爪が白っぽい人は貧血の場合が多いってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を医師や専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「爪」について。爪が白っぽい人は貧血の場合が多いってホント? 足と爪の専門家、伴野真希さんにお話を伺いました。
Q:爪が白っぽい人は貧血の場合が多いってホント?
爪と貧血、一見関わりがないように見えますが「爪は健康のバロメーター」と言われることもあるように、爪のコンディションは体の健康状態とも関係があるのだとか。本当なのでしょうか。さっそく、この疑問について足と爪の専門家である伴野真希さんに聞いてみました。
A:ホント
「すべての爪の不調が貧血と関係あるわけではないですが、貧血の人特有の爪の状態はあります」(伴野さん・以下「」内同)
健康な爪の色と形は?
「色は桜色と表現されることが多く、キレイなピンク色が理想です。爪は唯一、自分の粘膜の色が見えるところであり、健康な人は爪の色も良いです。形は、爪が指に添うように前後左右にカーブを描き、真ん中が少し膨らんでいる状態が通常です」
貧血気味だと爪の色と形はどうなる?
「貧血で鉄分などの栄養不足から反り爪になることがあります。色も血液の健康状態に影響されやすく、赤血球やヘモグロビンが不足することで顔色が青白くなるように爪も同じように白っぽくなります。健康状態は白は貧血・腎臓、肝臓の不調と昔から言われております。反り爪の原因はさまざまあり、貧血のように内面からくるものと、外圧によるものがあります。爪が薄いうえに指先に力を入れる作業による負荷などからも反り爪になることがあります。足の爪の中でも、一部だったり、爪によって反っていたり、反っていなかったりという場合は、踏ん張り癖によるものが多いです。足趾の腹が使われておらず、指先だけで踏ん張っていることで、一部の爪に変形が起こります。
鉄分などの栄養不足からくる場合は、手足の爪すべてが反るという特徴があります。踏ん張り癖なのか栄養不足なのかの違いは、反っている爪が一部なのか、すべてなのかによって見分けることができます」
手の爪と足の爪に起こるトラブルの違いは?
「手の爪は二枚爪が多く、足の爪では巻き爪や陥入爪、肥厚爪などの変形爪のトラブルが多く起こります。爪というのは内側に巻く性質があるのですが、巻こうとする力をもとに戻すための重要なポイントが歩くこと。地面を踏み締めることが、下から爪を押し上げる力となり、上から巻こうとする力とバランスを取ります。しかし、歩くことが少なくなったり、上下の力のバランスが崩れると爪のトラブルに繋がります。足の爪のトラブルは、体の歪みや不均等な力の使いかた、間違った靴選び、歩きかたが原因となることがほとんどです。言うなれば、爪は被害者。生活習慣の集大成が爪の状態に出るのです。立つ、歩くという行為は健康な人生に欠かせないことなので、爪も大事にしてあげてほしいです」
足が臭いのは爪の隙間の汚れが原因?
「爪に溜まったゴミはどんな人のものでも臭いので、爪の隙間の汚れが臭いの原因ということもゼロではありません。タンパク質は臭いを吸収しやすい性質を持っているので、タコや魚の目がある人は臭いをキープしやすい可能性があります。爪と同じくタンパク質でできている髪の毛も臭いを吸収しやすいですよね。それを考えると臭いが付きやすいということが想像できるのではないでしょうか。さらに、足裏は精神性の発汗で、臭いの原因にもなる分泌物の多い汗をかきやすい場所です。サイズの合っていない靴を履くことでもストレスになって精神性の発汗が起こるので、汗自体に臭いはないのですが、靴で密閉され、蒸れることで分泌物によって雑菌が繁殖しやすく、臭いが発生しやすくなります。足裏には脇のように毛穴から出る汗の汗腺があるわけではないですが、臭くなりやすい汗と、環境が菌の繁殖に適しているので、臭いが気になる人は対策として爪切りも含め、足を清潔に保つことと、足に合った靴を選ぶことを心がけてください」
爪は爪切りで切らないほうがいい?
「切りかたは大事ですが、道具は使いやすいものであればなんでも大丈夫です! 一般的には爪切りを使用する人が多いと思いますが、刃がカーブしているものでもフラットなものでも、整えられれば良いです。ただ、切るときに注意して欲しいことがあります。それは、いっぺんに切るのではなく、少しずつ切ること。爪はカーブしているので、一気に刃で爪を挟んでしまうとテンションがかかり、一時的に爪が真っ直ぐになり、切った瞬間に反動で力がかかってしまいます。それにより爪が割れたり、ダメージを与えてしまう恐れがあります。そのため、切りやすい部分からで良いので、少しずつ切るようにしましょう。
サロンではニッパーを使用しますが、自分の爪を切るのにニッパーを使うのはプロでもなかなか難しいので、自分に合った使いやすい爪切りを見つけるのが良いでしょう。爪にお悩みのある人や、自分で爪を切るのが苦手な人などはサロンでケアをしてもらうのがおすすめです」
文/土屋美緒
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足職人歴約20余年、多くの人の足を見てきた経験をもとに、ひとりひとりの足の悩みに寄り添ったケアを届けています。JPポドロジー『足学』(足の専門家育成スクール)講師。医療法人社団東京育明会所属医院(整形外科・皮膚科)フットケア外部技師。テレビ出演、雑誌やラジオ紹介も多数。
■足と爪の専門店 ばんの