健康・ヘルスケア
2023.6.10

20~40代女性の65%以上は鉄分不足! 「鉄欠乏性貧血」の原因は?

梅雨に起こりがちな「なんだか体がだる重」「疲れやすい」「やる気が起きない」…それって、実は『美的』世代も大半が当てはまる「鉄欠乏性貧血」かもしれません。専門家に詳しく聞いてみました。

美的世代の貧血の大半は「鉄欠乏性貧血」

貧血・隠れ貧血の最大の原因は、体内の鉄分不足!

産婦人科医

石川博士先生

「通常、貧血の検査は、血中のヘモグロビン濃度をチェックします。ヘモグロビンは鉄とたんぱく質からできているため、それが基準値より低い場合、鉄欠乏性貧血と判断します。ただし、ヘモグロビン値が正常でも、体内で鉄をためる働きのフェリチン(貯蔵鉄たんぱく質)の数値が低いと、体はやはり鉄不足。“隠れ貧血”として、鉄欠乏性貧血同様の対策が必要です。鉄欠乏性貧血の原因には、鉄の摂取不足のほか、子宮筋腫など過多月経や随時出血を伴う婦人科系疾患、妊娠などが上げられます」(産婦人科医・石川博士先生)

20〜40代女性の65%以上は鉄分不足!


※厚生労働省 2009年国民健康・栄養調査を基に作成。
厚生労働省の調査で、生理のある20〜40代の日本女性の65%が鉄欠乏性の貧血、もしくは隠れ貧血であることがわかっている。

血液検査で貧血・隠れ貧血がわかる

※日本鉄バイオサイエンス学会 治療指針作成委員会 編.
鉄剤の適正使用による貧血治療指針 改訂[第3版]

体内の鉄は65%がヘモグロビン鉄、25%がフェリチン鉄(貯蔵鉄)。成人女性は(妊娠・授乳中を除く)ヘモグロビン12g/dl未満で鉄欠乏性貧血。ヘモグロビンが12g/dl以上でも、フェリチンが12ng/ml未満なら隠れ貧血。貯蔵鉄からもち出している現象。

鉄欠乏性貧血の原因は…

体が使う量の鉄をとれていないと鉄欠乏に!


「鉄は、全身に酸素を運ぶヘモグロビンの主な材料。体内に3〜5gは必要です。その需要に供給が追いつかないと、鉄欠乏性貧血になります」(石川先生)

鉄が充分にとれない主な原因

・鉄の摂取不足ダイエット・偏食など

多忙で食事が不規則、体型を気にしてダイエット中、動物性食品をあまり食べない…など、普段の食生活で鉄を充分に摂取できていない女性が増加。

鉄の消費が増える主な原因

・慢性の出血・失血
過多月経・子宮筋腫・子宮腺筋症

・妊娠・分娩・授乳
生理時の経血量が多すぎると鉄が常に足りない状態。過多月経の陰には、出血を伴う子宮筋腫や子宮腺筋症といった疾患が隠れている場合があるので要注意。

『美的』7月号掲載
イラスト/小松容子 構成/つつみゆかり、有田智子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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