友利新先生が解説! 春の肌トラブル「かゆみ」に関するQ&A
美的クラブにアンケートをとったところ、冬~春のこの時期になんらかの肌トラブルが出ている人が半数以上という結果に! 中でも一番多かった“かゆみ”について基本的な知識を皮膚科医の友利 新先生に教えてもらいました♪
かけばかく程症状悪化…かゆかゆの負のループから抜け出すための質問!
かくと一時的にかゆみが治まった気がするものの、逆にかゆみを増長。さらに爪で皮膚に傷がつくと、そこから細菌感染を起こす危険性も!
美的クラブにアンケート!
肌不調を感じやすいのは冬~春、季節の変わり目に要注意!
乾燥が激しい冬から、花粉などのアレルギー症状に悩まされる春にかけ、何かしらの肌トラブルに悩まされている人が多数。特に寒暖差が激しい季節の変わり目は肌のバリア機能が低下し、肌不調はピークに!
肌の悩みNo.1はかゆかゆ!その背景には症状の併発が
大差はないもののトップは“かゆかゆ”に。結果から見えたのは、乾燥によるザラつき、湿疹などのぷつぷつは、かゆみも併発しているということ。肌不調を感じている多くの人が、複数の悩みをもっていることが判明。
※2020年1月実施(n=100)
まずは知ろう!かゆかゆの基本情報
Q. かゆみが起こる原因はなんですか?
A. 最大の原因はバリア機能の低下です
「肌には本来、外的刺激から守るバリア機能があります。ですが、乾燥や汚染物質の付着、アレルギーなどにより保護機能が低下して敏感になると、ちょっとした刺激でもかゆみや炎症が起こりやすい状態に」(友利先生)
Q. アレルギーによるかゆみは改善できますか?
A. 個人差はありますが、できる可能性も
「アレルギー反応は体を守る免疫機能が過剰になることで起こります。食事や生活習慣の改善で免疫力を正常に戻す努力をするこ とで、症状が緩和されることも」(友利先生)
おすすめのアイテムはこれ!
肌の炎症を抑えるオメガ3・6・9を好バランスで配合。加熱しても栄養価が壊れないほか、精製されクセが少ないので、生でも◎。
創健社 カメリナオイル 170g ¥1,650
Q. どんなにかゆくてもかいたらダメ?
A. 絶対にダメです
「かくとかゆみが増しやすいので、かきむしってしまうことで、皮膚表面が傷つきバリア機能がさらに低下。傷口に細菌が入り炎症が起こると、色素沈着にも」(友利先生)
Q. かゆみを我慢できないときの応急処置は?
A. 冷やしましょう
「炎症は冷やすことで鎮静できます。かくのはもちろん、たたく、つねるなどの刺激も控えて」(友利先生)
Q. ステロイドの正しい使い方ってありますか?
A. 強めのステロイドを短期集中使いして
「かゆみを伴う炎症を抑えるには“ステロイド”が効果的。かゆみは一度炎症が治まったと思っていても、実は根治していない場合も。医師の指導のもと、強めの薬を広範囲に塗り、落ち着いてから徐々に弱めの薬に替えて。まずは短期間で確実に症状を抑えましょう」(友利先生)
Q. お風呂に入るとなぜ体がかゆくなるの?
A. 乾燥が大半。じんましんが原因の場合も
「水分や皮脂が失われることで肌が乾燥し、かゆみが出やすく。また、暑すぎるお湯に浸かり血流がよくなることで“温熱じんましん”を発症する人もいます」(友利先生)
Q. 一時的なかゆみと湿疹など疾患の見分け方は?
A. 症状の期間やエリアをチェック
「翌日などすぐに引けば一時的なかゆみですが、赤いぷつぷつも伴い数日間続くようならば湿疹。体の片方にだけ水膨れの症状が出れば、帯状疱疹の可能性も」(友利先生)
教えてくれたのは…
皮膚科医 友利 新先生
ともりあらた/都内2か所のクリニックに勤務。美容知識の豊富さと、わかりやすい解説で、TVや雑誌、講演会などで幅広く活躍中。
『美的』2020年5月号掲載
イラスト/naotte 構成/中島麻純・島田七瀬・宍戸沙希(スタッフ・オン)
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。