髪は毎日洗ったほうがいい?薄毛・抜け毛を防ぐ洗い方、乾かし方は?【女医に訊く#187】
ブローやカラーリングに負けない美しい髪をキープするには、髪はもちろん頭皮もすこやかに保つことも大切です。抜け毛や薄毛の原因にもなる頭皮トラブルを防ぐには、毎日どんなヘアケアをすればいいのでしょうか? 発毛診療医・美容皮膚科医の高橋栄里先生に、薄毛・抜け毛を防ぐ髪の洗い方を教えていただきました。
髪は毎日洗ったほうがいい?
頭皮は体のなかでも毛穴が密集しており、皮脂分泌が活発な場所。そのうえ毛髪も密集しているため、汚れがつきやすく、臭いがこもりやすくなっています。
「頭皮トラブルを防ぐには、頭皮を清潔に保つことが大切です」と話すのは、発毛診療医・美容皮膚科医の高橋栄里先生。やはり髪は毎日洗うべきなのでしょうか?
「正直それは肌質や年齢など、人や生活環境にもよります。毎日絶対洗わなくてはいけないということはありませんが、外に出たときは、埃などの汚れが付着して家に帰るわけですし、汗を多くかいたあとも清潔に洗い流すのはとても大切なことです」(高橋先生)
どんなシャンプーを使えばいい?
頭皮を清潔に保つことが大切なのはわかりましたが、ノンシリコンタイプや泡で出てくるタイプなど、シャンプーの種類はさまざま。いったいどんなものを使えばいいのでしょう?
「これもノンシリコンがいい、シリコンが駄目などは、一概には言えず、やはりその方の髪の毛の悩みと状態によります」と高橋先生。
「ダメージがあり一時的にサラサラになりたいなど、コーティングの必要性があるような髪の状態の場合は、シリコンという選択をするのも間違いではないでしょう。一方、髪の中に栄養成分を浸透させたい場合は、ノンシリコン系の物を使いながら、トリートメントやアウトバスで内部のケアまでをするというのもおすすめです」(高橋先生)
また、泡で出てくるタイプは、摩擦が少なく、まんべんなく洗いやすいのが特長。そのため、泡立てが得意で満遍なく洗える人であれば、泡立てタイプを使わなくても問題はないそう。
「頭皮環境により異なるため一概には申し上げられませんが、朝起きて頭皮がベタつく場合にはシャンプーの洗浄力が弱い可能性も考えられます。頭皮タイプにあったシャンプー選びの見直しをしましょう」(高橋先生)
薄毛・抜け毛を防ぐ洗い方、乾かし方は?
頭皮は皮脂や汚れ、臭いがつきやすいところ。とはいえ、爪を立ててゴシゴシ洗うのはNG! 洗うときは、頭皮や髪にダメージがかからないよう気をつけましょう。
「頭皮を洗うときは指の腹を使ってください。頭皮を傷つけないようシャンプーブラシを上手に取り入れるのもいいと思います。気持ちいと感じる程度にし、やりすぎには注意しましょう」(高橋先生)
洗髪後はやさしく丁寧なタオルドライをしたあと、熱が集中しないように小刻みにドライヤーを当てて乾かしましょう。
高橋先生おすすめ美髪シャンプー術
(1)髪の毛のもつれをほぐす
シャンプー前にまずはブラッシング。毛先から上へ徐々にとかして、毛のもつれをほぐすとともに髪の汚れを浮かせる。頭皮の汚れが落ちやすくなる効果も。
(2)お湯でよく洗う
シャワーを1~2分間あてて髪と頭皮を予洗い。髪についた汚れはほぼ落ちるうえに、頭皮の毛穴が開き、シャンプーの洗浄成分がなじみやすくなる。
(3)シャンプー液を手のひらで泡立てる
液の量は500円玉くらいを目安に(メーカーにより異なる)、髪のボリュームや長さに合わせて調整を。手のひらにとり、同量の湯を加えてよく泡立てる。難しい場合には、適量のシャンプーを塗布した後、お湯をさっと含ませ泡立てる。
(4)地肌を洗い、よくすすぐ
泡立てた液を頭全体につけ、両手の指の腹で地肌をマッサージするように洗う。液剤のすすぎ残しは肌トラブルのもと。頭皮を意識してしっかりすすぐ。
文/清瀧流美
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
イークリニック麻布 院長。日本臨床医学発毛協会発毛診療医。日本毛髪科学協会認定毛髪診断士。日本臨床抗老化学会認定医。都内美容皮膚科の院長を経て、発毛診療医として大手AGA専門クリニック院長を務めたのち、診療顧問に就任。2019年に美容皮膚科、発毛治療ができる「イークリニック麻布」を開院。毛髪と美容のプロフェッショナルとして活躍中。著書に『女性の白髪・薄毛の悩みがなくなる方法』など。