バナナを食べるとうつ対策にもなるってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を医師や専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「バナナ」について。バナナを食べるとうつ対策にもなるってホント? 管理栄養士の渥美まゆ美さんにお話を伺いました。
Q:バナナを食べるとうつ対策にもなるってホント?
「バナナはカリウムを豊富に含んでいるからむくみ予防にもいい」という話を聞いたことがある人も多いと思います。しかし、バナナを食べるとむくみ予防だけでなく、うつ対策にもなるのだとか。本当なのでしょうか。さっそく、この疑問について管理栄養士の渥美まゆ美さんに聞いてみました。
A:ホント
「バナナにはうつ対策に重要な栄養素が含まれています」(渥美さん・以下「」内同)
うつ対策と関係の深い栄養素とは?
「セロトニンといういわゆる「幸せホルモン」と言われているホルモンがあるのですがセロトニンが低下するとうつなどの精神症状を引き起こすと言われます。そのため、うつ対策には元気になるホルモンが出やすくなるようにすることが大切だと考えられています。そのセロトニンを作り出すためにはトリプトファンという体内では作ることができない必須アミノ酸の一種を食べ物から摂取する必要があります。さらにトリプトファン単品ではセロトニンを作り出すことはできず、炭水化物とビタミンB6も必要不可欠です。トリプトファンは体内で生成できないけれど、食べ物から摂取することで、さまざまな酵素やビタミンも補い合い、体の中でセロトニンを合成することができます」
バナナにはセロトニンを作る材料が揃っている
「バナナには“トリプトファン”と“ビタミンB6”、“炭水化物”の3つがバランス良く含まれているため、体内でセロトニンを合成するために必要な栄養素が揃っています。ほかにもビタミンやミネラル、食物繊維や水分も含まれているため、バナナは1本でさまざまな栄養が含まれている優秀な食べ物だと思います」
バナナを食べると腸活にもなる
「バナナに含まれる成分の代表的なものとして食物繊維があります。食物繊維には便秘予防や身体を整える効果もあり、食物繊維は健康な身体を作るのに大切な食べ物です。水分も多く含んでいるため、繊維質を摂りすぎてお腹が張る心配もなく、便秘改善に役立ちます。カリウムの効果もあってむくみ予防もできるので良いこと尽くめ。腸内細菌のバランスによって健康状態が左右されるとも言われているので、健康や美容のためにも身体の環境を良くしてくれるバナナはおすすめの食材です」
食物繊維をより多く摂取するには青めのバナナがいい?
「バナナには分解・吸収されにくい難消化性デンプンである“レジスタントスターチ”が含まれています。レジスタントスターチは善玉菌を増殖させるとも言われていて、腸内環境を整える効果が期待されます。そんなレジスタントスターチはフルイエローのバナナに比べ、完全に熟す前の両橋に緑色が残っている状態のグリーンチップバナナに多く含まれています。そのため、確かに食物繊維を接取するには青めのバナナのほうが良いと言えるかもしれませんが、健康状態を左右するほど腸に影響するかは定かではありません。熟したからと言ってレジスタントスターチがなくなるわけではなく、バナナにはさまざまな栄養素が含まれているため、おいしく食べられるときに食べるというのがおすすめです!“ばっかり食べ”というのがいちばん良くないので、ひとつの栄養素だけに着目しないこと。レジスタントスターチに関しては『青めのバナナがお好みという人には朗報です!』といったところですね」
文/土屋美緒
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メニュー開発、商品開発、出版、メディア出演、イベント出演、食プロデュースやさまざまな企業の健康セミナーなどに関わり、“美味しい食事を楽しみながら元気でいること”をモットーに活動中。『世界一ラクチンな栄養ごはん』(西東社)など、出版実績も多数。
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