はヘモグロビン11g/dl以下で鉄欠乏性貧血。ヘモグロビンが12g/dl以上でもフェリチンが11ng/ml以下なら隠れ貧血で、貧血同様の症状が見られる。

鉄欠乏性貧血を改善するには?

鉄分が多く吸収のいい食事と腸内環境の改善がカギ!
「鉄欠乏性貧血の改善策は、意識的に鉄分をとる習慣をつけることです。まずは鉄分を多く含む食品を選ぶようにします。特に、肉や魚など動物性たんぱく質に含まれるヘム鉄は、体への吸収が良いタイプの鉄です。一方、野菜などに含まれる非ヘム鉄は、ヘム鉄よりも吸収が悪いのですが、動物性たんぱく質やビタミンCと一緒にとると吸収されやすくなります」(宗田先生)

「鉄の補給に加えて、腸内環境を整えることも心掛けてください。基本的に食べたものは胃で消化、腸で吸収されます。便秘などで腸のコンディションが悪いと、せっかくとった鉄分やたんぱく質の吸収も損なわれることに。水分をしっかりとる、体を冷やさないようにする、適度に運動をするなど、腸を元気に動かすためのケアも重要です」(貴子先生)

『美的』2024年月7号掲載
撮影/河野 望 構成/つつみゆかり、有田智子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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